先に明らかにすべき事実がある。私は「イ・グン大尉」というユーチューバーを好きでない。何年か前に若い男性を中心に爆発的人気を呼んだユーチューブチャンネル『偽物の男』で彼が繰り返した「きみの性格に問題がある?」のような流行語は事実なぜ流行語になったのかもわからない。いずれにせよ彼は侵攻されたウクライナに向かった。参戦が目的だ。
こうしたニュースが伝えられると外交部は旅券法違反に対する行政制裁を加える方針だと明らかにした。8日に外交部のチェ・ヨンサム報道官は「政府の規定された事前許可なくウクライナに入国した事実を確認した。外交部は現在旅券法に基づき法務部など関係官庁との協議を通じ旅券に対する行政制裁を進行中」とした。旅券法違反にともなう行政制裁は旅券返却命令から、命令に応じない時の旅券無効化、新規旅券発給制限の3段階の措置で構成される。
◇オーウェルも処罰すべきだったのか
だが私はイ・グンのウクライナ義勇軍参戦に反対しない。さらに進んで、韓国政府がイ・グンや彼と似た考えの人たちの参戦を防ぐことにも懐疑的だ。「自分が正しいと考えることのために戦う権利」を否定することだからだ。なぜ韓国は国民が自分の信念のため命をかけて他国の戦争に出る権利を許容しないのか。
ここでジョージ・オーウェルを一度召還してみよう。1936年12月、彼はスペインのカタルーニャで義勇軍に入隊した。最初はジャーナリストとして行ったが生まれて初めて訪れたカタルーニャに足を踏みいれるや義勇軍に入ってしまった。当時社会主義者だったオーウェルは無政府主義的なカタルーニャに魅了され、フランコ政権に対抗しカタルーニャを守ることに命をかける価値があると考え、記者ではなく軍人としてスペイン内戦に加担した。
戦争は思ったほどロマンチックではなかった。戦場の恐怖よりも苦痛なことは同じ社会主義者の間で広がる政治闘争と内紛だった。特にソ連の支援を受けるスターリン主義者は無政府主義者らを無惨に踏みにじった。共通の敵だと信じて疑わなかったフランコ政権のファシストよりも時にはさらにあくどかった。結局オーウェルは体と心に傷を抱えたまま故国に戻った。
この原稿を書こうと彼の『カタルーニャ賛歌』を改めて読んでみた。どこにも英国政府がオーウェルのスペイン義勇軍入隊を処罰したという内容はない。だれかが自身の信念を基に他国で命をかけることは、推奨するようなことではないにしても、禁止することでもないとの考えが常識として敷かれているためだろう。
英国、カナダ、米国などは依然としてそのような常識が通じる。さらに英国とカナダはウクライナ参戦を望めば参加しても良いという立場を公式に明らかにした。米国もやはり法的処罰対象にならないという点を明確にしている。ロシアと国レベルの戦争を行うわけにはいかないが、侵略者ロシアと戦いたい国民がいるならばあえて止めないという立場だ。
◇外人部隊はいいのに「イ・グン」はだめ?
こうした常識は韓国では常識でない。ただ強硬な政府の態度だけでなく、イ・グンのウクライナ入国を取り上げた記事に付けられた一般国民のコメントだけ見ても知ることができる。人々は概ね3つの理由で彼のウクライナ行きを非難する。最初に、韓国人のウクライナ参戦は外交紛争の口実を提供しかねない。2番目に、実際の戦争に飛び込めば銃刀類や爆薬などを使って人を殺すこともあるためそれは犯罪だ。3番目、韓国人ならば韓国を守るべきだ。
【私は告発する】ウクライナ参戦したイ・グン元大尉に殺人罪を問うと?(2)
こうしたニュースが伝えられると外交部は旅券法違反に対する行政制裁を加える方針だと明らかにした。8日に外交部のチェ・ヨンサム報道官は「政府の規定された事前許可なくウクライナに入国した事実を確認した。外交部は現在旅券法に基づき法務部など関係官庁との協議を通じ旅券に対する行政制裁を進行中」とした。旅券法違反にともなう行政制裁は旅券返却命令から、命令に応じない時の旅券無効化、新規旅券発給制限の3段階の措置で構成される。
◇オーウェルも処罰すべきだったのか
だが私はイ・グンのウクライナ義勇軍参戦に反対しない。さらに進んで、韓国政府がイ・グンや彼と似た考えの人たちの参戦を防ぐことにも懐疑的だ。「自分が正しいと考えることのために戦う権利」を否定することだからだ。なぜ韓国は国民が自分の信念のため命をかけて他国の戦争に出る権利を許容しないのか。
ここでジョージ・オーウェルを一度召還してみよう。1936年12月、彼はスペインのカタルーニャで義勇軍に入隊した。最初はジャーナリストとして行ったが生まれて初めて訪れたカタルーニャに足を踏みいれるや義勇軍に入ってしまった。当時社会主義者だったオーウェルは無政府主義的なカタルーニャに魅了され、フランコ政権に対抗しカタルーニャを守ることに命をかける価値があると考え、記者ではなく軍人としてスペイン内戦に加担した。
戦争は思ったほどロマンチックではなかった。戦場の恐怖よりも苦痛なことは同じ社会主義者の間で広がる政治闘争と内紛だった。特にソ連の支援を受けるスターリン主義者は無政府主義者らを無惨に踏みにじった。共通の敵だと信じて疑わなかったフランコ政権のファシストよりも時にはさらにあくどかった。結局オーウェルは体と心に傷を抱えたまま故国に戻った。
この原稿を書こうと彼の『カタルーニャ賛歌』を改めて読んでみた。どこにも英国政府がオーウェルのスペイン義勇軍入隊を処罰したという内容はない。だれかが自身の信念を基に他国で命をかけることは、推奨するようなことではないにしても、禁止することでもないとの考えが常識として敷かれているためだろう。
英国、カナダ、米国などは依然としてそのような常識が通じる。さらに英国とカナダはウクライナ参戦を望めば参加しても良いという立場を公式に明らかにした。米国もやはり法的処罰対象にならないという点を明確にしている。ロシアと国レベルの戦争を行うわけにはいかないが、侵略者ロシアと戦いたい国民がいるならばあえて止めないという立場だ。
◇外人部隊はいいのに「イ・グン」はだめ?
こうした常識は韓国では常識でない。ただ強硬な政府の態度だけでなく、イ・グンのウクライナ入国を取り上げた記事に付けられた一般国民のコメントだけ見ても知ることができる。人々は概ね3つの理由で彼のウクライナ行きを非難する。最初に、韓国人のウクライナ参戦は外交紛争の口実を提供しかねない。2番目に、実際の戦争に飛び込めば銃刀類や爆薬などを使って人を殺すこともあるためそれは犯罪だ。3番目、韓国人ならば韓国を守るべきだ。
【私は告発する】ウクライナ参戦したイ・グン元大尉に殺人罪を問うと?(2)
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