英国防省は9日、公式ツイッターを通じロシアがウクライナで熱圧力弾を発射できる発射台であるTOS-1Aを使った事実を確認したと明らかにした。英国防省ツイッター キャプチャー
「悪魔の兵器」と呼ばれる真空爆弾は周辺の酸素を吸引して強力な超高温爆発を引き起こす兵器だ。爆発時に発生する高い圧力波が人の臓器に損傷を起こし、非倫理的な大量破壊兵器と評価される。
これに先立ち先月28日、ウクライナは「ロシア軍が真空爆弾を使った」と主張した。フォーブスなどによると、ロシアがこうした兵器システムをウクライナに配備した事実も明らかになった。これまで実際に使用されたかは不確実だったが、ロシアがこうした用途のロケット発射台を使った事実を英国防省が明らかにしたのだ。
BBCやスカイニュースなど英国メディアは英国防省のこうした発表を「ロシアがウクライナで熱圧力弾を使ったと英国防省が明らかにした」と伝えた。
英国防省はツイッターに、TOS-1Aがどれだけ危険なのかを説明する1分15秒の動画もともに投稿した。動画は「TOS-1Aは熱圧力弾を搭載したロケットを発射できる多連装ロケット発射台で、ロシア軍がアフガニスタンとチェチェンで使った」と紹介した。
続けて「熱圧力弾は高温爆発を起こすため周辺にある空気の酸素を使い、既存の爆発物より爆発効果が長引く」と説明した。また、TOS-1Aはインフラを破壊でき、内臓に深刻な損傷を与え、やけどを負わせて露出した人々を死亡させようにできるとも伝えた。
動画は「熱気圧弾使用は違法ではないが武力紛争に関する法の厳格な統制を受ける」ともした。その上で「ロシアのプーチン大統領が民間人を対象にTOS-1Aシステムを意図的に使うならばそれは違法」と強調した。
◇米「ロシア、偽旗作戦で化学兵器使うことも」
こうした中、米国政府はロシアがウクライナで化学兵器を使ったり再び攻撃の口実を作る「偽旗作戦」を使う恐れがあるとの警告を出した。
サキ米大統領報道官は9日、ツイッターを通じ「ロシアが、米国がウクライナで化学兵器を開発しているという虚偽の主張をしている」と明らかにした。続けて「ロシアの虚偽の主張を中国が支持しているようにみえる。ロシアがウクライナで生化学兵器を使ったり偽旗作戦を展開する可能性を警戒しなければならない」と伝えた。
偽旗作戦は相手が先に攻撃したという虚偽の主張をして攻撃の口実を作ることを意味する。ロシアが米国やウクライナが化学兵器を使っているという嘘を広めながら実際にはウクライナでロシアが化学兵器を使う恐れがあるという意味だ。
サキ報道官はまた、「米国はそのような兵器を開発したり保有したりしていない。プーチンの政敵に対する毒殺の試みを含め、化学兵器を使い国際法に違反して生物兵器計画を長く維持してきたのはロシア」と指摘した。
米国務省もロシアがウクライナで化学兵器を使う可能性を警告した。米国務省のプライス報道官はこの日声明を出し、「ロシア大統領府は米国とウクライナがウクライナで生化学兵器活動をしているという露骨な嘘をまき散らしている」と明らかにした。
続けて「ロシアが他の国を相手にこうした虚偽の主張をするのは初めてではない。ロシアはウクライナで実施したぞっとする行動を正当化するために虚偽の口実を作り出している。今後こうした根拠のない主張を2倍に増やすと予想する」と話した。
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