「1987年体制以降8回目の大統領選挙となるが、今回のように墜落した選挙は初めて見る。国家経営のビジョンどころか、ネガティブキャンペーンだけで勝つと思っている。時代の精神は見られず、葛藤構造をどう解消するかは全く考えていないようだ。グローバル体制のバリューチェーンが変わるが、どのように我々の位置を固めて発展させるのかという概念もないようだ。だから選挙がこのようになってしまった」 (金鍾仁・元国民の力非常対策委員長)
「全世界がデジタル革命、ニューノーマルのために忙しく動いている。今回の大統領はこの時代的な転換期の責任を負わなければならないが、未来に関する談論が一つもない。本当に残念だ。指導者が国民と変わらない。指導者は高くて広い視野で前を見ながら警告し、予告しなければいけない。時代の精神の議論がないのは話にならない。候補らのレベルが低い」(尹汝雋・元環境部長官)
今回の韓国大統領選挙に対する両元老の言葉は痛烈だった。批判が激しかった。先月28日、電話の向こうから聞こえる声はトーンが高まったりした。非好感大統領選挙、憂鬱な大統領選挙という表現で始まった選挙は終盤までそこから抜け出せなかった。
両元老が嘆いたように、未来はなく、いかなる手段を使ってでも勝つという策略ばかりだった。さらには「負ければ監獄」という言葉までが出てきた。党と候補は対立を助長した。玉石が見えると思われたテレビ討論も赤面するような誹謗で非好感度ばかりを高めた。さらに慰安になると思われた公約はただのバラマキだった。
なぜこの程度にしかならなかったのだろうか。実際、非好感選挙というが、非好感は過去の候補にもあった。金泳三(キム・ヨンサム)、金大中(キム・デジュン)元大統領は地域感情による反感が多く、朴槿恵(パク・クネ)前大統領は「独裁者の娘」という札が離れなかった。見方によっては相当な非好感だった。しかし時代の精神に訴えてこれを克服していった。ある政治家は「今の候補たちは世論の流れを変える話題を投げかける能力がない。だから振り回される選挙をし、時代精神の論争ができないためネガティブばかりになる」と述べた。「主導権を握る力と能力がないため、今回の大統領選挙は個別的な事案にリアクションばかりする愚かな選挙になった」と指摘もあった。
もう明日(4日)から事前選挙が始まる。次悪であれ次善であれ選択しなければならない時がきた。今回の選挙を振り返りながら次からは二度と見たくないと思う場面がある。候補夫人がぞろぞろ出てきて謝罪する惨めな場面だ。ある与党関係者は「権力を独り占めする構造なので、何とかして相手側の恥部を暴こうという流れが生んだ悲劇ではないだろうか」と述べた。こうした点で誰が選挙で勝利しても権力構造の改編は必ずやらなければいけない。同時に誰が当選しても先に手を差し出して和解を話すべきだろう。勝者が先に敵視を反省することが求められる。そうしてこそ分裂した陣営を戻す出発点ができる。次の政権でまたこのように分裂して争ってはならない。
選挙の結果は終盤まで予想しがたい。もう勝負を決める変数は切迫感ほどではないだろうか。より切実な側が1人でも多く投票所に向かうものだ。まだ誰に投票するか悩んでいる人がいれば、両元老が伝えるメッセージはこうだ。
「深刻な二極化を改善する人を選ぶべきだ。有権者は安定の追求に行くしかないだろうが、それを誰がうまくできるのか判断しなければいけない」(金鍾仁・元国民の力非常対策委員長)
「フランス政治学者トクヴィルは『民主主義は市民意識が透徹していなければできない』と言った。国民が透徹した市民意識を発揮すべきだ」(尹汝雋・元環境部長官)
勝負は最後まで分からない。それだけに一票の力が大きい。貴重な一票をしっかりと行使してほしい。
シン・ヨンホ/Chiefエディター
「全世界がデジタル革命、ニューノーマルのために忙しく動いている。今回の大統領はこの時代的な転換期の責任を負わなければならないが、未来に関する談論が一つもない。本当に残念だ。指導者が国民と変わらない。指導者は高くて広い視野で前を見ながら警告し、予告しなければいけない。時代の精神の議論がないのは話にならない。候補らのレベルが低い」(尹汝雋・元環境部長官)
今回の韓国大統領選挙に対する両元老の言葉は痛烈だった。批判が激しかった。先月28日、電話の向こうから聞こえる声はトーンが高まったりした。非好感大統領選挙、憂鬱な大統領選挙という表現で始まった選挙は終盤までそこから抜け出せなかった。
両元老が嘆いたように、未来はなく、いかなる手段を使ってでも勝つという策略ばかりだった。さらには「負ければ監獄」という言葉までが出てきた。党と候補は対立を助長した。玉石が見えると思われたテレビ討論も赤面するような誹謗で非好感度ばかりを高めた。さらに慰安になると思われた公約はただのバラマキだった。
なぜこの程度にしかならなかったのだろうか。実際、非好感選挙というが、非好感は過去の候補にもあった。金泳三(キム・ヨンサム)、金大中(キム・デジュン)元大統領は地域感情による反感が多く、朴槿恵(パク・クネ)前大統領は「独裁者の娘」という札が離れなかった。見方によっては相当な非好感だった。しかし時代の精神に訴えてこれを克服していった。ある政治家は「今の候補たちは世論の流れを変える話題を投げかける能力がない。だから振り回される選挙をし、時代精神の論争ができないためネガティブばかりになる」と述べた。「主導権を握る力と能力がないため、今回の大統領選挙は個別的な事案にリアクションばかりする愚かな選挙になった」と指摘もあった。
もう明日(4日)から事前選挙が始まる。次悪であれ次善であれ選択しなければならない時がきた。今回の選挙を振り返りながら次からは二度と見たくないと思う場面がある。候補夫人がぞろぞろ出てきて謝罪する惨めな場面だ。ある与党関係者は「権力を独り占めする構造なので、何とかして相手側の恥部を暴こうという流れが生んだ悲劇ではないだろうか」と述べた。こうした点で誰が選挙で勝利しても権力構造の改編は必ずやらなければいけない。同時に誰が当選しても先に手を差し出して和解を話すべきだろう。勝者が先に敵視を反省することが求められる。そうしてこそ分裂した陣営を戻す出発点ができる。次の政権でまたこのように分裂して争ってはならない。
選挙の結果は終盤まで予想しがたい。もう勝負を決める変数は切迫感ほどではないだろうか。より切実な側が1人でも多く投票所に向かうものだ。まだ誰に投票するか悩んでいる人がいれば、両元老が伝えるメッセージはこうだ。
「深刻な二極化を改善する人を選ぶべきだ。有権者は安定の追求に行くしかないだろうが、それを誰がうまくできるのか判断しなければいけない」(金鍾仁・元国民の力非常対策委員長)
「フランス政治学者トクヴィルは『民主主義は市民意識が透徹していなければできない』と言った。国民が透徹した市民意識を発揮すべきだ」(尹汝雋・元環境部長官)
勝負は最後まで分からない。それだけに一票の力が大きい。貴重な一票をしっかりと行使してほしい。
シン・ヨンホ/Chiefエディター
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