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韓国3大産業の半導体・石油化学・自動車、輸出に暗雲押し寄せる

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

昨年12月1日、釜山南区(プサン・ナムグ)戡湾(カムマン)ふ頭で輸出用コンテナ船舶に船積みしている。ソン・ポングン記者

産業通商資源部傘下の戦略物資管理院に設置された輸出統制対応専従班である「ロシアデスク」。稼動開始から3日目の27日までに60件を超える企業から相談が寄せられた。「ロシア企業と取引しているが今後輸出が不可能になるのか」「受け取っていない代金があるがどうなるのか」など企業からの問い合わせがあふれた。ロシアデスク担当のイ・インソン戦略物資管理院地域研究チーム長は「代金決済問題と輸出統制にともなう支援に対する問い合わせも多かった」と伝えた。

ロシアのウクライナ侵攻が呼び起こした衝撃波が韓国経済の全方向に広がっている。韓国3大主力産業に選ばれる半導体、石油化学、自動車も影響圏だ。半導体の生産工程に支障が出るリスクが大きくなった上に、石油化学では原材料の輸入、自動車は部品・素材の輸出が難しくなってだ。

足下の火を消さなければならないのは半導体業界だ。半導体生産工程に必要なネオン、クリプトン、キセノンなどの相当部分をウクライナとロシアに依存しているためだ。この日産業通商資源部の集計の結果、ネオンは輸入額の23%をウクライナから、5%をロシアから調達している。クリプトンとキセノンはウクライナとロシアからの輸入の割合がそれぞれ48%と49%に達する。


半導体業界はガス在庫備蓄量を3~4倍に拡大するなど対応作りに入った。主要国の輸出統制など経済制裁長期化にも備えなければならない状況だ。ポスコは特殊ガス専門企業であるTEMCとともに光陽(クァンヤン)製鉄所の酸素工場内の空気分離装置を活用してネオンガスを抽出する技術開発に1月に成功した。ただこれは国内需要の約16%を充足する量で追加供給先の確保は必須だ。世界的にネオンとクリプトンなど希少ガス供給難が広がって価格が急騰しており、これもまた半導体業界の負担につながっている。

石油化学業界はパニック状態だ。国際原油価格の急激な上昇が最も大きな問題だ。「原油価格上昇=石油化学収益売り上げ上昇」は原油価格が緩やかに上がる時に通じた公式だ。国際原油価格が1バレル=100ドル前後で推移する急激な超原油高現象は石油化学産業への影響も広がりかねない。

価格も価格だがウクライナ危機が長期化すれば需給にも問題が生じる恐れがある。韓国の昨年の原油輸入量9億6015万バレルのうちロシア産は5375万バレルで割合は5.6%程度だ。現在の国内石油備蓄量も100日分以上あり当面の危機は少ないが、ロシア産原油の輸出入が閉ざされ中東や北米など代替先を探すのに難航するほかない。現在米国とイランの核交渉とこれに伴うイラン産原油輸入再開に業界は期待をかけている。

自動車産業はウクライナ危機による影響の中心にある。韓国貿易協会によると韓国のロシア向け輸出品目のうち自動車・部品が輸出額基準で40.6%と最も大きな部分を占める。鉄構造物が4.9%、合成樹脂が4.8%などだ。ウクライナ向け輸出品目でも乗用車が21.7%で割合が最も大きく、亜鉛めっき鋼鈑が11.0%、化粧品が8.3%、合成樹脂が7.7%などと続いている。

韓国政府の対応レベルも高まった。この日企画財政部主宰でウクライナ危機非常対応タスクフォース会議が開かれた。会議を主宰した企画財政部のハン・フン次官補は「業界とのホットラインを構築するなどモニタリングを強化することにした。米国の対ロシア金融制裁と関連し韓国企業の取引代金決済に支障がないよう対応策をまとめるだろう」と話した。

仁荷(インハ)大学国際通商学科のチョン・インギョ教授は「半導体、自動車、石油化学のような韓国の輸出の相当部分を占める主力産業がウクライナ危機で特に大きな影響を受けるほかはない。数カ月程度は企業が持っている原材料で持ちこたえるだろうが、事態が長引き部品ひとつだけ調達できなくても製品生産ができない先端産業は影響が大きくなりかねない」と懸念する。



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