今年1月7日。北朝鮮労働党機関紙「労働新聞」の3面には北朝鮮オリンピック委員会と体育省名義の手紙が掲載された。北朝鮮が今年2月に開かれる北京冬季オリンピック(五輪)に参加できなくなったという内容だった。
北朝鮮は不参加の理由に「敵対勢力の策動と世界的に大流行している伝染病の状況」を挙げたが、事実、北朝鮮選手の不参加はすでに予想されたことだった。北朝鮮の東京五輪不参加決定に伴う懲戒で、国際オリンピック委員会(IOC)が昨年9月、北朝鮮オリンピック委員会(NOC)の資格を2022年まで停止することを発表したためだ。これで北朝鮮選手が北朝鮮国籍で北京五輪に出場できる道は閉ざされた。
ところで、もし北朝鮮が北京冬季五輪に参加できていたとすれば、選手団の規模や目標成績はどうだっただろうか。北朝鮮のウインタースポーツ水準を調べてみた。
◆世界水準に至らない競技力
寒く長い冬、豊富な積雪量。北朝鮮には韓国よりもウインタースポーツに有利な自然環境がある。だが、競技力はそれに達することができないという評価だ。
これまでの事例を見ても、北朝鮮選手にとって五輪本戦への壁は高かった。これは最近開かれた過去4回の冬季五輪に参加した北朝鮮選手団の規模からも知ることができる。
2006年イタリア・トリノ大会6人、2010年カナダ・バンクーバー大会2人、2018年平昌(ピョンチャン)大会22人。2014年友好国であるロシアで開かれたソチ大会には出場権の獲得に失敗し、選手を一人も派遣することができなかった。22人が出場した平昌大会の時も、招待選手(ワイルドカード)ではなく自力で出場権を獲得した選手はフィギュアスケートペア種目の2人だけだった。
出場するだけでも意味がある五輪だが、獲得したメダル数も北朝鮮のウインタースポーツの水準を示している。北朝鮮はこれまで参加した8度の冬季五輪で銀メダルと銅メダルをそれぞれ1個ずつ獲得した。北朝鮮が夏季五輪で獲得した54個のメダル(金16・銀16・銅22)にはるかに及ばない記録だ。
◆「ぜいたく品制限」対北制裁も影響
現代スポーツでは装備が競技力に大きな影響を及ぼす場合が多い。ウンタースポーツも例外ではない。氷上種目選手が着用するスケート靴からボブスレーやスケルトン、リュージュ種目のソリまで各種装備には先端技術が取り入れられている。
北朝鮮の核・ミサイル挑発に伴う高強度の制裁がウインタースポーツ選手にも影響を及ぼす理由がここにある。スポーツ用品は2016年3月、国連安保理決議第2270号で北朝鮮への輸出が禁止されるぜいたく品目に含まれた。
北朝鮮アイスホッケーチームは2017年に参加した国際大会で主宰側から先端炭素繊維スティックを提供されたが、制裁に抵触する可能性があるため返却しなければならなかった。制裁でスキー設備の輸入が不可能になると、北朝鮮が新たに建設した馬息嶺(マシクリョン)スキー場に白頭山(ペクドゥサン)三池淵(サムジヨン)スキー場の旧型リフトを解体して設置したことも良く知られている事例だ。
IOCは2018年2月、平昌冬季五輪を契機に韓半島(朝鮮半島)に和解・協力雰囲気が醸成されると選手訓練用スポーツ用品に対しては輸出制裁を緩和するよう安保理に要請したこともある。だが、安保理で強大な影響力を持つ米国がIOCの要請を拒否して白紙化した。
◆国際大会参加もコロナで中断
世界的な新型コロナの大流行は北朝鮮のスポーツ交流にも影響を及ぼした。北朝鮮は防疫を理由に東京五輪とカタールワールドカップ(W杯)予選はもちろん、北京冬季五輪まで不参加を宣言した。
このような国際大会の不参加決定に政治的判断が作用したかどうかは分からないが、北朝鮮の劣弱な衛生・医療状況が反映された措置という分析がおおよその見方だ。北朝鮮選手の「非自発的引きこもり」は新型コロナ事態が完全な沈静局面に入るまで、当面続く見通しだ。
北朝鮮は不参加の理由に「敵対勢力の策動と世界的に大流行している伝染病の状況」を挙げたが、事実、北朝鮮選手の不参加はすでに予想されたことだった。北朝鮮の東京五輪不参加決定に伴う懲戒で、国際オリンピック委員会(IOC)が昨年9月、北朝鮮オリンピック委員会(NOC)の資格を2022年まで停止することを発表したためだ。これで北朝鮮選手が北朝鮮国籍で北京五輪に出場できる道は閉ざされた。
ところで、もし北朝鮮が北京冬季五輪に参加できていたとすれば、選手団の規模や目標成績はどうだっただろうか。北朝鮮のウインタースポーツ水準を調べてみた。
◆世界水準に至らない競技力
寒く長い冬、豊富な積雪量。北朝鮮には韓国よりもウインタースポーツに有利な自然環境がある。だが、競技力はそれに達することができないという評価だ。
これまでの事例を見ても、北朝鮮選手にとって五輪本戦への壁は高かった。これは最近開かれた過去4回の冬季五輪に参加した北朝鮮選手団の規模からも知ることができる。
2006年イタリア・トリノ大会6人、2010年カナダ・バンクーバー大会2人、2018年平昌(ピョンチャン)大会22人。2014年友好国であるロシアで開かれたソチ大会には出場権の獲得に失敗し、選手を一人も派遣することができなかった。22人が出場した平昌大会の時も、招待選手(ワイルドカード)ではなく自力で出場権を獲得した選手はフィギュアスケートペア種目の2人だけだった。
出場するだけでも意味がある五輪だが、獲得したメダル数も北朝鮮のウインタースポーツの水準を示している。北朝鮮はこれまで参加した8度の冬季五輪で銀メダルと銅メダルをそれぞれ1個ずつ獲得した。北朝鮮が夏季五輪で獲得した54個のメダル(金16・銀16・銅22)にはるかに及ばない記録だ。
◆「ぜいたく品制限」対北制裁も影響
現代スポーツでは装備が競技力に大きな影響を及ぼす場合が多い。ウンタースポーツも例外ではない。氷上種目選手が着用するスケート靴からボブスレーやスケルトン、リュージュ種目のソリまで各種装備には先端技術が取り入れられている。
北朝鮮の核・ミサイル挑発に伴う高強度の制裁がウインタースポーツ選手にも影響を及ぼす理由がここにある。スポーツ用品は2016年3月、国連安保理決議第2270号で北朝鮮への輸出が禁止されるぜいたく品目に含まれた。
北朝鮮アイスホッケーチームは2017年に参加した国際大会で主宰側から先端炭素繊維スティックを提供されたが、制裁に抵触する可能性があるため返却しなければならなかった。制裁でスキー設備の輸入が不可能になると、北朝鮮が新たに建設した馬息嶺(マシクリョン)スキー場に白頭山(ペクドゥサン)三池淵(サムジヨン)スキー場の旧型リフトを解体して設置したことも良く知られている事例だ。
IOCは2018年2月、平昌冬季五輪を契機に韓半島(朝鮮半島)に和解・協力雰囲気が醸成されると選手訓練用スポーツ用品に対しては輸出制裁を緩和するよう安保理に要請したこともある。だが、安保理で強大な影響力を持つ米国がIOCの要請を拒否して白紙化した。
◆国際大会参加もコロナで中断
世界的な新型コロナの大流行は北朝鮮のスポーツ交流にも影響を及ぼした。北朝鮮は防疫を理由に東京五輪とカタールワールドカップ(W杯)予選はもちろん、北京冬季五輪まで不参加を宣言した。
このような国際大会の不参加決定に政治的判断が作用したかどうかは分からないが、北朝鮮の劣弱な衛生・医療状況が反映された措置という分析がおおよその見方だ。北朝鮮選手の「非自発的引きこもり」は新型コロナ事態が完全な沈静局面に入るまで、当面続く見通しだ。
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