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【時論】韓国の自営業者は「不可触賎民」か

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「コーヒー1杯を買うのに名前を書けって? 不快で飲めなくなるだろう」。出入り名簿の作成が義務化された新型コロナ事態の初期、光州(クァンジュ)市と全羅南道潭陽(タミャン)でカフェを運営する筆者はこう思った。昨年11月に政府が段階的な日常回復(ウィズコロナ)を始めたことで「防疫パス」が追加された。

出入り名簿義務化初期の悪夢を思い出したが、正常に営業ができるのなら十分に耐えることはできると決心した。ところが45日後にウィズコロナが中断され、また営業時間と人数が制限されたが、防疫パス規制はさらに強化された。政府は防疫パスについて「全国民対象の社会的距離(ソーシャルディスタンス)を避けるための局所的な対応措置」と説明する。社会的距離を避けるための防疫パスなら、社会的距離強化期間には防疫パスを免除するのが妥当ではないのか。ところが政府は社会的距離を強化しながら防疫パスも同時に強化した。

防疫パスはコロナ事態と景気不況に全身で耐えている自営業者の苦痛を加重するだけでなく、ニュースやスマートフォンと距離がある情報疎外階層に羞恥心を抱かせる。机上で防疫パスを決めた公務員の考えが及ばない混乱が現場で日常的に発生する。忙しい時間帯にワクチン接種証明書を徹底的に確認するのは拷問に近い。時間がなくテークアウトをしにきた客は引き返す。スマートフォンに慣れていない人たちは職員の顔を見ながら申し訳なさそうにする。


防疫パスが必要ならいくらでも政府の指針に従う。しかし防疫パスは要式行為だ。防疫パスはマスクや出入り人数のように明確には見えない。警察が被疑者の身分証を確認するようにもできない。陰性確認書や接種証明書を提示する場合、小さく書かれた検査日時を確認して有効期間まで計算するのは難しい。成人基準の接種完了率が95%を超える中で防疫パスの確認が必要なのかも納得しがたい。

それでも政府は防疫パス違反に過怠金などで厳重処分するという。防疫パスが本当に必要なら国民一人一人の遵法精神に訴えるべきであり、違反の責任を自営業者ばかりに厳重に問うのは、自営業者を平等な国民でなく「不可触賎民(Untouchable)」として扱うという発想ではないのか。こうした冷遇を恨んで自営業者は集団断髪で鬱憤を晴らしている。

防疫パスは今後がさらに心配だ。有効期間が6カ月であり、満了した防疫パスは増えていき、これを知らず訪ねた客の入店を断る状況が頻繁になるしかない。防疫パスは政府が強調する「未接種者保護」よりも、ワクチン3回接種への誘導に傍点が打たれているようだ。

政府がワクチン3回接種誘導のために防疫パスを強制すれば、自営業者にその責任を転嫁するのではなく、地下鉄・バスなど公共交通とすべての公共機関から適用すべきだろう。期限のない営業制限措置で瀕死状態にある自営業者が罰金を恐れて真似ごとだけをする防疫パスよりも、政府が直接管理する防疫パスははるかに強力かつ効果的であるはずだ。

いま自営業者に必要なのは、消耗的な防疫パスや過怠金の脅迫でなく、自営業者を配慮して営業権を尊重する科学的な防疫対策だ。空気伝播感染リスクを3分の1に減らすという換気施設改善事業や空気清浄機支援事業を推進するのなら、いくらでも歓迎する。

マスクを外すしかない状況を考慮して店内の人数を制限し、テーブル間の距離を確保することや、個人防疫守則を強化するなど実際の防疫に必要な措置なら、喜んで参加する。政府が客になる資格まで規定し、自営業者と顧客に疲労感を与える防疫パスはもうやめなければいけない。

ペ・フンチョン/コーヒールデンス代表/光州市民会議代表

◇外部者執筆のコラムは中央日報の編集方針と異なる場合があります。



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