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【時視各角】韓国の防疫と日本の防疫の違い

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

京都龍安寺の「石庭」。

570年の伝統を受け継ぐ京都龍安寺。縦10メートル・横25メートルの庭園には白い砂と15個の石しかない。ところが庭園のどこから見ても石は14個だ。絶妙に1個が隠れる。見る角度を変えてみても同じだ。▼世の中のすべてのものを所有することはできない▼目に見えるものがすべてではない--という人生の道理を象徴している。英国王室が1975年エリザベス女王の訪日に合わせて1カ所だけ訪問する名所として、この小さな庭園を選んだのには理由があった。俗世の自慢や誇張のはかなさは、東西古今を問わず教えであり悟りだ。

では1年を終えて我々は今回のコロナ対応で何を見て何に気づかなくてはならないだろうか。

場面1。青瓦台(チョンワデ、大統領府)は今年5月、文在寅(ムン・ジェイン)-バイデン首脳会談を通じてヤンセンワクチン100万回分を獲得したとし、「ワクチン外交の勝利」として自画自賛した。疾病管理庁の鄭銀敬(チョン・ウンギョン)長官は「効果と便宜性の側面でヤンセンに長所がある。米国が韓国を特に配慮した」と述べた。てっきりそうだとばかり思っていた。ところが米疾病管理予防センターの諮問委員会は先日、全員一致でヤンセンを避けたほうがよいと勧告した。安全性と効能がどちらも落ちるという理由からだ。結果的に「在庫バーゲン処理」だった。感謝してヤンセンを打った予備軍・民防衛隊員は怒り心頭だろう。


対照的な場面がある。これに1カ月前先立つ4月の日米首脳会談。この時もワクチン外交に関心が集まった。当時、菅義偉首相は「まだ署名をしていない」と言って内容を明らかにしなかった。会談後、担当相が「これで日本国内の16歳以上に対して全員接種できる物量が確保できたもよう」と話しただけだ。その結果は後日に「ファイザー5000万回分」として明らかになった。「ヤンセン100万対ファイザー5000万」という数字の差が韓国国民を腹立たせたとしたら、韓国の大統領と政府の誇張は韓国国民を限りなく恥ずかしくさせた。

場面2。5月、韓国政府は接種率を高めるために「水ワクチン」(効能が落ちるワクチン)になってしまったアストラゼネカ(AZ)を高齢層に集中的に投じた。そして文大統領は10月の20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)で「韓国が世界最速で世界最高水準の接種完了率を記録した」とし「ウィズコロナ(段階的日常回復)」を宣言した。世界に向けた勝利宣言だった。「この経験をすべての国と積極的に共有する」とも述べた。見える数値だけを話し、いざAZを打った人々の抗体量がファイザーの5分の1にすぎず、危機が迫っていた事実は無視した。その結果はウィズコロナから45日後の「距離確保Uターン」。文大統領は批判を意識したように21日の国務会議で「試練が成功を導く」と述べた。大統領の自惚れが国民の試練を作り、その対価と侮辱をすべての国民が過酷に支払っているが、そのような悠長なことがよく言えるものだ。

再び対照的な場面。日本はファイザー・モデルナ・AZを、自国民を対象に臨床テストした。その結果に基づき、AZは全量開発途上国に分けた。科学を優先した。厳しすぎるのではないかと思うほど、コロナ海外流入とワクチン副作用を先制的に管理した。自慢も、自惚れも、誇張もなかった。

22日に発表されたK防疫とJ防疫の一日の成績表をみてみよう。新規感染者7456人(韓国)対249人(日本)、重篤患者1063人対28人、死亡者78人対2人。人口の違い(日本が韓国より2.34倍多い)を考慮すればほぼ100倍に近い。もちろんこの違いだけを以て、韓国は間違えていて日本は正しかったと決めつけようとするつもりはない。ある瞬間に逆になる場合もある。しかも我々が「コロナマラソン」のどの区間を今走っているのか誰も分からない。ただし、すぐに目に見えることや見たいことだけを以て誇張したり自惚れたりするのはやめよう。

2カ月以上「コロナ清浄」が続いていて、これについて一言何か感想でも言えた岸田首相が、21日の国会でこのように述べた。「ウイルス変異株などの新しい状況に対して、慎重な上にも慎重を期し、先手先手で対策を打ってまいります」。龍安寺の教えだ。

キム・ヒョンギ/巡回特派員兼東京総局長



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