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「慰安婦被害者と疎通した」という韓国外交部…李容洙さん「相談は全くなかった」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

昨年11月に李容洙さんと面談した外交部の崔鍾建第1次官と李祥烈アジア太平洋局長。[写真 外交部提供]

外交部が慰安婦被害者支援に向け作った男女平等基金運用と関連して被害者らと意見交換をしてきたと主張したことに対し、慰安婦被害者の李容洙(イ・ヨンス)さんが「相談は全くなかった」と反論した。

李さんが代表として活動している「慰安婦問題ICJ付託推進委員会」は26日に公式の立場資料を出し、「男女平等基金の使用と関連し外交部と女性家族部、そして被害者支援団体の間で議論があったのかどうかに対して攻防が続いているが、被害者のうち最も活発に活動している李容洙さんは外交部からも、女性家族部からも、被害者を支援するといういかなる団体からも、基金使用と関連した相談が全くなかったことを明らかにする」と確認した。

推進委は最近の中央日報の報道(25日付、「韓国外交部長官『慰安婦被害者の拒否で基金支援できなかった』…公式な協議すらなかった」)で男女平等基金と関連した議論が拡大するとこうした立場資料を発表した。


男女平等基金は2018年に文在寅(ムン・ジェイン)政権が韓日慰安婦合意を事実上無力化するために組成された。日本が慰安婦合意により拠出した10億円をこれ以上執行せず、100%韓国政府の予算で充当し、日本の資金で被害者を支援した事実自体を希釈するための目的だった。しかしその後この基金の活用と関連して官庁間での公式協議や被害者からのヒアリングがなされてないことが明らかになった。

これを受け外交部は25日夜、「韓国政府は男女平等基金処理案と関連し被害者と支援団体などと意見交換を持続してきている。事実と合致しない主張が提起され極めて遺憾」とする立場文を出したが、李さんが直接これに反論したものだ。

推進委は立場資料で「最近起きている男女平等基金使用に対する議論を見ながら、李容洙さんを代表とするICJ付託推進委は憤怒を禁じ得ない」とも明らかにした。

◇「被害者が拒否」鄭義溶長官の発言は信憑性失う

特に外交部の鄭義溶(チョン・ウィヨン)長官は先月の内信記者懇談会で男女平等基金と関連し、「被害者が基金で支援されることを望んでいない」と話した。韓国政府は基金を通じた各種支援案を講じているが、慰安婦被害者の拒否によりしっかりとした活用が難しいという趣旨だった。

外交部も25日の立場文で「被害者の方が究極的に望むのは日本政府の真の謝罪と反省で、韓国政府はこうした趣旨を生かすことができるさまざまな基金活用案について検討してきた」としてまたも「被害者の意向」を理由に挙げた。

だが李さんが直接乗り出して「外交部との相談は全くなかった」と明らかにしたことで、鄭長官の発言は信憑性を失うことになった。文在寅政権が慰安婦合意を無力化しながら名分として掲げた「被害者中心主義」に自ら反したという指摘を避けられない理由だ。

◇「外交部の虚偽釈明に怒り」

推進委によると、李さんは昨年外交部第1次官とアジア太平洋局長と2回にわたり面談した。だがこの席では男女平等基金を活用した支援案に対する説明は一切なかったという。

推進委関係者は「2回の面談を含め外交部側では李さんに基金使用と関連し一切相談したり意見を求めたりしたことはない。慰安婦被害者の名前を借りて偽りの釈明を出した外交部のやり方に対し怒っている」と説明した。

文在寅政権になってから慰安婦被害者のうち25人が死去した。現在慰安婦被害者のうち生存者は13人で、李さんをはじめとする一部の被害者を除けばほとんどが意思疎通が不可能なほど健康が悪化した状態だ。「慰安婦被害者と意見交換を持続している」という外交部の説明に疑問が増幅される理由だ。

一方、推進委は立場文で「男女平等基金は日本が拠出した10億円をいつでも返そうという趣旨で文在寅政権で作った基金だった。だが2021年新年記者会見で文在寅大統領は2015年の慰安婦合意を国同士の公式な合意と認定するとし、180度立場を変えた」と指摘した。

また「2015年の合意は直して使える物ではない。韓国政府はこれ以上卑怯に現実から目をそらさず慰安婦被害の国連拷問禁止委員会への付託を決定せよ」と促した。



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