◆オミクロン株拡大地域に限り検査・治療体系に転換…専門家「遅い」

政府は２６日からオミクロン株が急激に広まった光州・全南・平沢・安城（アンソン）地域に新しいコロナ検査・治療体系を適用する。その間、保健所や臨時選別検査所で行われてきたＰＣＲ検査は、必ず検査が必要な高危険群（密接接触者、６０歳以上の高齢層、迅速抗原検査陽性確認者）に限り可能だ。それ以外の一般国民は選別診療所で無料で配られる自家検査キットを受けて検査したり、地域の呼吸器専門クリニックで迅速抗原検査を先に受ける。ここで陽性となった場合に限りＰＣＲ検査を受けることができる。呼吸器専門クリニックを利用する場合、検査費は無料だが、診察料の３０％の５０００ウォン（約４７７円）を患者が負担しなければならない。

専門家は政府の対応があまりにも遅いと指摘した。高麗大九老病院の金宇柱（キム・ウジュ）感染内科教授は「一日一日がウイルスと戦争中という状況だが、政府が４つの地域に試験事業として適用するというのは事実上準備できていないということだ」と指摘した。


嘉泉大吉病院のオム・ジュンシク感染内科教授も「旧正月（２月１日）連休前に一日１万人以上の感染者が出るという予測もある」とし「定められた手続きなら、すぐにも防疫体系を転換してこそ修正・補完する時間を確保できる」と述べた。

◆「迅速抗原検査めぐり現場で混乱も」

政府が出した対策も問題点が多い。今後、検査量が急増すれば、ＰＣＲ検査の代わりに迅速に抗原検査の活用を高めるべきだが、今すぐ適用するのはまだ早いという指摘だ。これに先立ち当局も、一日の最大ＰＣＲ検査力量８５万件を超えた場合に迅速抗原検査を適用する方針を明らかにした。

オム・ジュンシク教授は「迅速抗原検査の場合、陽性でもＰＣＲ検査をまた行うことになるが、どのように活用すればよいのか、現場の混乱が予想される」とし「時間が長引いて段階が複雑になるため、今すぐ適用するのには無理がある」と指摘した。

金宇柱教授も「迅速抗原検査は敏感度（陽性を陽性と判断する確率）が低い。陽性なのに陰性と出る場合、感染を拡大させることになる」とし「まだ検査力量に余裕があるのなら、オミクロン株優勢地域の場合、ＰＣＲ検査で感染者を速やかに把握して拡大ペースを最大限に遅らせることが重要だが、正反対の対策に進んでいる」と述べた。

特に金教授はＰＣＲ優先検査対象者の高危険群に基礎疾患がある人も含めるべきだと主張した。金教授は「５０代でも基礎疾患がある患者の場合、死亡・重症者がかなり発生する。基礎疾患がある人が対象から抜けたのは理解しがたい」と話した。

オム教授は「呼吸器クリニックの位置やアクセスの案内をもっと積極的にし、ＰＣＲ検査が可能な対象者に関する広報も続ける必要がある」と述べた。

嘉泉大医大予防医学科のチョン・ジェフン教授は「自宅隔離対象者や軽症患者が大きく増えることに対応し、行政的な対応力量を高める部分が最も重要だ」と説明した。


韓国政府、オミクロン株対応の防疫転換基準に一貫性なし（１）