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【社説】挑発する北朝鮮と目を閉じる韓国、どちらも問題だ

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

Netflix(ネットフリックス)の新作『Don’t Look Up』。すい星が地球に衝突するという科学者の警告を政治的利益だけで計算する大統領と、興味だけを追求するマスコミが嘲弄しながらこれを利用し、結局地球は終末を迎えることになるというブラックコメディ。

北朝鮮が新年に入って半月の間にミサイルで三度も挑発した。5日と11日にそれぞれマッハ5とマッハ10の極超音速ミサイルを発射したことに続き、14日には平安北道(ピョンアンブクド)義州(イジュ)基地の列車から短距離弾道ミサイル(KN-23)を2発撃ったうえにその打撃場面まで公開した。どれも韓国と米国の迎撃網を無力化させるという点で我々の安全保障に深刻な脅威だ。

新年早々の北朝鮮の相次ぐ挑発に、国際社会は慌ただしく動いた。米国・英国など6カ国が10日(現地時間)に糾弾声明を出したほか、その2日後には米国は独自制裁とともに安保理次元の追加制裁まで要求する「両輪制裁」カードで強力なメッセージを出した。

だが、北朝鮮核兵器と隣合わせの当の韓国政府は何とかしてこれを見ないようにしようと目を閉じる雰囲気が歴然としている。国家安全保障会議(NSC)を開いて遺憾を表わしながらも「挑発」という言葉さえ使わなかった。「意図を分析する」「終戦宣言がより切実になった」〔11日青瓦台(チョンワデ、大統領府)要人〕など脈絡のない言葉だけを羅列した。


韓国政府は鄭義溶(チョン・ウィヨン)外交部長官と米国のトニー・ブリンケン米国務長官の間の電話会談の内容を整理して15日に報道資料を出した。国務省の資料には「北朝鮮の弾道ミサイル発射が複数の国連安保理決議に背くという点を糾弾した」と記されているが、韓国側の資料にはこのような内容はおろか、挑発・脅威などの表現や一切の糾弾内容もない。「韓半島(朝鮮半島)平和プロセスの再稼働方案に対して協議した」ことだけが強調されている。

このような状況のため、最近Netflix(ネットフリックス)の映画『Don’t Look Up』の現実版だという言葉が出るのも無理はない。『Don’t Look Up』はエベレストほどの大きさのすい星が6カ月後に地球と衝突するという科学者の警告を、何でも選挙に絡めようとする大統領とその支持者、興味だけを追うマスコミが「Don’t Look Up」キャンペーンを張って科学者を嘲弄し、人々は結局すい星が空に現れてはじめて現実に気づくというブラックコメディ映画だ。偶然にも文在寅(ムン・ジェイン)大統領は11日、北朝鮮のミサイル発射に「憂慮する」としつつも「大統領選挙を控えた時期」である点にあえて言及しながら「与党に悪影響を及ぼすので問題ということか」という批判を受けた。脅威を脅威として見ようとせず、結局最後は「終戦宣言」に結びつけようとする韓国政府を国際社会はどのように見ているだろうか。

北朝鮮が新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)を恐れて2年間ストップしていた中朝国境貨物列車の運行を16日に再開したという。オミクロン株拡散が顕著な中でも、鎖国政策を解いたのは、経済状況が深刻であることの傍証だ。国連が北朝鮮にワクチン6000万回分の支援を提案したという便りも聞こえる。北朝鮮のミサイル発射はそれ自体で脅威だ。あわせて、挑発で関心を引いて交渉の幅を大きくするという、数十年間繰り返した瀬戸際戦術の一環だ。このような型は人民の生活だけを疲弊させるだけである点を直視し、正常な対話に出てくるように北朝鮮当局に促す。



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