米国のバイデン政権が「北朝鮮制裁時計」を早めた。米国の独自制裁に続いて国連安全保障理事会レベルの追加措置まで要求するカードを取り出した。バイデン政権の発足後、北朝鮮のミサイル挑発に対する最初の制裁だ。
北朝鮮制裁体制の両軸である独自制裁と国連安保理制裁案に同時に言及したのは、米国が北朝鮮の極超音速ミサイル発射など最近のミサイル開発水準を深刻な脅威として受け止めているということだ。
米国のリンダ・トーマス・グリーンフィールド国連大使は「昨年9月から北朝鮮が国連安保理決議を違反する弾道ミサイル発射をしたことに対し、国連レベルの制裁を提案する」とし「これは米財務省・国務省の独自制裁に続く(追加)措置」と12日(現地時間)、明らかにした。米財務省はこの日、北朝鮮の大量破壊兵器(WMD)および弾道ミサイルプログラムに関与した北朝鮮国籍者6人とロシア国籍者1人の個人7人とロシアの機関1カ所を制裁対象に追加する独自の制裁を発表した。
ロイター通信などによると、米国が要求した「国連レベルの制裁」はこのうち5人を従来の安保理制裁リストに追加することだ。
◆米国、北朝鮮制裁を弱める中露に「セカンダリーボイコット」警告
制裁対象に名前が挙がればすべての国連加盟国への入国が禁止され、海外のすべての資産が凍結する。北朝鮮の高官級をリストに含めることは、安保理が直接制裁するという象徴的な意味がある。
これは安保理の追加制裁と比較すると弱いが、網にかかる対象がさらに拡大するため制裁履行の側面で効率を高める方法にもなる。結局、米国の提案は制裁の分野や要素を強化するのではなく、北朝鮮の不法行為を主導する個人や機関を制裁対象に追加で指定して圧力を加える方式だ。
米国のこうした動きは最近の北朝鮮の相次ぐ極超音速ミサイル発射などが影響を及ぼしたとみられる。米財務省とトーマス・グリーンフィールド大使ともに制裁の理由を「昨年9月以降の北朝鮮の弾道ミサイル発射」と規定した。北朝鮮は昨年9月に初めて極超音速ミサイルを、10月にはミニ潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)をそれぞれ試験発射した。
◆北朝鮮、昨年9月以降5回のミサイル挑発
北朝鮮の弾道ミサイル発射は昨年3月にもあったが、9月からは発射の頻度が増した。今月まで合わせると弾道ミサイル発射だけで5回となる。これを受け、米国は北朝鮮の弾道ミサイルを懸念するレベルだと判断したとみられる。ブリンケン米国務長官もこの日の声明で「米国は北朝鮮の大量破壊兵器と弾道ミサイルに対応するため、あらゆる適切な手段を使う」と強調した。
ただ、安保理で制裁リストをアップデートするのには常任理事国の中国とロシアの立場が決定的となる。個人や機関を制裁対象に追加で指定するということであり、別途の決議が必要なわけではないが、全会一致や合意(コンセンサス)が求められるからだ。制裁のアップデートも中国とロシアが少なくとも「拒否権」を使用しない場合に限り可能ということだ。追加制裁よりは程度が低いが、中露が反対する可能性はある。今回、米国が独自制裁の対象にした北朝鮮国籍者の活動舞台が中国とロシアであるためだ。
にもかかわらず米国のこうした動きは最近強まる中露の北朝鮮制裁緩和要求にブレーキをかける政治的効果につながる可能性がある。中露は2019年に続いて昨年10月にも北朝鮮制裁を一部緩和すべきという決議案を安保理に提出した。米国が独自制裁に続いて安保理の追加措置を提案した背景には、中露を牽制する狙いがあるということだ。これはこの日に発表した独自制裁の内容にも鮮明に表れている。
米財務省は、北朝鮮で核・ミサイル開発を主導する国防科学院の海外拠点の代表を狙い、セカンダリーボイコット(北朝鮮と取引する第3国の個人・機関も制裁)適用を警告した。今回制裁対象に入った北朝鮮の国籍者6人(チョ・ミョンヒョン、カン・チョルハク、キム・ソンフン、オ・ヨンホ、ビョン・グァンチョル、シム・グァンソク)は共に北朝鮮国防科学院所属で、ロシアのウラジオストク、中国の大連と瀋陽にある国防科学院現地支部の代表格として勤務していた。
バイデン政権がムチを手に…北朝鮮のミサイル挑発に初の金融制裁(2)
北朝鮮制裁体制の両軸である独自制裁と国連安保理制裁案に同時に言及したのは、米国が北朝鮮の極超音速ミサイル発射など最近のミサイル開発水準を深刻な脅威として受け止めているということだ。
米国のリンダ・トーマス・グリーンフィールド国連大使は「昨年9月から北朝鮮が国連安保理決議を違反する弾道ミサイル発射をしたことに対し、国連レベルの制裁を提案する」とし「これは米財務省・国務省の独自制裁に続く(追加)措置」と12日(現地時間)、明らかにした。米財務省はこの日、北朝鮮の大量破壊兵器(WMD)および弾道ミサイルプログラムに関与した北朝鮮国籍者6人とロシア国籍者1人の個人7人とロシアの機関1カ所を制裁対象に追加する独自の制裁を発表した。
ロイター通信などによると、米国が要求した「国連レベルの制裁」はこのうち5人を従来の安保理制裁リストに追加することだ。
◆米国、北朝鮮制裁を弱める中露に「セカンダリーボイコット」警告
制裁対象に名前が挙がればすべての国連加盟国への入国が禁止され、海外のすべての資産が凍結する。北朝鮮の高官級をリストに含めることは、安保理が直接制裁するという象徴的な意味がある。
これは安保理の追加制裁と比較すると弱いが、網にかかる対象がさらに拡大するため制裁履行の側面で効率を高める方法にもなる。結局、米国の提案は制裁の分野や要素を強化するのではなく、北朝鮮の不法行為を主導する個人や機関を制裁対象に追加で指定して圧力を加える方式だ。
米国のこうした動きは最近の北朝鮮の相次ぐ極超音速ミサイル発射などが影響を及ぼしたとみられる。米財務省とトーマス・グリーンフィールド大使ともに制裁の理由を「昨年9月以降の北朝鮮の弾道ミサイル発射」と規定した。北朝鮮は昨年9月に初めて極超音速ミサイルを、10月にはミニ潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)をそれぞれ試験発射した。
◆北朝鮮、昨年9月以降5回のミサイル挑発
北朝鮮の弾道ミサイル発射は昨年3月にもあったが、9月からは発射の頻度が増した。今月まで合わせると弾道ミサイル発射だけで5回となる。これを受け、米国は北朝鮮の弾道ミサイルを懸念するレベルだと判断したとみられる。ブリンケン米国務長官もこの日の声明で「米国は北朝鮮の大量破壊兵器と弾道ミサイルに対応するため、あらゆる適切な手段を使う」と強調した。
ただ、安保理で制裁リストをアップデートするのには常任理事国の中国とロシアの立場が決定的となる。個人や機関を制裁対象に追加で指定するということであり、別途の決議が必要なわけではないが、全会一致や合意(コンセンサス)が求められるからだ。制裁のアップデートも中国とロシアが少なくとも「拒否権」を使用しない場合に限り可能ということだ。追加制裁よりは程度が低いが、中露が反対する可能性はある。今回、米国が独自制裁の対象にした北朝鮮国籍者の活動舞台が中国とロシアであるためだ。
にもかかわらず米国のこうした動きは最近強まる中露の北朝鮮制裁緩和要求にブレーキをかける政治的効果につながる可能性がある。中露は2019年に続いて昨年10月にも北朝鮮制裁を一部緩和すべきという決議案を安保理に提出した。米国が独自制裁に続いて安保理の追加措置を提案した背景には、中露を牽制する狙いがあるということだ。これはこの日に発表した独自制裁の内容にも鮮明に表れている。
米財務省は、北朝鮮で核・ミサイル開発を主導する国防科学院の海外拠点の代表を狙い、セカンダリーボイコット(北朝鮮と取引する第3国の個人・機関も制裁)適用を警告した。今回制裁対象に入った北朝鮮の国籍者6人(チョ・ミョンヒョン、カン・チョルハク、キム・ソンフン、オ・ヨンホ、ビョン・グァンチョル、シム・グァンソク)は共に北朝鮮国防科学院所属で、ロシアのウラジオストク、中国の大連と瀋陽にある国防科学院現地支部の代表格として勤務していた。
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