特に小児・青少年防疫パスはさらに大きい論議の的だ。政府は未接種小児・青少年保護を名分に掲げる。だが科学的研究は別の結果を見せる。ソウル大学病院小児青少年科のチェ・ウンファ教授チームが今月初めに大韓医学会誌(JKMS)に公開した論文によると、昨年10月初めまでに報告された18歳未満の感染者3万9146人のうち重症に発展した事例は8人だった。0.02%の確率だ。7人は肥満、1人は過剰体重だった。いずれも症状発現から1~8日以内に肺炎の診断を受け症状が数日にわたり進行したが、5~32日で好転した。成人感染者の重症化率2.5%、致死率0.9%より顕著に低いリスクだ。
結局大人たちのため青少年本人には大きな利益がないワクチンを強要しているのではないかという道徳的疑問を感じさせる。疾病管理庁予防接種専門委員会諮問団でも青少年ワクチンパスの妥当性に対する異論が出たという。だが政府は説得の代わりに強迫を前面に出す。「今後オミクロン株流行が現実化する場合、青少年が震源地になるかもしれない」(10日、保健福祉部中央事故収拾本部会見)。
◇幻想で終わった集団免疫論
韓国政府の防疫の手はますます荒くなっている。金富謙(キム・ブギョム)首相は昨年10月初めに防疫パス導入と関連し「未接種者に対する差別・疎外が発生しないことも重要だ」と明らかにした。だが実際に裁判所によりブレーキがかかると、「生命権より重要な基本権がどこにあるのか」として裁判所を圧迫した。鄭銀敬(チョン・ウンギョン)疾病管理庁長は昨年9月、「青少年に対する自律接種の雰囲気を作る」としていたが、「12~17歳接種を『強く』勧告する」に変わった。
その背景には幻想に終わってしまった「集団免疫論」がある。疾病管理庁中央防疫対策本部は昨年10月、「接種完了率が85%になれば集団免疫は概ね80%に達し、こうなれば理論的にデルタ株さえマスクなしで、集合禁止なしで、営業禁止・制限なしで勝ち抜くことができる」と話した。しかしこの説明があって半月後に始まった「ウィズコロナ」の実験は失敗に終わった。接種後4カ月が過ぎれば防御力が大きく落ちる新型コロナウイルスワクチンの限界にデルタ株の特性まで重なった。病床確保と医療体系整備のような政府の準備は足りなかった。
防疫と個人の権利は対立が避けられない。だが対立を減らす責任は政府にある。一方的防疫ドライブにアレルギーと薬品敏感患者、宗教的・医学的信念者など個人が立つ場所は狭くなっている。彼らも自ら自分たちの信念に向け科学的根拠を探し求めている。最近ワクチン効果に疑問を提起した皮膚科専門医ハム・イクピョンさんのユーチューブ動画は再生回数 140万回に迫る。一時強制削除措置にあった後に復旧したが、そのため話題性はもっと大きくなった。ワクチン拒否者などの疑問に対して政府がまともに答えないならば彼らの信念はさらに固まるほかない。
◇過去の成功方式への執着捨てねば
医療界の一部では政府がさらに果敢に持続可能な防疫モデルを探さなければならないと主張する。中央大学薬学科のソル・デウ教授は「オミクロン株感染を容認する『ウィズコロナ』の方向に進むものの60代以上の高齢層と基礎疾患者中心の危険管理に力を注がなければならない」と話した。もちろん慎重だ。ソル教授も韓国のオミクロン株のシェアが75%水準まで上がり、重症化率と致死率がデルタ株より30%水準で低いということが確認されなければならないという前提を掲げた。
韓国で初の新型コロナウイルス感染者が報告され満2年になった。ウイルスは依然として恐怖の対象だが少しずつ正体を表している。恐怖と希望が依然として入り交じる。人類が新型コロナウイルスの恐怖から抜け出すには最小2~3年はかかるという見通しも出ている。消耗戦には限界がある。持続可能な防疫モデルを考えなければならない。一時は自慢するのに忙しかったK防疫モデルがいまでは壁にぶつかっていることを認めなければならない。個人の忍耐と自営業者の犠牲をいつまでも強要することはできない。全体主義色が濃厚な防疫方式に国民は少しずつ疲れていっている。過去の成功のくびきを投げ捨てる勇気から必要だ。
イ・ヒョンサン/中央日報コラムニスト
【コラム】終わらないコロナ戦争…日本の緩和戦略、韓国の退治戦略(1)
結局大人たちのため青少年本人には大きな利益がないワクチンを強要しているのではないかという道徳的疑問を感じさせる。疾病管理庁予防接種専門委員会諮問団でも青少年ワクチンパスの妥当性に対する異論が出たという。だが政府は説得の代わりに強迫を前面に出す。「今後オミクロン株流行が現実化する場合、青少年が震源地になるかもしれない」(10日、保健福祉部中央事故収拾本部会見)。
◇幻想で終わった集団免疫論
韓国政府の防疫の手はますます荒くなっている。金富謙(キム・ブギョム)首相は昨年10月初めに防疫パス導入と関連し「未接種者に対する差別・疎外が発生しないことも重要だ」と明らかにした。だが実際に裁判所によりブレーキがかかると、「生命権より重要な基本権がどこにあるのか」として裁判所を圧迫した。鄭銀敬(チョン・ウンギョン)疾病管理庁長は昨年9月、「青少年に対する自律接種の雰囲気を作る」としていたが、「12~17歳接種を『強く』勧告する」に変わった。
その背景には幻想に終わってしまった「集団免疫論」がある。疾病管理庁中央防疫対策本部は昨年10月、「接種完了率が85%になれば集団免疫は概ね80%に達し、こうなれば理論的にデルタ株さえマスクなしで、集合禁止なしで、営業禁止・制限なしで勝ち抜くことができる」と話した。しかしこの説明があって半月後に始まった「ウィズコロナ」の実験は失敗に終わった。接種後4カ月が過ぎれば防御力が大きく落ちる新型コロナウイルスワクチンの限界にデルタ株の特性まで重なった。病床確保と医療体系整備のような政府の準備は足りなかった。
防疫と個人の権利は対立が避けられない。だが対立を減らす責任は政府にある。一方的防疫ドライブにアレルギーと薬品敏感患者、宗教的・医学的信念者など個人が立つ場所は狭くなっている。彼らも自ら自分たちの信念に向け科学的根拠を探し求めている。最近ワクチン効果に疑問を提起した皮膚科専門医ハム・イクピョンさんのユーチューブ動画は再生回数 140万回に迫る。一時強制削除措置にあった後に復旧したが、そのため話題性はもっと大きくなった。ワクチン拒否者などの疑問に対して政府がまともに答えないならば彼らの信念はさらに固まるほかない。
◇過去の成功方式への執着捨てねば
医療界の一部では政府がさらに果敢に持続可能な防疫モデルを探さなければならないと主張する。中央大学薬学科のソル・デウ教授は「オミクロン株感染を容認する『ウィズコロナ』の方向に進むものの60代以上の高齢層と基礎疾患者中心の危険管理に力を注がなければならない」と話した。もちろん慎重だ。ソル教授も韓国のオミクロン株のシェアが75%水準まで上がり、重症化率と致死率がデルタ株より30%水準で低いということが確認されなければならないという前提を掲げた。
韓国で初の新型コロナウイルス感染者が報告され満2年になった。ウイルスは依然として恐怖の対象だが少しずつ正体を表している。恐怖と希望が依然として入り交じる。人類が新型コロナウイルスの恐怖から抜け出すには最小2~3年はかかるという見通しも出ている。消耗戦には限界がある。持続可能な防疫モデルを考えなければならない。一時は自慢するのに忙しかったK防疫モデルがいまでは壁にぶつかっていることを認めなければならない。個人の忍耐と自営業者の犠牲をいつまでも強要することはできない。全体主義色が濃厚な防疫方式に国民は少しずつ疲れていっている。過去の成功のくびきを投げ捨てる勇気から必要だ。
イ・ヒョンサン/中央日報コラムニスト
【コラム】終わらないコロナ戦争…日本の緩和戦略、韓国の退治戦略(1)
この記事を読んで…