今月3日(現地時間)、米国ホワイトハウスのブリーフィング室は再び人員制限を出して座席70%に「着席禁止」という「STOP」の張り紙をつけた。キム・ピルギュ特派員
計49席のうち「STOP」の張り紙がついていない席は14席しかなかった。新聞プール記者席、放送プール記者席、通信記者席など指定された席を除けば、事実上、外国記者は当面記者会見に参加するのが難しい状況だ。
2年前の第1波の時もこのような人員制限を設けられた。その後、全面的に開放したのが昨年6月だ。報道官室のスタッフや記者団は全員マスクまで取って正常化にそこまで近づいた気分を感じていたが、わずか7カ月で再び原点に戻った。ホワイトハウスから200メートルほど離れたところにあるファラガット広場にはこの日も無料新型コロナ検査を受けようとする長い列ができていた。気温は2~3度まで落ちたが、風まで吹いて体感温度はこれよりも低かった。数時間待っていたある住民は「並んでいるうちに別の病気にかかりそうだ」と言って列から離れた。
前日、ジョー・バイデン大統領はテレビカメラの前で、国民に対して「グーグルの検索ウインドウに『近くの検査所』と入れて検索してみてほしい」と話した。そうすれば簡単に検査を受けることができるということだった。しかし、ホワイトハウスの周辺からして現実はそうではなかった。感染者と密接接触をしたある知人は、グーグルで案内されていた検査所をすべて回ってみたが「今日の分はすべて終わった」と言われ、徒労に終わった。100ドル以上出さなければならない有料検査所でさえ、数日後でないと予約ができなかった。知人は結局、250ドル(約2万8800円)の出国者用緊急PCR検査を行っているところに行ってようやく検査を受けることができたと話し、悔しさを爆発させた。
米政府が年末年始の大規模拡散を防ぐ切り札として出した自己診断キットも目にしなくなって久しい。ホワイトハウス近隣の大型薬局チェーンの店先には「品切れ」の告知が数日間そのまま出ている。下のほうに「いつ入ってくるのか私たちにも分からない」という文面が添えられていた。まるで2年前のマスク大乱時がそうだったように、前もって自己診断キットを買いおきしていた人は周辺から憧れの的だ。これらはすべて、2022年新年早々にオミクロン株が支配株になった米国の首都ワシントンで起きている光景だ。
やれやれ終わったと思っていたことがまた繰り返されているので、人々の忍耐心もすっかり底をついてしまっている。複数の科学者が言うように、今回のオミクロン株は予想より短く弱く通り過ぎるかもしれない。しかし今後また別の威力を持つ変異株が我々の元に近づいてきた時、準備が整っていなければ混乱が再び繰り返される可能性があることを米国が先に見せてくれている。
キム・ピルギュ/ワシントン特派員
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