ビジョンセミコンのユン・トンソプ代表が5日(現地時間)、米ラスベガスのCES2022展示場に設置したブースで製品を紹介している。同社は米西海岸の物流問題で無人自動化バリスタ機械、自動運転サービスロボットなど主力商品の到着が遅れている。チェ・ウンギョン記者
◆「徹夜で製品設置、展示期間は半分経過」
同社が昨年11月初めに船便で送った装備は開幕当日に到着した。ユン・トンソプ代表の一行は結局、この日夜に行事ブースに装備を設置することになった。ユン代表は「徹夜で準備して6日午後に稼働を始めた」とし「すでに展示期間(5-7日)の半分が過ぎてしまって残念でならない」と話した。
大田(テジョン)にあるビジョンセミコンは半導体の工程に入るプラズマ装備製造企業。エアカーテンの原理を活用して飛沫感染を防ぐ飛沫遮断テーブル、サービス用ロボットなどが代表的な商品だ。スマートファクトリー技術を基盤に2020年に注文・決済・製造・サービスまで無人自動で運営されるロボットカフェ「ストラント」をオープンした。今回のCES2022にも「ストラント」ブランドを展示する計画だった。
しかしバリスタシステムとドーム型飛沫遮断テーブルが遅れて到着したのだ。ユン代表は「主力製品が遅く到着したため初日は行事場所の半分は空いていた」と話した。
◆韓国企業8社が物流問題で展示に支障
韓国情報通信技術産業協会(KiCTA)によると、韓国の中堅・中小企業8社が今回のCES準備過程で物流問題のため展示に支障が生じたことが把握された。
KiCTAのイ・ハンボム副会長はこの日、中央日報との電話で「韓国から昨年10月に発送した装備・資機材がロサンゼルスのロングビーチ港湾で滞留していた」とし「ビジョンセミコンの装備もかろうじて運んだ」と伝えた。新型コロナによる検疫強化のほか、荷役人員・装備不足までが重なったからだ。韓国で船積みした貨物は通常、2、3週間後には米西部で荷役作業を終える。
実際、米西海岸の港湾は埋まった状態だ。海運調査機関は米西海岸の港湾の滞留は世界船腹供給の約12%が消えたのと同じだと分析した。
これを受け、一部の企業は急いで航空便を物色し、装備を送り直した。しかしビジョンセミコンは無人バリスタ機械が1台しかないため待つしかなかった。
イ・ハンボム副会長は「政府がCES参加を支援しながら物流費を船舶基準で設定する」とし「不確実性が高まっている状況なので、今後の行事では片道だけでも航空便支援を考慮する必要がある」と述べた。続いて「展示される製品はほとんどが最新IT機器であり(船で運送をすれば)塩分のために作動エラーが生じることもある。CES参加企業に対する政府の支援は現実に合わせて考慮されるべき」と話した。
◆シャトルバス運転手も不足
今回のCES参加企業は新型コロナの影響でブース設置にも苦労した。展示館内の設備・装置などを担当する人員が不足していたからだ。現場では「シャトルバス運転手も貴重な存在」という声が出ている。
国内旅行業界の関係者は「現地でバスの運転手を確保できずロサンゼルスに要請した」とし「CES主催側もバスの確保に苦労したという。Uberの運転手もかなり減った」と伝えた。韓国中堅企業の関係者は「職員らが徹夜でブースを設置した」とし「展示場の観覧客も2年前と比べて確実に減っている」と伝えた。
今回の行事に参加した韓国企業はスタートアップ220社余りを含めて約400社という。
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