◆年金改革は選択でなく必須
深刻化した少子高齢化は結局、公的年金の問題につながる。このためチェ・ジェシク元公務員年金公団理事長に会った。1977年に総務処年金局で公職を始めたチェ氏は2018年に退職するまで41年間、年金問題に深く関わってきた。国民年金は金泳三(キム・ヨンサム)政権の1998年、盧武鉉政権の2008年に、年金給付利率を引き下げる制度改革を断行した。公務員年金は金泳三政権の1995年、金大中(キム・デジュン)政権の2000年、李明博(イ・ミョンバク)政権の2009年、朴槿恵(パク・クネ)政権の2015年に、財政安定化のための制度改革を断行した。
--歴代政権は例外なく年金改革を断行したが、文政権はなぜ背を向けるのか。
「年金改革ほど人気がなく政権に負担を与える政策もないが、それでも過去の政権は一定部分はしてきた。しかし文政権は財政安定化措置は眼中にもなく、『保険料は上げずに年金はさらに増やす方法がある』と言って執権し、その後はうやむやにしている」
--年金改革を必ずしなければいけない理由は。
「公務員年金と軍人年金は国の財政で赤字を補填するが、その規模がずっと増えている。国民年金も2041年から赤字が発生し、基金も結局は消耗する見通しだ。結局、未来の世代は現行保険料(9%)の3倍を負担してこそ制度が維持されるほどだ。年金改革なしに制度は持続可能でない」
--では、望ましい改革方向は。
「国民年金は過去2回の給付利率引き下げで40年間の加入者の所得代替率は40%にすぎなかった。さらに低くする場合は『小遣い年金』に転落するおそれがある。ただ、保険料が9%で公務員年金(18%)の半分である点を考慮すると、少し引き上げる余地がある。年金受給開始年齢も65歳まで延長することになっているが、もう少し遅らせることができる。結局、『年金水準維持+保険料引き上げ+受給開始年齢引き上げ』が現実的な代案になるだろう。租税方式の基礎年金と共に再構造化する案も講じる必要がある」
◆「45年間働いて15年間受ける体制」の検討を
--定年は延長または廃止しようという主張が出ているが。
「100歳時代には働く期間を増やして年金を受給する期間を減らさなければいけない。今のように『30年間働いて30年間受給する体制』は続かない。『45年間働いて15年間受給する体制』を検討しなければいけない。年齢に関係なく健康な人は誰でも働くことができる社会を作ってこそ長寿時代に年金問題を解決できる。本当の高齢者福祉は『十分に年金を与える社会』でなく『働ける社会』だ。こうした側面で定年はひとまず延長し、最終的には廃止しなければいけない。年功序列と年功賃金も共に改善しなければいけない」
--大統領候補に助言したいことは。
「有力大統領候補のうち年金改革を政策公約として提示した候補はまだいない。票を失うことを恐れて意図的に目を閉じているようだ。問題を知りながらも爆弾を回す政治家を正しい国家指導者といえるだろうか。大衆の人気に迎合する公約でなく、未来の世代のための年金改革を政策公約で提示しなければいけない。公的年金の中長期財政安定化対策を樹立して施行する仮称『公的年金持続性委員会』を大統領直属機構として設置する必要がある。年金改革は早いほどよい」
文在寅政権は少子高齢化問題に背を向けてきた。公的年金改革は手もつけず事実上放置した。歴代のどの政権よりポピュリズムに陥った無責任な姿だ。「時限爆弾」はそのまま次期政権に大きな負担として作用する。次期政権は国民と未来世代の前で誠意のある姿勢を見せる責任がある。
チャン・セジョン/論説委員
「青瓦台は人口危機も時間浪費」「文大統領は年金改革を放置」(1)
深刻化した少子高齢化は結局、公的年金の問題につながる。このためチェ・ジェシク元公務員年金公団理事長に会った。1977年に総務処年金局で公職を始めたチェ氏は2018年に退職するまで41年間、年金問題に深く関わってきた。国民年金は金泳三(キム・ヨンサム)政権の1998年、盧武鉉政権の2008年に、年金給付利率を引き下げる制度改革を断行した。公務員年金は金泳三政権の1995年、金大中(キム・デジュン)政権の2000年、李明博(イ・ミョンバク)政権の2009年、朴槿恵(パク・クネ)政権の2015年に、財政安定化のための制度改革を断行した。
--歴代政権は例外なく年金改革を断行したが、文政権はなぜ背を向けるのか。
「年金改革ほど人気がなく政権に負担を与える政策もないが、それでも過去の政権は一定部分はしてきた。しかし文政権は財政安定化措置は眼中にもなく、『保険料は上げずに年金はさらに増やす方法がある』と言って執権し、その後はうやむやにしている」
--年金改革を必ずしなければいけない理由は。
「公務員年金と軍人年金は国の財政で赤字を補填するが、その規模がずっと増えている。国民年金も2041年から赤字が発生し、基金も結局は消耗する見通しだ。結局、未来の世代は現行保険料(9%)の3倍を負担してこそ制度が維持されるほどだ。年金改革なしに制度は持続可能でない」
--では、望ましい改革方向は。
「国民年金は過去2回の給付利率引き下げで40年間の加入者の所得代替率は40%にすぎなかった。さらに低くする場合は『小遣い年金』に転落するおそれがある。ただ、保険料が9%で公務員年金(18%)の半分である点を考慮すると、少し引き上げる余地がある。年金受給開始年齢も65歳まで延長することになっているが、もう少し遅らせることができる。結局、『年金水準維持+保険料引き上げ+受給開始年齢引き上げ』が現実的な代案になるだろう。租税方式の基礎年金と共に再構造化する案も講じる必要がある」
◆「45年間働いて15年間受ける体制」の検討を
--定年は延長または廃止しようという主張が出ているが。
「100歳時代には働く期間を増やして年金を受給する期間を減らさなければいけない。今のように『30年間働いて30年間受給する体制』は続かない。『45年間働いて15年間受給する体制』を検討しなければいけない。年齢に関係なく健康な人は誰でも働くことができる社会を作ってこそ長寿時代に年金問題を解決できる。本当の高齢者福祉は『十分に年金を与える社会』でなく『働ける社会』だ。こうした側面で定年はひとまず延長し、最終的には廃止しなければいけない。年功序列と年功賃金も共に改善しなければいけない」
--大統領候補に助言したいことは。
「有力大統領候補のうち年金改革を政策公約として提示した候補はまだいない。票を失うことを恐れて意図的に目を閉じているようだ。問題を知りながらも爆弾を回す政治家を正しい国家指導者といえるだろうか。大衆の人気に迎合する公約でなく、未来の世代のための年金改革を政策公約で提示しなければいけない。公的年金の中長期財政安定化対策を樹立して施行する仮称『公的年金持続性委員会』を大統領直属機構として設置する必要がある。年金改革は早いほどよい」
文在寅政権は少子高齢化問題に背を向けてきた。公的年金改革は手もつけず事実上放置した。歴代のどの政権よりポピュリズムに陥った無責任な姿だ。「時限爆弾」はそのまま次期政権に大きな負担として作用する。次期政権は国民と未来世代の前で誠意のある姿勢を見せる責任がある。
チャン・セジョン/論説委員
「青瓦台は人口危機も時間浪費」「文大統領は年金改革を放置」(1)
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