４日間の日程でオーストラリアを国賓訪問する文在寅（ムン・ジェイン）大統領が１２日午前に出国した。

文大統領はこの日午前９時ごろに京畿道城南（キョンギド・ソンナム）のソウル空港から空軍１号機に乗りオーストラリアの首都キャンベラに向け出発した。出国場には兪英民（ユ・ヨンミン）大統領秘書室長とともに全海（チョン・ヘチョル）行政安全部長官が出て文大統領夫妻を歓送した。

文大統領は１３日にキャンベラでモリソン豪首相との首脳会談に臨む。韓豪間の協定署名式、共同記者会見などをこなす。ハーリー総督夫妻主催の国賓昼食会も予定されている。


同日午後に文大統領は戦争記念館と韓国戦争（朝鮮戦争）参戦記念碑を訪問して献花し、韓国戦争参戦勇士を招いて夕食会を行う予定だ。

共同記者会見では両国関係を包括的戦略パートナー関係に格上げする公式宣言が予想される。青瓦台（チョンワデ、大統領府）は今回の歴訪を通じ国際社会の新たな挑戦課題に浮上した世界的サプライチェーン問題の解決に向けた戦略的協力強化の土台を構築することを期待している。

１４日午前にはオーストラリア最大の経済都市シドニーに移動する。オーストラリア労働党のアルバニーゼ代表との面談に続き、ニューサウスウェールズ州のビーズリー総督夫妻が主催する昼食会に参加する。続けてオーストラリア財界関係者を招いて核心鉱物サプライチェーン懇談会を主宰する。

この席では電気自動車や半導体など新産業育成に必須の核心鉱物のサプライチェーン協力強化案が議題に上がる見通しだ。オーストラリアは電気自動車用バッテリーの核心原材料であるニッケルやコバルト、半導体の核心素材であるレアアースの埋蔵量が豊富な資源大国だ。

文大統領は歴訪３日目の１４日にシドニーでモリソン首相夫妻が主催する国賓夕食会を最後に４日間の主要日程を終え１５日に帰国の途につく。

韓国の首脳がオーストラリアを国賓訪問するのは李明博（イ・ミョンバク）政権だった２００９年から１２年ぶりだ。昨年３月の新型コロナウイルスパンデミック後にオーストラリアを訪問する海外首脳は文大統領が初めてだ。

青瓦台高位関係者は「今回の国賓訪問によりクリーンエネルギー、人工知能、デジタル通商、宇宙分野など新たな成長協力モデルを創出し、共同繁栄の方向を提示すると予想される」と説明した。