米国がロシアのウクライナ侵攻に対応して「ドル決済網」からの排除など強力な経済制裁カードを検討している。バイデン米大統領はプーチン露大統領との7日(現地時間)のオンライン首脳会談に先立ち、フランス・ドイツ・イタリア・英国など欧州同盟国の首脳と電話会談をし、対応案を調整したという。
ニューヨークタイムズ(NYT)、ブルームバーグ通信などは6日、消息筋を引用し、米国がロシアのウクライナ攻撃を防ぐために、国際銀行間通信協会(SWIFT)国際金融決済システムへの接近遮断など制裁を検討していると報じた。SWIFTへの接近遮断は国際金融取引からの排除に該当する強力な制裁で、現在イランと北朝鮮に適用されている。欧州議会も4月、ロシアがウクライナを侵攻する場合、こうした国際金融決済網からの排除を推進する決議案を承認した。
この制裁を受ける場合、国際取引でドルを利用した輸出・輸入が全面遮断され、経済的な打撃が避けられない。ただ、この制裁は一般市民にも被害が及ぶため、ロシアが自国通貨ルーブルをドルおよびその他外貨に両替する能力だけを剥奪する方向に重心を置いていると、情報筋は伝えた。
また米国はプーチン大統領の側近とエネルギー企業を対象にした金融制裁も考慮している。ブルームバーグによると、ロシア支配層の資産凍結をはじめ、旅行、米国の銀行・クレジットカードシステムへの接近遮断などが選択肢に挙がっている。ロシア大手銀行と直接投資ファンド(RIDF)に対する制裁、投資家のロシア国債購買制限なども検討していると、米政府筋は伝えた。
◆ドル決済排除ならロシアの輸出入に打撃
米露首脳は7日午前10時(現地時間)、オンラインで首脳会談を行った。6カ月ぶりとなる両国の首脳会談では、サイバーセキュリティーやイラン核プログラムなどさまざまな問題がテーブルに載せられた。焦眉の関心事はウクライナ事態だ。これに先立ち米情報当局はロシア軍がウクライナ国境地帯に大規模な兵力を配置しているとし、来年初めの侵攻の可能性を提起した。ロシアが約17万5000人の兵力を動員してウクライナを攻撃するという内容だ。米国は欧州同盟国とこれを共有し、ロシアの行動を防ぐのに力を注いできた。
バイデン大統領と電話会談をした欧州の首脳はウクライナの主権に対する支持を再確認し、緊張解消のための外交的協力を講じることで一致したというのが、ホワイトハウスの発表だ。プーチン大統領との会談の前に同盟国の意向を再確認したのだ。
実際、米国の当局者はこの日、ホワイトハウスで記者会見し、「バイデン大統領はプーチン大統領に対し、ウクライナを攻撃する場合、深刻な経済的制裁が加えられるという点を明確に警告するだろう」と予告した。別の関係者は「東欧の同盟国から追加兵力および訓練の要請が増えれば、米国は前向きな答弁をする」とし、東欧地域に対する兵力増強も考慮していることを明らかにした。
海外メディアは今回の会談について、結果を出すよりも米露間の緊張をやや緩和し、対立がピークに向かうのを予防する席になったと伝えた。特に、望む点を明確にしないプーチン大統領の戦術に対抗し、バイデン大統領はプーチン大統領の内心を把握し、いかなる制裁が効果的かを判断するだろうと、ブルームバーグ通信は伝えた。
ワシントンのシンクタンク、ウィルソンセンター傘下ケナン研究所のマシュー・ロジャンスキー所長は「プーチン大統領が(ウクライナ国境兵力配置など)影響力を行使するのは代価を支払う用意があるため」とし「しかし米国の『実弾』や米国ができることは多く、バイデン大統領は依然として広範囲な制裁を加える選択権がある」と述べた。
◆「プーチンのインド訪問は国際社会への誇示」
プーチン大統領は米露首脳会談の前日の6日、日帰りでインド・ニューデリーを訪問し、モディ首相と3時間半の会談をしたと、ニューヨークタイムズ、ウォールストリートジャーナル(WSJ)、露英字新聞モスクワタイムズなどが報じた。海外メディアはプーチン大統領のインド訪問について、ロシアと西側の緊張が高まる時期に米国と協力関係にあるインドを訪問し、友好関係と影響力を国際社会に誇示しようとしたと分析した。首脳会談と共に両国外務・国防閣僚級の初の2プラス2会談も開かれた。会談後、両国は国防・貿易・エネルギー・宇宙技術・文化など幅広い分野での協力を拡大する内容を盛り込んだ99条項の共同宣言文を発表した。
この日、ロシアはインドに54億ドル(約6170億円)規模のS-400ミサイル防衛システムを引き続き供給することを決定するなど、両国防衛協力の拡大・強化を発表した。S-400防空ミサイルは2007年にロシア軍に実戦配備された中長距離地対空ミサイルシステムで「ロシア版THAAD(高高度防衛ミサイル)」と呼ばれる。2018年にプーチン大統領がインドを訪問した当時に締結した契約に基づき、先月から供給を開始した。インドは米国主導のクアッド(米国・日本・オーストラリア・インド安保協議体)の一員だが、ロシア製武器体系の最大の輸入国であり「綱渡り外交」をしてきたという評価だ。
ニューヨークタイムズ(NYT)、ブルームバーグ通信などは6日、消息筋を引用し、米国がロシアのウクライナ攻撃を防ぐために、国際銀行間通信協会(SWIFT)国際金融決済システムへの接近遮断など制裁を検討していると報じた。SWIFTへの接近遮断は国際金融取引からの排除に該当する強力な制裁で、現在イランと北朝鮮に適用されている。欧州議会も4月、ロシアがウクライナを侵攻する場合、こうした国際金融決済網からの排除を推進する決議案を承認した。
この制裁を受ける場合、国際取引でドルを利用した輸出・輸入が全面遮断され、経済的な打撃が避けられない。ただ、この制裁は一般市民にも被害が及ぶため、ロシアが自国通貨ルーブルをドルおよびその他外貨に両替する能力だけを剥奪する方向に重心を置いていると、情報筋は伝えた。
また米国はプーチン大統領の側近とエネルギー企業を対象にした金融制裁も考慮している。ブルームバーグによると、ロシア支配層の資産凍結をはじめ、旅行、米国の銀行・クレジットカードシステムへの接近遮断などが選択肢に挙がっている。ロシア大手銀行と直接投資ファンド(RIDF)に対する制裁、投資家のロシア国債購買制限なども検討していると、米政府筋は伝えた。
◆ドル決済排除ならロシアの輸出入に打撃
米露首脳は7日午前10時(現地時間)、オンラインで首脳会談を行った。6カ月ぶりとなる両国の首脳会談では、サイバーセキュリティーやイラン核プログラムなどさまざまな問題がテーブルに載せられた。焦眉の関心事はウクライナ事態だ。これに先立ち米情報当局はロシア軍がウクライナ国境地帯に大規模な兵力を配置しているとし、来年初めの侵攻の可能性を提起した。ロシアが約17万5000人の兵力を動員してウクライナを攻撃するという内容だ。米国は欧州同盟国とこれを共有し、ロシアの行動を防ぐのに力を注いできた。
バイデン大統領と電話会談をした欧州の首脳はウクライナの主権に対する支持を再確認し、緊張解消のための外交的協力を講じることで一致したというのが、ホワイトハウスの発表だ。プーチン大統領との会談の前に同盟国の意向を再確認したのだ。
実際、米国の当局者はこの日、ホワイトハウスで記者会見し、「バイデン大統領はプーチン大統領に対し、ウクライナを攻撃する場合、深刻な経済的制裁が加えられるという点を明確に警告するだろう」と予告した。別の関係者は「東欧の同盟国から追加兵力および訓練の要請が増えれば、米国は前向きな答弁をする」とし、東欧地域に対する兵力増強も考慮していることを明らかにした。
海外メディアは今回の会談について、結果を出すよりも米露間の緊張をやや緩和し、対立がピークに向かうのを予防する席になったと伝えた。特に、望む点を明確にしないプーチン大統領の戦術に対抗し、バイデン大統領はプーチン大統領の内心を把握し、いかなる制裁が効果的かを判断するだろうと、ブルームバーグ通信は伝えた。
ワシントンのシンクタンク、ウィルソンセンター傘下ケナン研究所のマシュー・ロジャンスキー所長は「プーチン大統領が(ウクライナ国境兵力配置など)影響力を行使するのは代価を支払う用意があるため」とし「しかし米国の『実弾』や米国ができることは多く、バイデン大統領は依然として広範囲な制裁を加える選択権がある」と述べた。
◆「プーチンのインド訪問は国際社会への誇示」
プーチン大統領は米露首脳会談の前日の6日、日帰りでインド・ニューデリーを訪問し、モディ首相と3時間半の会談をしたと、ニューヨークタイムズ、ウォールストリートジャーナル(WSJ)、露英字新聞モスクワタイムズなどが報じた。海外メディアはプーチン大統領のインド訪問について、ロシアと西側の緊張が高まる時期に米国と協力関係にあるインドを訪問し、友好関係と影響力を国際社会に誇示しようとしたと分析した。首脳会談と共に両国外務・国防閣僚級の初の2プラス2会談も開かれた。会談後、両国は国防・貿易・エネルギー・宇宙技術・文化など幅広い分野での協力を拡大する内容を盛り込んだ99条項の共同宣言文を発表した。
この日、ロシアはインドに54億ドル(約6170億円)規模のS-400ミサイル防衛システムを引き続き供給することを決定するなど、両国防衛協力の拡大・強化を発表した。S-400防空ミサイルは2007年にロシア軍に実戦配備された中長距離地対空ミサイルシステムで「ロシア版THAAD(高高度防衛ミサイル)」と呼ばれる。2018年にプーチン大統領がインドを訪問した当時に締結した契約に基づき、先月から供給を開始した。インドは米国主導のクアッド(米国・日本・オーストラリア・インド安保協議体)の一員だが、ロシア製武器体系の最大の輸入国であり「綱渡り外交」をしてきたという評価だ。
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