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【コラム】『醜い中国人』は消えるか(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
中国と台湾の両岸の間で風が静まる日がない。台湾海峡の上で中国と台湾の戦闘機だけが追いつ追われつする鬼ごっこをしているわけではない。文学作品を巡っても微妙な神経戦が繰り広げられる。自分の民族に対して毒舌を浴びせた台湾の作家、柏楊の作品『醜い中国人 なぜ、アメリカ人・日本人に学ばないのか』(原題『丑陋的中国人』)を巡ってだ。本が出版されたのは1985年のことだ。1920年中国河南省に生まれて49年に台湾へ渡った柏楊が台湾官吏の恥部を暴く文章を書いて9年獄中生活を送るなど海千山千を経験して還暦を越え、65歳の時に書いた作品だ。この本は中国人の奴隷根性を指摘した魯迅の『阿Q正伝』以来、最も痛烈に中国と中国人、そして中国文化を批判したと評価されている。

中国人の恥部を暴露した柏楊は中国人の一つ目の特徴として「汚くて無秩序で騒々しい」と一喝する。「中国人がどれくらい汚くてむさ苦しいかは台所を見れば」分かると言い、「騒々しさを語れば天下無敵」と皮肉る。2つ目の特徴は「巣の中で争う」は内紛だ。中国人一人一人はみな龍のようだが「3人、すなわち3頭の龍が集まれば、豚か虫になってしまう」と非難した。さらにもう一つの特徴として「死んでも間違いを認めない(死不認錯)の態度」を挙げた。「間違いを隠すために中国人はさらに大きな過ちを犯すほかはなく、そうするうちに嘘をつくなどさらに多くの罪が発生する」と指摘した。柏楊は同時に、中国人を「ステージIIIの肺病患者」にたとえた。

ではなぜ中国人は肺病患者になったのか。柏楊の診断によれば中国の「甕文化」のせいだ。「中国文化は春秋戦国時代に最も燦爛な発展を遂げたが、次第に儒教の統制を受け始めた。後漢時代に入り、朝廷はすべての知識人の発言や文章を師匠の教えを超えないように規定した。これが「師承」だ。師承を越えれば学説自体が成立できないだけでなく、法を犯すものとされた。このようにして中国知識人の思考力が抹殺された。自然に孔子以降2000年以上にもわたり、たった一人の思想家も出てくることはなかった。文字を知る人は孔子の学説に注釈をつけるのみだ。そのように深く淀んだ水で生存を追求する以外になかったが、この深い池、すなわち死の水がまさに中国文化の「甕」だ。「甕から出てくる臭いによって中国人が醜く姑息になった」というのが柏楊の主張だ。
【コラム】『醜い中国人』は消えるか(2)

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