世界都市の興亡盛衰をテーマとする『都市の勝利（邦題：都市は人類最高の発明である）』の著者でハーバード大学のエドワード・グレイザー教授は「人類が生み出した最高の発明品は都市」と述べている。グレイザー教授が分析した持続的な都市発展を可能にする要因の核心は、都市は絶え間ない競争と多様な革新を奨励することで成功するということだ。グレイザー教授は、ソウルについても「革新の集合場所」という表現で人的資源と優れた交通システム、世界都市間をつなぐ機能などについて高く評価している。

９月、「ソウルビジョン２０３０」発表の席で呉世勲（オ・セフン）ソウル市長はソウルのグローバル都市競争力の回復を今後推進すべき最優先課題に挙げた。ソウルの都市競争力、金融競争力、未来競争力が回復すれば、ソウルに人と投資が集まり、ソウルの経済と雇用が活性化するということだ。アグレッシブな「ソウルビジョン２０３０」の実行により世界をリードする超一流都市、グローバルトップ５の都市にするという抱負を明らかにしたことになる。

ソウルの都市競争力指数の下落はコンサルティング企業カーニーの指標でも確認できる。世界主要都市の評価で２０１０年１０位だったが、２０２０年には１７位に下落した。都市競争力に対する持続的な投資が政策優先順位で押されたため、市民の生活の質と都市競争力が同時に墜落したものと判断できる。主な評価要素の自由な企業活動と経済ハブ機能、グローバル人材の育成などが停滞していたという意味にも解釈できる。


このような診断による具体的な代案の提示がソウルビジョン２０３０にこめられている。ソウルをアジア経済のハブであり、創業成長都市、感性文化観光都市、産業融合革新都市に成長させるという目標を掲げているのだ。２００余りの海外金融機関誘致、２０兆ウォン（約１兆９３００億円）の付加価値を創造する文化サービス、外国人観光客２０００万人時代、科学技術従事者１００万人が活動するＲ＆Ｄの聖地として浮上するソウル、これによる都市競争力世界５位への跳躍など具体的に数値化した細部目標も提示している。

このような側面から、２４日に開催される「ソウル都市競争力グローバルフォーラム」にかける期待が大きい。世界の識者がソウルのグローバル競争力回復について深い診断と解決法を提示する予定だ。ソウルはかつて不断の努力でニューヨーク・ロンドン・パリなどと肩を並べるほどの都市競争力を認められていた。今回のフォーラムが過去の地位だけでなく、それ以上の位置に位置する診断と課題を導き出し、「再び飛躍するソウル」の肯定的なモメンタムになることを期待する。

尹鍾章（ユン・ジョンジャン）／ソウル市市民疎通企画官