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「すでに医療崩壊」韓国、すべて埋まった集中治療室…呼吸器つけて救急室で順番待ち(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

慶北大学病院陰圧集中治療室での重症患者診療。[写真 大邱広域市]

今月14日、ソウル江南(カンナム)のA大学病院救急室。新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)重症患者2人が救急室内の陰圧病室で治療を受けていた。2人とも自力では呼吸できないほど状態が深刻だった。人工呼吸装置がつけられていたが、救急室から集中治療室に移ることができなかった。この病院に用意された新型コロナ重症患者用病床がすべて埋まっていたからだ。近くの他の病院にも行けなかった。

病床不足はA病院だけの問題ではなかった。段階的日常回復(ウィズコロナ)の施行以降、新型コロナ重篤患者が急増し、現在、首都圏内の集中治療室は飽和の一歩手前だ。

結局、一人は車で100キロ以上離れた忠清南道(チュンチョンナムド)地域の病院に運ばれた。人工呼吸装置を付けていてレベルDの保護服を着用した応急医学科の医師が付き添った。もう一人の患者は専用病床に移動できないまま、救急室で治療を受けている中で亡くなった。同日、ソウル江北(カンブク)のB大学病院救急室でも同じ状況が起きていた。集中治療室に空きがなく、入室出来なかったコロナ重症患者が救急室内で治療を受けている。A病院関係者はソウル市内の主要大型病院のほとんどが集中治療室に空きがなく、コロナ重症患者を救急室で対応している」とし「救急室の医療スタッフまで新型コロナ患者につきっきりとなり、一般の救急患者は後回しにされている」と話した。続けて「現場はこのような状態だが、政府は病床に余裕があるなどと嘘をついている」とし「こういうことが医療崩壊ではないのか」と反問した。B病院医療スタッフは「医療スタッフは移送する病床を探そうと焦るが、ウィズコロナなので夜遅くまで酒を飲んで転倒してケガをした人や飲みすぎて嘔吐した人が救急室に押し寄せるところを見ると腸が煮えくり返る」と吐露した。


新型コロナ重篤患者が急増し、病床不足に伴う被害が次第に現実化している。中央災難(災害)安全対策本部によると、全国の新型コロナ重症患者用病床は1125床(14日午後5時基準)だ。このうち699床が埋まっている。稼動率は62.1%だ。韓国政府はこの数値が75%に至れば防疫強度を高める「サーキットブレーカー(非常計画)」の発令を検討することにした。すでに首都圏はこの基準を越えている。病床稼動率をみると、ソウル78.6%、仁川(インチョン)78.5%、京畿(キョンギ)73%に達している。

重症患者用病床の稼動率は20%ほど余裕をもたせなければならない。患者が出ていけば消毒しなければならないほか、人工呼吸器やECMO(体外式膜型人工肺)などの主要装備の想定外の誤作動等にも備えなければならないためだ。このため病床を100%稼動することができない。ソウル・仁川の病床はすでに患者でいっぱいで重症患者が発生しても行き先がない。

中央対策本部は今月5日と12日に相次いで病床動員(予備)行政命令を下した。454床の準重症患者用病床、254床の重症患者用病床を追加で確保する計画だ。準重症患者用病床は重篤から状態が良くなったか、重症患者として状態が悪化する可能性が高い患者を治療する。これを通じて重症患者用の病床活用度を高めるという戦略だ。だが、陰圧施設などを備えなければならならず、すぐに患者を治療することができない。4週間ほど時間がかかる。その間に医療現場は崩壊しつつある。


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