中国の南シナ海の人工島軍事基地の分布。米国は必要に応じて爆撃を通じてこれら人工島を焦土化することは可能だと判断しているとみられる。[写真 中央フォト]
一方、東海では中国潜水艦の活動が容易なだけでなく中国・ロシアの合同作戦も見過ごせないレベルで展開している。今年も中露「海上連合-2021」訓練が先月14~17日に沿海州の南側海域で実施された。このように各海域間の連係性と海域内の葛藤に関連した当事国の立場、そして中国の攻勢的な海洋政策などを考慮する場合、南シナ海で米中間の攻防が激しくなるほど、台湾海峡や東シナ海、韓半島海域での軍事的葛藤も今後もっと大きくなる可能性がある。
特に米国が日米豪印戦略対話(クアッド、QUAD)やオーカス(AUKUS)などの協議体を活用して中国を牽制するための国家間協力を具体化する場合、中国はこれを自国の核心利益に対する挑発として認識し、さらに強硬な軍事的対応を取るものとみられる。この過程で中国はロシアとの軍事協力を強化しようとするだろう。中国の専門家は「クアッドやオーカスは中国とロシアに深刻な脅威になる。中露両国の合同訓練は地域の平和と安定に寄与することになる」と主張している。南シナ海で起きた風浪が台湾海峡と東シナ海を越えて、あるいは韓半島海域にまで押し寄せる可能性を俯瞰して、対応策づくりに出なければならないときだ。
金台鎬(キム・テホ)/翰林(ハンリム)国際大学院大学政治外交科教授
<チャイナインサイト>米中の南シナ海攻防が韓半島海域の“風浪”高める(1)
この記事を読んで…