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姿消したら「死亡説」、姿見せれば「影武者説」…絶えることない金正恩氏めぐる噂

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

北朝鮮の金正恩国務委員長の妹である金与正労働党副部長。米タブロイド誌グローブは最近金与正氏が5~6月に秘密クーデターをしたと報道した。[中央フォト]

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の死亡説が再び登場し情報当局が否認するハプニングが起きた。



米タブロイド誌グローブは最新号で「金委員長が5月6日から6月5日の間に秘密クーデターを起こした金与正(キム・ヨジョン)により殺害された」と報道した。グローブは「6月以降金委員長は公式席上に姿を見せていないが、先月9日の北朝鮮政権樹立記念日行事の際に突然登場した。この時は影武者だった」ともした。ここに死亡説とともに先月日本メディアで提起した影武者説も加わった。


国家情報院はこの報道が出された直後である24日午後に「事実でない」と公式に立場を発表した。ある情報当局者は「海外メディアで提起した死亡説はいまから4カ月前の状況。その程度は情報当局で十分に確認できるほどの事案だが、まだ関連事実に接していない」と明らかにした。

グローブの報道のうち、6月以降に金委員長が公式席上から姿を消したという内容は事実と異なる。統一部によると、金委員長はグローブの報道で秘密クーデターが起きた期間という5月6日から6月5日までの間に報道日基準で3回の公開活動をしており、6月5日以降も27回にわたり公開席上に現れた。この期間に党政治局会議だけでなく党全員会議、国務委員会演奏団公演観覧など多様な種類の活動をした。

ある高位脱北者は「先月8日夜に北朝鮮の閲兵式関連の動きがほぼリアルタイムで外部に伝えられた点を見ればクーデターのような大きな事件が4月以上隠されているだろうか。金委員長が影武者ならば直接そばで見聞きする側近の口をふさぐのも難しいだろう」と話した。

金委員長の身辺異常説は今回が初めてではない。昨年4月15日に金委員長が祖父である金日成(キム・イルソン)主席誕生日に参拝をしなかった直後にCNNなどのメディアは金委員長重態説を報道した。当時彼が妙香山(ミョヒャンサン)近くでステント手術を受けたという具体的な状況まで示した。これより前の2019年にも同様の噂が広がっている。金委員長が公開席上に出てこなければ死亡説が、登場すれば影武者説が出てくる形だ。

北朝鮮の最高指導者をめぐり暇さえあれば死亡説、影武者説が出てくる根本原因は、北朝鮮の不透明な体制のためだ。内部での情報流通が極度に制限されている上に国内事情が外部にも知らされない密封体制で、噂が広がってもこれを簡単に確認する方法がない。金正恩委員長の名前が過去相当期間「金正雲」とされていたことも代表的な事例のひとつだ。

元情報高位当局者は「北朝鮮は情報流通を統制しており検証が容易ではない上に、最高指導者を中心に国が運営される首領制社会。正確な情報のない、いわゆる対北朝鮮消息筋の伝言が何段階を経て拡張したりもする」と明らかにした。

過去の金日成主席と金正日(キム・ジョンイル)国防委員長の時代も死亡説や影武者説が出ていた。

1986年に金日成の死亡説が出回ったのをはじめ、金正日時代には常に死亡説が出回った。1992年に金委員長が馬から落ちて死亡したというものや、1994年に執務室で襲撃され死亡したという噂がそうだ。多くの「説」は北朝鮮が経済的に苦境に立たされたり、金日成死去亡など韓半島周辺に大きな事件が発生した時だ。だが2008年に金正日氏が脳卒中で倒れたのを除くといずれも健在を誇示した。

ただ、今回米国メディアが伝えたクーデター説はダイエットが呼び起こした余波ではないかとの見方がある。これまで金日成一家が心臓病の家系である上に、金委員長が過剰な体重による成人病を患っているだろうという話が続いた。そんな彼が今年に入りダイエットを通じて20キログラム前後のダイエットをして健康に赤信号が灯ったのではないかとの分析がある。

米国メディアのクーデター説報道と関連しある脱北者は「北朝鮮は住民たちが金日成、金正日、金正恩という名前を出すことさえタブー視するほど最高指導者を神聖視する社会。米国が意図的にメディアを利用していると認識する可能性が大きい」と主張した。



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