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【ナウ・イン・ジャパン】アベノミクスは失敗だった? 日本はいま「分配」論争中(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
31日の衆議院選挙を控えた日本で「分配」がキーワードに浮上している。19日に開かれた9政党の党首討論会では「分配」という言葉が計45回も言及され、「成長」(29回)より1.5倍多かったと、日本経済新聞は分析した。

特に、これまで「アベノミクス」の成果を強調してきた自民党が「アベノミクスは国民の実質的な生活を改善することができなかった」と認め、「分配なくして成長なし」というキャッチフレーズを掲げた点が注目される。長期沈滞に新型コロナの影響で悪化の一途をたどった低所得層の経済的困窮をどう改善するかが今の日本の最大課題になった。

◆アベノミクスに「トリクルダウン効果」なし


岸田文雄首相は先月の自民党総裁選挙当時から「新しい資本主義」を代表的な公約として掲げている。首相就任後には閣僚および専門家で構成された「新しい資本主義実現本部」を設置した。

「新しい」という表現は、小泉純一郎元首相時代から続いてきた市場中心の新自由主義経済政策からの転換を意味すると、日本メディアは解釈している。同時に2012年末の第2次安倍内閣から始まった経済政策「アベノミクス」が日本経済にある程度の活気を与えたが、大多数の国民は所得が増えず、むしろ格差を拡大したという評価から出発している。

実際、アベノミクスは大規模な金融緩和、財政支出の拡大、攻撃的な成長戦略という「3本の矢」で株価上昇、企業の利潤拡大など表面的な成果を上げた。しかし高所得層や大企業の経済的果実が消費と投資を増やして低所得層までも潤沢にするという「落水(トリクルダウン)効果」は発生しなかった。企業は利潤を内部留保して労働者には分配されず、日本人の実質賃金は事実上減少した。

こうした「大企業-中小企業」「富裕層ー貧困層」の格差の解消が岸田政権の経済政策の核心だ。大企業の下請け企業に対する分配強化、賃金引き上げ企業に対する優遇措置、育児世帯への教育費・住居費支援強化を強調した。ニッセイ基礎研究所の金明中(キム・ミョンジュン)主任研究員は「アベノミクスで大企業の業績は改善したが、一度賃金を上げれば下げられない構造の中、企業は役職員の賃金引き上げに積極的でなかった」とし「今回の自民党の公約をみると、事実上アベノミクスではいけないという判断を下したようだ」と解釈した。

◆「1億総中流社会」神話は崩れて久しい

一方、立憲民主党や共産党など野党はアベノミクスを明白な「失敗作」と評価する。アベノミクスの最も大きな成果として挙げられる雇用問題の改善も、結局は非正規職を量産し、労働市場の格差を深めたという評価だ。日本総務省によると、2013-19年の7年間に日本で447万件の新規雇用が発生したが、このうち非正規職が254万件で全体の56.8%だった。安倍首相が掲げた「1億総活躍」方針で女性の非正規職が増え、定年延長政策で退職者の大多数が非正規職として再雇用された。

横浜市立大の鞠重鎬(クク・ジュンホ)国際商学部教授は「非正規職でも雇用が増えたのは事実だが、新型コロナ感染が拡大して非正規職の多数が職場を失い、アベノミクス雇用政策の弱点が表れることになった」と説明した。安倍政権で大卒者の就職が大幅に改善したのも一種の「錯視効果」という分析が出ている。金明中研究員は「2011-13年に戦後ベビーブーム世代の団塊世代330万人が引退し、労働市場から抜けた。こうした労働市場の構造変化にアベノミクスが乗った側面がある」と述べた。

「全国民が中産層」という「1億総中流社会」の神話は崩れて久しい。日本の貧困率は主要7カ国(G7)のうち米国の次いで高く、「不平等指数」と呼ばれるジニ係数も新型コロナ以前の2018年にすでに0.334だった。これは「格差が大きい」を意味する0.35に近い数値だ。自民党が「分厚い中産層」を、立憲民主党が「1億総中流社会の復活」を掲げたのは、格差問題をこのまま放置することはできないという危機感を反映している。



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