文在寅大統領が18日、2050炭素中立委員会第2回全体会議に参加するため会議場に入場している。[写真 青瓦台写真記者団]
方向だけ見れば間違った話ではない。だが韓国政府が提示した年平均縮小率4.17%は欧州連合(EU)の1.98%よりはるかに高い急激な目標値だ。8日の原案発表時に議論となった電力システム変化と関連した具体的解決策は依然として抜けており、期待よりは心配が先に立つ。大きな負担を背負わなければならない企業は「競争力低下を防ぐための政策速度調節が必要だ」と反発している。現在より炭素排出量をさらに減らすには水素還元製鉄、二酸化炭素回収・貯留(CCUS)などの未来技術が必要だが、2030年までに商用化できるかは未知数だ。実際にこの10年間の公共研究機関の炭素中立関連技術の77%が商用化に失敗した。このほかに炭素排出が多い業種が経験する現実的困難も大きい。鉄鋼協会は「エネルギー効率はすでに世界最高水準で縮小手段がない」と懸念しており、石油化学やセメント業界も「政府目標に合わせるには生産量を減らすほかない」と訴えた。
こうした状況であるのに炭素中立委員会は「社会各界各層の意見取りまとめを経て結論を下した」と強調した。だが8日の原案会議当時、突然にそれまでの国家温室効果ガス縮小目標値(NDC)が既存の26.3%から40%に上がった背景に文大統領があるということを知らない人はない。文大統領が「国際社会に対する信義で40%以上はなければならないのではないか」と発言すると、わずか1カ月で目標値を大きく上げるアクセルを踏んだ。このため未来を左右する温室効果ガス縮小ロードマップに大統領の意志だけがあって方法はないという批判が出ているのだ。