大統領直属の2050炭素中立委員会がきのう2030年までに炭素総排出量を2018年比40%まで減らすことにした。このため再生可能エネルギー発電を徐々に拡大し2030年には30.2%まで割合を高める計画だ。文在寅(ムン・ジェイン)大統領はこの日の会議に参加し、「40%の縮小目標は韓国の強い意志と国際社会に対する責任意識を見せるもの。炭素中立は行ったことのない道だが、私たちが必ず行かなければならない道」と話した。
方向だけ見れば間違った話ではない。だが韓国政府が提示した年平均縮小率4.17%は欧州連合(EU)の1.98%よりはるかに高い急激な目標値だ。8日の原案発表時に議論となった電力システム変化と関連した具体的解決策は依然として抜けており、期待よりは心配が先に立つ。大きな負担を背負わなければならない企業は「競争力低下を防ぐための政策速度調節が必要だ」と反発している。現在より炭素排出量をさらに減らすには水素還元製鉄、二酸化炭素回収・貯留(CCUS)などの未来技術が必要だが、2030年までに商用化できるかは未知数だ。実際にこの10年間の公共研究機関の炭素中立関連技術の77%が商用化に失敗した。このほかに炭素排出が多い業種が経験する現実的困難も大きい。鉄鋼協会は「エネルギー効率はすでに世界最高水準で縮小手段がない」と懸念しており、石油化学やセメント業界も「政府目標に合わせるには生産量を減らすほかない」と訴えた。
こうした状況であるのに炭素中立委員会は「社会各界各層の意見取りまとめを経て結論を下した」と強調した。だが8日の原案会議当時、突然にそれまでの国家温室効果ガス縮小目標値(NDC)が既存の26.3%から40%に上がった背景に文大統領があるということを知らない人はない。文大統領が「国際社会に対する信義で40%以上はなければならないのではないか」と発言すると、わずか1カ月で目標値を大きく上げるアクセルを踏んだ。このため未来を左右する温室効果ガス縮小ロードマップに大統領の意志だけがあって方法はないという批判が出ているのだ。
個別の企業の負担とは別に国民が出さなければならない費用も大きな問題だ。国会立法調査処の試算によると、脱原発を前提とした炭素中立シナリオ通りならば今後30年間の電力生産費用累積損失は1067兆4000億ウォンに達する。比較的値段が安い化石燃料や原発の代わりに再生可能エネルギーの割合が大きくなり今後電気料金は上がるほかない。
フランスや英国など各国は炭素排出量縮小に向け相次いで既存の脱原発政策からUターンして原発投資に方向を変えた。各国首脳がこうした判断をしたのは原発が炭素中立へ進む現実的代案の上に、国民の負担を最小化できるからだ。状況が変われば政策を柔軟に修正するべきなのに脱原発ドグマに陥り国民に負担だけ背負わせており懸念される。
方向だけ見れば間違った話ではない。だが韓国政府が提示した年平均縮小率4.17%は欧州連合(EU)の1.98%よりはるかに高い急激な目標値だ。8日の原案発表時に議論となった電力システム変化と関連した具体的解決策は依然として抜けており、期待よりは心配が先に立つ。大きな負担を背負わなければならない企業は「競争力低下を防ぐための政策速度調節が必要だ」と反発している。現在より炭素排出量をさらに減らすには水素還元製鉄、二酸化炭素回収・貯留(CCUS)などの未来技術が必要だが、2030年までに商用化できるかは未知数だ。実際にこの10年間の公共研究機関の炭素中立関連技術の77%が商用化に失敗した。このほかに炭素排出が多い業種が経験する現実的困難も大きい。鉄鋼協会は「エネルギー効率はすでに世界最高水準で縮小手段がない」と懸念しており、石油化学やセメント業界も「政府目標に合わせるには生産量を減らすほかない」と訴えた。
こうした状況であるのに炭素中立委員会は「社会各界各層の意見取りまとめを経て結論を下した」と強調した。だが8日の原案会議当時、突然にそれまでの国家温室効果ガス縮小目標値(NDC)が既存の26.3%から40%に上がった背景に文大統領があるということを知らない人はない。文大統領が「国際社会に対する信義で40%以上はなければならないのではないか」と発言すると、わずか1カ月で目標値を大きく上げるアクセルを踏んだ。このため未来を左右する温室効果ガス縮小ロードマップに大統領の意志だけがあって方法はないという批判が出ているのだ。
個別の企業の負担とは別に国民が出さなければならない費用も大きな問題だ。国会立法調査処の試算によると、脱原発を前提とした炭素中立シナリオ通りならば今後30年間の電力生産費用累積損失は1067兆4000億ウォンに達する。比較的値段が安い化石燃料や原発の代わりに再生可能エネルギーの割合が大きくなり今後電気料金は上がるほかない。
フランスや英国など各国は炭素排出量縮小に向け相次いで既存の脱原発政策からUターンして原発投資に方向を変えた。各国首脳がこうした判断をしたのは原発が炭素中立へ進む現実的代案の上に、国民の負担を最小化できるからだ。状況が変われば政策を柔軟に修正するべきなのに脱原発ドグマに陥り国民に負担だけ背負わせており懸念される。
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