韓国政府が4日の南北通信線復元後に生じた関係改善の動力を失わないために終戦宣言の推進に拍車を加えている。終戦宣言の当事国の米国を説得しているが、終戦宣言をめぐる根本的な問題は解消できないまま現実性が低い要求ばかりを繰り返しているという懸念の声が出てくる。
◆慎重な米国に繰り返しアピール
韓国外交部によると、鄭義溶(チョン・ウィヨン)外交部長官は5日(現地時間)、仏パリでブリンケン米国務長官と略式会談を行い、終戦宣言の必要性を説得した。米国務省はこの日の会談について特に報道資料を出さず、ブリンケン長官のツイッターも鄭長官に会ったと短く言及しただけで、終戦宣言関連の内容はなかった。これに先立ち鄭長官は先月30日(現地時間)、米ワシントンポスト(WP)のインタビューでも、米国が北朝鮮との交渉に備えて提案する「具体的措置」を準備すべきだとし、その例として終戦宣言を挙げた。
このように外交部は、先月21日(現地時間)に文在寅(ムン・ジェイン)大統領が国連総会演説で韓米中朝終戦宣言を提案して以降、韓米協議が行われるたびに終戦宣言を議題にしている。先月30日(現地時間)にインドネシアで開催された韓米の北朝鮮核問題首席代表協議でも、魯圭悳(ノ・ギュドク)韓半島平和交渉本部長がソン・キム北朝鮮政策特別代表に韓国側の終戦宣言構想を「詳細に説明」し、キム代表は「緊密な意思疎通を継続することにした」と明らかにした。
◆終戦宣言の「拘束力」ジレンマ相変わらず
しかし文在寅政権が任期末に注力する「韓米中朝終戦宣言」には本質的なジレンマがあるという指摘だ。まず韓国は終戦宣言について「停戦体制に影響を与えない拘束力がない宣言」という立場だ。
李仁栄(イ・インヨン)統一部長官は欧州訪問前の先月29日、記者らに対し、終戦宣言について「経済的、軍事的、政治的な負担がない有用な措置」と説明した。これに先立ち文大統領も2018年9月、米FOXニュースのインタビューで「終戦宣言は政治的な宣言であり、いつでも取り消すことができる」と述べた。
しかし北朝鮮の立場は違う。北朝鮮の李泰成(イ・テソン)外務次官は先月24日の談話で、終戦宣言に関連し「関連国側がいかなる法的拘束力もない終戦宣言文を持って写真でも撮りながら儀礼行事をすることで朝鮮半島に平和が訪れるのなら、これほど望ましいことはない」と述べ、拘束力ない終戦宣言は受諾しないという立場を表した。
文在寅政権は2018年から板門店(パンムンジョム)宣言に明示された韓米朝3者または韓米中朝4者の終戦宣言を推進し、「北の非核化措置を担保することはできない」という懸念が提起されるたびに「いつでも戻すことができるので関係ない」という防御論理を展開した。
しかしこれは拘束力もなく可逆的な終戦宣言をなぜするのかという質問につながる。また政府はこのような終戦宣言が韓半島(朝鮮半島)の平和に具体的にどう作用するかについて明確な答えを提示できなかった。これに関連し、当事国の共感を得るのに力不足であるうえ、終戦宣言の名分自体に疑問が提起されるという指摘が相次いで提起された。
◆「制裁」固持の米国に揺さぶり?
北朝鮮が終戦宣言に条件を付けながらも関心を表し、韓国の説得が続く状況でも、米国は「韓米間で緊密に意思疎通する」という原則的な立場のほかには特別な反応を見せていない。北朝鮮との最小限の信頼構築措置として終戦宣言が必要だという韓国の論理とは違い、米国の立場では制裁の動力低下などかかる部分が少なくないという分析だ。
梨花女子大の朴元坤(パク・ウォンゴン)北朝鮮学科教授は「終戦を宣言する場合、北が米国の敵性国やテロ支援国になる名分が弱まり、米国の北制裁動力まで弱まりかねない」とし「これを憂慮した米国が慎重な態度を見せることで、韓中朝が推進する終戦宣言を妨害する格好として映りかねない」と指摘した。北朝鮮が8月に金与正(キム・ヨジョン)副部長の談話で、韓米連合訓練だけでなく在韓米軍の駐留まで問題にした状況で、終戦宣言は韓米同盟の根幹を揺さぶるという懸念も出ている。
外交関係者の間では、2018年までは終戦宣言が北朝鮮の初期段階の非核化に対する見返りとして検討されたが、最近はあたかも北朝鮮が韓国の態度変化を眺めながら出すカードのようになったという指摘もある。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は先月29日、最高人民会議の施政演説で、韓国に向けて「終戦宣言前に二重の態度、敵対視の観点と政策から先に撤回されるべきだ」と要求した。
◆慎重な米国に繰り返しアピール
韓国外交部によると、鄭義溶(チョン・ウィヨン)外交部長官は5日(現地時間)、仏パリでブリンケン米国務長官と略式会談を行い、終戦宣言の必要性を説得した。米国務省はこの日の会談について特に報道資料を出さず、ブリンケン長官のツイッターも鄭長官に会ったと短く言及しただけで、終戦宣言関連の内容はなかった。これに先立ち鄭長官は先月30日(現地時間)、米ワシントンポスト(WP)のインタビューでも、米国が北朝鮮との交渉に備えて提案する「具体的措置」を準備すべきだとし、その例として終戦宣言を挙げた。
このように外交部は、先月21日(現地時間)に文在寅(ムン・ジェイン)大統領が国連総会演説で韓米中朝終戦宣言を提案して以降、韓米協議が行われるたびに終戦宣言を議題にしている。先月30日(現地時間)にインドネシアで開催された韓米の北朝鮮核問題首席代表協議でも、魯圭悳(ノ・ギュドク)韓半島平和交渉本部長がソン・キム北朝鮮政策特別代表に韓国側の終戦宣言構想を「詳細に説明」し、キム代表は「緊密な意思疎通を継続することにした」と明らかにした。
◆終戦宣言の「拘束力」ジレンマ相変わらず
しかし文在寅政権が任期末に注力する「韓米中朝終戦宣言」には本質的なジレンマがあるという指摘だ。まず韓国は終戦宣言について「停戦体制に影響を与えない拘束力がない宣言」という立場だ。
李仁栄(イ・インヨン)統一部長官は欧州訪問前の先月29日、記者らに対し、終戦宣言について「経済的、軍事的、政治的な負担がない有用な措置」と説明した。これに先立ち文大統領も2018年9月、米FOXニュースのインタビューで「終戦宣言は政治的な宣言であり、いつでも取り消すことができる」と述べた。
しかし北朝鮮の立場は違う。北朝鮮の李泰成(イ・テソン)外務次官は先月24日の談話で、終戦宣言に関連し「関連国側がいかなる法的拘束力もない終戦宣言文を持って写真でも撮りながら儀礼行事をすることで朝鮮半島に平和が訪れるのなら、これほど望ましいことはない」と述べ、拘束力ない終戦宣言は受諾しないという立場を表した。
文在寅政権は2018年から板門店(パンムンジョム)宣言に明示された韓米朝3者または韓米中朝4者の終戦宣言を推進し、「北の非核化措置を担保することはできない」という懸念が提起されるたびに「いつでも戻すことができるので関係ない」という防御論理を展開した。
しかしこれは拘束力もなく可逆的な終戦宣言をなぜするのかという質問につながる。また政府はこのような終戦宣言が韓半島(朝鮮半島)の平和に具体的にどう作用するかについて明確な答えを提示できなかった。これに関連し、当事国の共感を得るのに力不足であるうえ、終戦宣言の名分自体に疑問が提起されるという指摘が相次いで提起された。
◆「制裁」固持の米国に揺さぶり?
北朝鮮が終戦宣言に条件を付けながらも関心を表し、韓国の説得が続く状況でも、米国は「韓米間で緊密に意思疎通する」という原則的な立場のほかには特別な反応を見せていない。北朝鮮との最小限の信頼構築措置として終戦宣言が必要だという韓国の論理とは違い、米国の立場では制裁の動力低下などかかる部分が少なくないという分析だ。
梨花女子大の朴元坤(パク・ウォンゴン)北朝鮮学科教授は「終戦を宣言する場合、北が米国の敵性国やテロ支援国になる名分が弱まり、米国の北制裁動力まで弱まりかねない」とし「これを憂慮した米国が慎重な態度を見せることで、韓中朝が推進する終戦宣言を妨害する格好として映りかねない」と指摘した。北朝鮮が8月に金与正(キム・ヨジョン)副部長の談話で、韓米連合訓練だけでなく在韓米軍の駐留まで問題にした状況で、終戦宣言は韓米同盟の根幹を揺さぶるという懸念も出ている。
外交関係者の間では、2018年までは終戦宣言が北朝鮮の初期段階の非核化に対する見返りとして検討されたが、最近はあたかも北朝鮮が韓国の態度変化を眺めながら出すカードのようになったという指摘もある。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は先月29日、最高人民会議の施政演説で、韓国に向けて「終戦宣言前に二重の態度、敵対視の観点と政策から先に撤回されるべきだ」と要求した。
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