3年間相変わらずだ。首脳会談が開かれるたびにA4用紙を持って台本を読むような姿が残念で「トランプの口、文在寅(ムン・ジェイン)のA4用紙」というコラムを書いた。「短い冒頭発言も覚えられなかったり、消化して発言できないのは問題だ。指導者の権威、信頼まで落としかねない」と指摘した。コラムが掲載されると、当時の金宜謙(キム・ウィギョム)青瓦台(チョンワデ、大統領府)報道官は強く反論した。大きく3つの主張だった。「『私はがこれほど準備を徹底してきた』という誠意の表示だ」「文大統領の権威と資質でここまできた」「文大統領は司法研修院を次席で卒業した」。あきれたが、今後は努力はするだろうと信じた。しかし甘い期待だった。最近、国連でのジョンソン英首相、グエン・スアン・フック・ベトナム国家主席との会談の場面は海外メディア、ユーチューブにも流れた。「今日の首脳会談をきっかけに両国の友好協力関係がより一層発展することを望む」「年初の全党大会で国家主席に選出されたことを祝う」などの内容もA4用紙を見て読むのを見て悟った。「本当に変わらない大統領」だと。
変わらないのはそれだけではない。まずは北朝鮮に対する果てしない求愛。文大統領は今回の国連総会で終戦宣言を提案した。2018年、2020年に続いて3回目だ。「平和交渉の入口」という一貫した主張だ。しかし北朝鮮との非核化交渉相手国の米国は終戦宣言を入口として設定していない。こちらもハノイノーディール以降、一貫している。接点がない。それでも文大統領は叫ぶ。
依然として「見たいもばかりを見る」姿にも驚く。北朝鮮が巡航ミサイルと弾道ミサイルで挑発を続け、国際原子力機関(IAEA)が「北朝鮮の核プログラムが戦力に進行している」と警告しても、最後まで「低強度の緊張」という。新たに開発した極超音速ミサイル「火星8型」を試験発射しても「遺憾」だけだ。北朝鮮の挑発は見ず、語らず、聞かない。一方、金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長の「前向きな談話」一言には喜ぶ。敵対視政策の撤回、制裁の緩和など「条件付き」であっても「後ろの言葉」だけを見て歓呼する。いつから、金与正副部長の談話に「米国産オウム」「醜態」「愚蒙きわまりない」などの暴言さえなければ、それが「意味のある談話」「良い信号」と解釈されるようになったのだろうか。外交の大家ヘンリー・キッシンジャーは「指導者がやるべきことは自身の理想と国家が置かれた現実の間に橋をかけること」といった。冷厳な真理だ。振り返ってみよう。4年半の間、対北、対日、対米外交に一つでも「文在寅の橋」があっただろうか。
文大統領の今回のニューヨーク外交は「防弾外交」だった。そばにはいつもBTS(防弾少年団)がいた。任期中はずっとBTSを活用した。BTSは誠実で気の毒だ。これとほぼ同じ時期、ワシントンでは歴史的な「価値外交」の大きな行事があった。クアッド(Quad)4カ国(日米豪印)首脳が初めて集まった。公開的には言えないが「対中国牽制」協議体だ。非同盟国のインドが同盟国の韓国の席を占めた。協力分野は先端技術から宇宙分野まで網羅する。会合も毎年定期化した。ニューヨークにまで行った文大統領には会わず、1週間後には首相を退任する菅首相には「どうかワシントンを訪問してほしい」と呼びかけたバイデン米大統領の意中は何か。アフガニスタンからの米軍撤収で苦境に立たされたバイデン大統領としては、新同盟クアッドの団結誇示が重要であり、態度一つ変わらない北朝鮮との対話、相変わらず別の声を出す韓国の終戦宣言提案に目を向ける余裕などはないはずだ。文大統領が立つ場所はワシントンだった。
中国を意識する文在寅政権はその間「クアッド参加の提案を受けたことはない」という口実で距離を置いてきた。ところがこの言葉が本当に現実になるようだ。韓国の外交長官という者が「中国の攻勢外交は自然だ」という言葉を公開的に繰り返し、中国の国営環球時報がこれを絶賛する状況であるからだ。外交的センスなし、厚かましさも本当に変わらない。
金玄基(キム・ヒョンギ)/東京総局長/巡回特派員
変わらないのはそれだけではない。まずは北朝鮮に対する果てしない求愛。文大統領は今回の国連総会で終戦宣言を提案した。2018年、2020年に続いて3回目だ。「平和交渉の入口」という一貫した主張だ。しかし北朝鮮との非核化交渉相手国の米国は終戦宣言を入口として設定していない。こちらもハノイノーディール以降、一貫している。接点がない。それでも文大統領は叫ぶ。
依然として「見たいもばかりを見る」姿にも驚く。北朝鮮が巡航ミサイルと弾道ミサイルで挑発を続け、国際原子力機関(IAEA)が「北朝鮮の核プログラムが戦力に進行している」と警告しても、最後まで「低強度の緊張」という。新たに開発した極超音速ミサイル「火星8型」を試験発射しても「遺憾」だけだ。北朝鮮の挑発は見ず、語らず、聞かない。一方、金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長の「前向きな談話」一言には喜ぶ。敵対視政策の撤回、制裁の緩和など「条件付き」であっても「後ろの言葉」だけを見て歓呼する。いつから、金与正副部長の談話に「米国産オウム」「醜態」「愚蒙きわまりない」などの暴言さえなければ、それが「意味のある談話」「良い信号」と解釈されるようになったのだろうか。外交の大家ヘンリー・キッシンジャーは「指導者がやるべきことは自身の理想と国家が置かれた現実の間に橋をかけること」といった。冷厳な真理だ。振り返ってみよう。4年半の間、対北、対日、対米外交に一つでも「文在寅の橋」があっただろうか。
文大統領の今回のニューヨーク外交は「防弾外交」だった。そばにはいつもBTS(防弾少年団)がいた。任期中はずっとBTSを活用した。BTSは誠実で気の毒だ。これとほぼ同じ時期、ワシントンでは歴史的な「価値外交」の大きな行事があった。クアッド(Quad)4カ国(日米豪印)首脳が初めて集まった。公開的には言えないが「対中国牽制」協議体だ。非同盟国のインドが同盟国の韓国の席を占めた。協力分野は先端技術から宇宙分野まで網羅する。会合も毎年定期化した。ニューヨークにまで行った文大統領には会わず、1週間後には首相を退任する菅首相には「どうかワシントンを訪問してほしい」と呼びかけたバイデン米大統領の意中は何か。アフガニスタンからの米軍撤収で苦境に立たされたバイデン大統領としては、新同盟クアッドの団結誇示が重要であり、態度一つ変わらない北朝鮮との対話、相変わらず別の声を出す韓国の終戦宣言提案に目を向ける余裕などはないはずだ。文大統領が立つ場所はワシントンだった。
中国を意識する文在寅政権はその間「クアッド参加の提案を受けたことはない」という口実で距離を置いてきた。ところがこの言葉が本当に現実になるようだ。韓国の外交長官という者が「中国の攻勢外交は自然だ」という言葉を公開的に繰り返し、中国の国営環球時報がこれを絶賛する状況であるからだ。外交的センスなし、厚かましさも本当に変わらない。
金玄基(キム・ヒョンギ)/東京総局長/巡回特派員
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