国際オリンピック(五輪)委員会(IOC)が8日(現地時間)、北朝鮮に対して来年末まで資格停止処分を下したのは事実上、対北朝鮮制裁の意味合いを持つ。資格停止になれば、来年2月に中国で開催予定の北京冬季五輪に参加することができないばかりか、IOCが各加盟国に支給する支援金も受け取ることができなくなるためだ。正確な金額については、IOCは口を閉ざしているが、IOC内外の事情に明るい関係者は匿名を前提に、9日、中央日報に「数百万ドル(数億円)にはなるだろう」とし「平壌(ピョンヤン)の立場としては、北京五輪に参加するかどうかよりも、支援金を受け取れないことの方が痛手」と指摘した。AP・ロイターなどのIOC専門記者は「IOCが北朝鮮に数百万ドルを没収(forfeit)したことになる」と表現した。来年3月の大統領選挙の直前に開催される北京五輪を南北和合のきっかけにしようとしていた韓国内の一部の雰囲気にも水を差した。
IOCがこのような強硬な決定を下したのは、数カ月間、北朝鮮に対する「不敬罪」の意味合いが強い。その発端の1つは、韓国政府が火をつけた2032年夏季五輪の南北共同開催だったという。韓国政府の意思を伝えられたIOCが北朝鮮側に数回意思を打診したが、北朝鮮は返答なしで一貫している。米国のIOC消息筋は中央日報に「『スポーツを通した平和』というのは、五輪精神の主要な柱だけに、IOCも開かれた姿勢で検討したと聞いている」と伝えた。そんなIOCに北朝鮮が無視戦略を使い、怒りを招いたわけだ。2032年の五輪開催地は、オーストラリア・ブリスベンに確定した。これに加え、IOCが内外で多様なリスクに耐えながら開催した東京五輪にも、北朝鮮が無断で選手団を送らないと一方的に決定・通知したことが決定打だった。
今回の決定をIOCが発表した方法も注目に値する。トーマス・バッハIOC会長本人が直接公表したためだ。決定を下したのはIOC執行委員会(EB)だが、バッハ会長本人が自らその結果を会見した。IOCの最高意思決定機関に当たるEBの後には、当然記者会見が伴うが、会長が直接詳しく回答をするという保証はない。しかし、バッハ会長は、関連の質問に直接マイクを取って答えた。会長は、スイス・ローザンヌの本部で開いたオンライン記者会見で、「北朝鮮の五輪委員会が、東京五輪に一方的に選手団を送らなかった」とし「来年末まで財政的支援も受けることができず、これまでの制裁により保留された(金銭的)支援を受けることができるかも不明」と説明した。
これはバッハ会長の憤怒を反映している。ドイツ出身で統一を自ら経験して成長したバッハ会長は、南北和合の波及力をよく知っている。会長自身も、南北和合のためにIOC委員時代から活躍した。記者との2014年のインタビューで、「2000年のシドニー夏季五輪の開会式で、南北共同の立場を成就させるために平壌を訪問したことが、特に記憶に残っている」と語った。
会長当選後の2018年の平昌(ピョンチャン)冬季五輪開催直後の3月29日にも平壌を訪問し、金正恩労働党委員長に会った。バッハ会長と金正恩委員長が明るい笑顔で握手する写真は、北朝鮮官営メディアも大きく報じた。平和の伝道師だったバッハ会長が北朝鮮に対して、今度は警告状をつきつけたわけだ。バッハ会長だけでない。IOCの事情に明るい米国の消息筋は「一部のIOC委員や関係者も腹に据えかねていることを隠さないと聞いた」と伝えた。
しかし、手練れの戦略家であるバッハ会長は、別の可能性を示唆した。会長は記者会見で「資格のある選手に限り、来年の北京五輪に個人的に出場可能かどうかは、今後決定する可能性がある」と述べた。北朝鮮の言動を見て、扉を開く可能性があると暗に伝えている。しかし、本格的に南北単一チームを構成したり、統一旗を掲げて南北共同開催するなどの場面は期待し難いというのが現在としての評価だ。
IOCがこのような強硬な決定を下したのは、数カ月間、北朝鮮に対する「不敬罪」の意味合いが強い。その発端の1つは、韓国政府が火をつけた2032年夏季五輪の南北共同開催だったという。韓国政府の意思を伝えられたIOCが北朝鮮側に数回意思を打診したが、北朝鮮は返答なしで一貫している。米国のIOC消息筋は中央日報に「『スポーツを通した平和』というのは、五輪精神の主要な柱だけに、IOCも開かれた姿勢で検討したと聞いている」と伝えた。そんなIOCに北朝鮮が無視戦略を使い、怒りを招いたわけだ。2032年の五輪開催地は、オーストラリア・ブリスベンに確定した。これに加え、IOCが内外で多様なリスクに耐えながら開催した東京五輪にも、北朝鮮が無断で選手団を送らないと一方的に決定・通知したことが決定打だった。
今回の決定をIOCが発表した方法も注目に値する。トーマス・バッハIOC会長本人が直接公表したためだ。決定を下したのはIOC執行委員会(EB)だが、バッハ会長本人が自らその結果を会見した。IOCの最高意思決定機関に当たるEBの後には、当然記者会見が伴うが、会長が直接詳しく回答をするという保証はない。しかし、バッハ会長は、関連の質問に直接マイクを取って答えた。会長は、スイス・ローザンヌの本部で開いたオンライン記者会見で、「北朝鮮の五輪委員会が、東京五輪に一方的に選手団を送らなかった」とし「来年末まで財政的支援も受けることができず、これまでの制裁により保留された(金銭的)支援を受けることができるかも不明」と説明した。
これはバッハ会長の憤怒を反映している。ドイツ出身で統一を自ら経験して成長したバッハ会長は、南北和合の波及力をよく知っている。会長自身も、南北和合のためにIOC委員時代から活躍した。記者との2014年のインタビューで、「2000年のシドニー夏季五輪の開会式で、南北共同の立場を成就させるために平壌を訪問したことが、特に記憶に残っている」と語った。
会長当選後の2018年の平昌(ピョンチャン)冬季五輪開催直後の3月29日にも平壌を訪問し、金正恩労働党委員長に会った。バッハ会長と金正恩委員長が明るい笑顔で握手する写真は、北朝鮮官営メディアも大きく報じた。平和の伝道師だったバッハ会長が北朝鮮に対して、今度は警告状をつきつけたわけだ。バッハ会長だけでない。IOCの事情に明るい米国の消息筋は「一部のIOC委員や関係者も腹に据えかねていることを隠さないと聞いた」と伝えた。
しかし、手練れの戦略家であるバッハ会長は、別の可能性を示唆した。会長は記者会見で「資格のある選手に限り、来年の北京五輪に個人的に出場可能かどうかは、今後決定する可能性がある」と述べた。北朝鮮の言動を見て、扉を開く可能性があると暗に伝えている。しかし、本格的に南北単一チームを構成したり、統一旗を掲げて南北共同開催するなどの場面は期待し難いというのが現在としての評価だ。
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