英国で人を新型コロナウイルス感染症（新型肺炎）に故意に感染させた後に観察する人体実験の初期結果が近く発表される見通しだ。

６日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル（ＷＳＪ）によると、関連の実験を担当している英国研究陣は今秋に査読（相互評価）を経て実験の初期結果を発表したいとしている。インペリアル・カレッジ・ロンドンの研究陣、英国オックスフォード大学、政府指定ワクチンタスクフォース（ＴＦ）関係者らが昨年４月から実験を計画してきた。

実験参加者は１８～３０歳の年齢帯で５０人ほどに達する。彼らは鼻の穴にコロナウイルスを入れる方法を通じて故意感染した。実験参加者は英国の生活賃金などを基準に報奨を受け取る予定で、一部参加者は１年間の追加検査および並行研究などを受けることに対する報奨として６０００ポンド（約９１万円）が支払われると明らかにした。


一部参加者は隔離中に体験した身体状態などを記録した。この参加者は「科学者が感染病の研究を進めるために助けになればと思って実験に志願した」とし「大流行が近く終息するために役立つことを願う」と明らかにした。研究陣は今回の実験を通じて新型コロナ感染初期人体内でどのようなことが起こり、感染者にどのような影響を与えるのか等を明らかにできることを期待しているとＷＳＪは伝えた。あわせて研究陣はこの実験が新しいワクチン・治療剤開発および大流行の対応に役立つとみている。

ただし、今回の実験が適切かどうかをめぐり英国内外から批判もあった。実験参加者に重症状態が現れた場合、これを確実に治療する方法がないという理由からだ。

英国当局と研究陣は現在まで深刻な問題は発生しておらず、高度で統制された状況で実験が行われているという立場だ。長期的な後遺症「ロングコービッド（ｌｏｎｇ　ＣＯＶＩＤ）」の恐れがあるが、実験参加者の年齢帯が若年層であるため数カ月内に症状が消えるというのが研究陣側説明だ。

英国ワクチンＴＦの元諮問委員は「統計によると、人体実験は安全に行われる可能性がある」と説明した。英国保健省側関係者もＷＳＪに対して「実験は安全で、統制された環境で行われている」と明らかにした。