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北朝鮮、九龍江の水を原子炉に利用…寧辺冷却塔爆破は「ショー」だった

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
北朝鮮は2008年6月、当時の米国務省のソン・キム韓国課長(現米国北朝鮮担当特別代表)らが現場で見守る中、寧辺(ヨンビョン)核施設冷却塔を爆破した。北朝鮮の非核化の意志を見せる象徴的な措置として国際社会に伝えられた。

しかし国際原子力機関(IAEA)が27日(現地時間)に公開した北朝鮮核動向報告書によると、寧辺の5メガワット原子炉は稼働の兆候がみられる。冷却塔がないからといって原子炉が不能化したわけではない。

報告書は「7月初めから原子炉の冷却水放出などのいくつか兆候が確認された」と指摘した。北朝鮮が2018年12月から稼働を停止していたプルトニウム原子炉の稼働を再開したと評価した根拠だ。


冷却塔は原子炉で核分裂時に発生した熱を冷ます装置。原子炉稼働の核心機能をする。冷却塔から蒸気が出れば原子炉稼働の「証拠」とみる。

北朝鮮は1994年のジュネーブ基本合意で寧辺核施設の稼働を中断することにした。米国は人工衛星で冷却塔の蒸気を監視し、北朝鮮が合意を履行するかどうかを確認した。当時を記憶する元当局者によると、北朝鮮は乾いた紙を燃やして煙を出し、原子炉を稼働中のように見せかけることもあった。

しかし冷却塔がなくても原子炉を稼働することは可能だ。北朝鮮は非核化交渉が難航すると、直ちに再稼働に入った。冷却塔がなくても川の水で原子炉を冷ます施設をすでに備えた状態だった。

◆冷却塔なくても稼働可能

2019年7月、オーリ・ハイノネン元IAEA事務次長はボイス・オブ・アメリカ(VOA)のインタビューで「北朝鮮が2007年にシリアに建設した原子炉は近隣の川の水を引いて冷却する方式であり、冷却塔は必要ない。その直後に北朝鮮の原子炉も核施設近隣の九龍江(クリョンガン)水を引いて使用することになった」と説明した。

すなわち「冷却塔爆破=原子炉無能力化」ではなかったことを意味する。それでも「行動対行動」原則に基づき、同年10月に米国が北朝鮮をテロ支援国から解除するきっかけになった。

冷却塔を爆破した北朝鮮は翌年4月、長距離ミサイル発射に対する国連安保理の制裁決定に反発し、「再処理施設無能力化の原状復旧および使用済み核燃料棒再処理」を始めると公式発表した。

2018年5月の豊渓里(プンゲリ)核実験場爆破をめぐっては「第2の冷却塔になるかもしれない」という懸念が出てきた。これに先立ち4月27日の板門店(パンムンジョム)南北首脳会談の合意を受け、北朝鮮は豊渓里核実験場の観測所と坑道を爆破した。2006年10月から17年9月まで計6回の核実験をしたところだ。

しかし豊渓里の坑道がどれほどの深さまで破壊されたかは確認されなかった。別の核実験場が存在する可能性もある。ハイノネン元事務次長はVOAのインタビューで冷却塔の事例に言及し、「第2の核実験場が用意されている可能性がある」と指摘した。



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