釜山大がチョ・グク元法務部長官の娘チョ・ミン氏に対して医学専門大学院入学取り消し決定を出した。これを受け、チョ氏は医師免許も剥奪される可能性が高まった。しかし最終決定に数カ月かかるうえ、チョ氏側が訴訟で対抗する可能性が高く、免許取り消しに関する決定までには相当な時間が必要とみられる。

釜山大は２４日、記者会見を開き、「チョ氏の医学専門大学院入学を取り消す」と発表した。釜山大のパク・ホンウォン教育副総長は「２０１５学年度医学専門大学院新入生募集要綱で記載事項と提出書類が異なれば不合格処理することになっているが、チョ氏が提出した（医学専門大学院新入生募集関連）書類の記載事項は事実と異なる。募集要綱は当時の高等教育法と学則により学生が遵守しなければならなかったし、釜山大はこれを尊重する必要がある」と述べた。

チョ氏が釜山大入学当時に提出した経歴証明書と自己紹介書が虚偽書類だったということだ。これに先立ち裁判所はチョ氏の母・鄭慶心（チョン・ギョンシム）東洋大教授の入試不正関連の１審と控訴審でともに「チョ氏が大学入学過程で提出した書類は虚偽」と判決した。


◆高麗大もチョ・ミン入学取り消し検討…医師免許は福祉部が決定

該当書類は▼ソウル大公益人権法センターインターン確認書▼東洋大総長表彰状▼韓国科学技術研究院（ＫＩＳＴ）インターン確認書▼公州大生命工学研究所インターン確認書▼檀国大医科学研究所インターン確認書などの７件。

「大法院（最高裁）判決後に措置を取る」という当初の立場を変えたことについて、パク副総長は「事実審の最終審である控訴審判決を根拠に行政処分をしても『無罪推定の原則』を尊重しないのではないと考える」と明らかにした。続いて「最高裁などで鄭教授に対する判断が変わる場合には今回の処分の結果も変わる可能性がある」と明らかにした。

これに先立ち４カ月間にわたりチョ氏の入学疑惑を調査した入学選考公正管理委員会は「チョ氏が提出した虚偽書類は主な合格要因ではない」という留保的な判断を出した後、大学本部に入学を取り消すかどうかの決定を委任した。車正仁（チャ・ジョンイン）釜山大総長は新入生募集要綱に基づき学則遵守が優先視されるべきだという判断から入学取り消し決定を出した。

ただ、釜山大は２０１５年当時にチョ氏の合格により不合格となった人を救済することはできないと明らかにした。パク副総長は「チョ氏によって誰が最終的に脱落したかは根拠がない」とし「今回の決定で当時の医学専門大学院入試を受けた誰かを救済することはない」と伝えた。

チョ氏の出身大学の高麗大も入学取り消し処理手続きに着手した。高麗大の関係者はこの日、「学事運営規定に基づき入学取り消し処理審議委員会が構成された」とし「今後、追加の進行状況などを案内する予定」と明らかにした。

チョ氏の医学専門大学院入学が取り消しになるとしても、すでに取得した医師免許の効力が自動的に喪失されるわけではない。免許を出した福祉部が免許取り消し行政処分をしなければいけない。釜山大医学専門大学院への入学が最終的に取り消しになれば医学専門大学院卒業も無効になるため、これは医師免許取り消し事由に該当する。

保健福祉部の関係者はこの日、「釜山大で医学専門大学院入学取り消し公文書が出れば、チョ氏の医師免許取り消し手続きに入る予定」とし「入学取り消し時に医師になるために必要な要件の一つである医学学士や医学修士の資格の喪失という重大な欠陥が生じるため、医師免許取り消し事由に該当する」と述べた。

福祉部は釜山大から公文書を受ければチョ氏に免許取り消しを事前通知し、３週以内に本人の意見を聴取する。これが終われば免許取り消し処分が可能だ。免許取り消しが決定すれば、関連公文書がチョ氏がインターンで働くハンイル病院と修練医師（インターン・レジデント）を管理する大韓病院協会に送られるが、チョ氏はこの時から医療行為ができなくなる。

ただ、手続きがすべて完了するには相当な時間がかかると予想される。釜山大はチョ氏に今回の処分結果を通知し、聴聞手続きを踏んだ後、最終処分決定を出すために２、３カ月ほど必要で、福祉部の免許取り消し処分にも追加で１、２カ月かかるとみられる。もちろんチョ氏が釜山大や福祉部を相手に入学取り消し処分や免許取り消し処分に対する執行停止（仮処分）申請を提起して受け入れられる場合、本案訴訟の結果が出るまで医師の免許を維持することになる。法曹界の関係者は「行政訴訟は結果が出るまで２、３年かかることもある」と話した。

チョ元長官はこの日、フェイスブックに「親父として苦痛だ。最終決定が出る前に予定された聴聞手続きで忠実に釈明する」と明らかにした。