「我々は、新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)の危機も、どの先進国より安定的に克服している。ワクチン接種も目標に近づいている。10月には、全国民の70%が2次接種まで完了する見通しで、目標接種率を更に高めるつもりだ」
文在寅(ムン・ジェイン)大統領の15日の「第76周年光復節(解放記念日)」祝辞の一部だ。文大統領は新型コロナ防疫状況の自己評価とワクチン接種のバラ色の展望を示した。専門家らは苦言を呈した。大統領の演説が、40日連続で4桁の感染者を記録し、第4波が続いている現実とかけ離れた認識を示したためだ。特に新型コロナ克服は、大きく分けて防疫とワクチン接種の2つとみなすことができるが、ワクチン接種率が遅々として進まないのに加え、これまでよく耐えてきた防疫さえも揺らいだため、危機に直面したと指摘した。
これまで有効だった「K防疫」守則は、6月末から揺るぎ始めた。翰林(ハルリム)大学聖心(ソンシム)病院呼吸器内科の鄭ギ碩(チョン・ギソク)教授は、デルタ株が国内で拡散し始めた7月、緩和した社会的距離確保改編案を適用したのが問題だったと分析した。鄭教授は「改正案には、多重利用施設に対する制裁が抜けているが、政府が第4波の状況にも関わらず、これをそのまま適用し、穴が開き始めた」と述べた。
ワクチン接種状況はさらに良くない。主要先進国は接種完了率がいずれも50%前後に達している。イスラエルは62.3%、英国57.8%、ドイツ54.1%、米国49.7%なのに対し、韓国は15.1%に過ぎない。
これに対し、文大統領はこの日、従来よりも1カ月前倒しした「10月以内に国民の70%2次接種完了」の目標を発表したが、実現できるかは疑問だ。現在1次接種を完了した人々がすべて10月中に2次接種を完了すると仮定すると、まず2222万人が接種を終えることになる。国民の70%の3600万人まで、更に1378万人以上打たなければならない。2回接種を前提に2カ月半の間、毎日36万人以上が打てば可能となる数値だ。
専門家は、ワクチンさえあれば一日に36万人ずつ接種するのは難しくないと説明する。問題は、ワクチンの導入量と接種同意率だ。嘉泉(カチョン)大学医学部予防医学科のチョン・ジェフン教授は「接種の目標を前倒しすることができればいいが、これを左右するのは外部的な要因だ。つまり、ワクチン供給状況にかかっているが、少し不安定な状況」と述べた。
実際、下半期に主要ワクチンのモデルナの需給遅延が続き、不確実性が高まっている。モデルナの8月供給量(850万回)は半減したが、9~10月の物量もはっきりしない状況だ。主要先進国がブースターショット(追加接種)に始動をかけるのもワクチン需給に不利になっている。イスラエル、英国、ドイツではすでにブースターショットを公式に導入し、米疾病管理予防センター(CDC)は13日、最初のブースターショットの承認手続きを終えた。ワクチン物量が不足している韓国は未だブースターショット接種の対象と時期を検討する段階だ。
下半期の主な接種対象者となる18~49歳の年齢層の接種同意率を引き上げることも重要だ。これらを対象に、9日から「10部制」で事前予約を行っているが、生年月日の最後の数字が9、0、1、2、3の人の中間集計予約率は60.4%に過ぎない。
高麗(コリョ)大学九老(クロ)病院感染内科の金宇柱(キム・ウジュ)教授は「デルタ株のため、人口の70%が接種完了しても集団免疫の形成が難しいというのは続けて台頭してきた問題」とし「政府が現実の状況を反映せず、年初に計画した数値にばかりこだわるのを疑問に思う」と述べた。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領の15日の「第76周年光復節(解放記念日)」祝辞の一部だ。文大統領は新型コロナ防疫状況の自己評価とワクチン接種のバラ色の展望を示した。専門家らは苦言を呈した。大統領の演説が、40日連続で4桁の感染者を記録し、第4波が続いている現実とかけ離れた認識を示したためだ。特に新型コロナ克服は、大きく分けて防疫とワクチン接種の2つとみなすことができるが、ワクチン接種率が遅々として進まないのに加え、これまでよく耐えてきた防疫さえも揺らいだため、危機に直面したと指摘した。
これまで有効だった「K防疫」守則は、6月末から揺るぎ始めた。翰林(ハルリム)大学聖心(ソンシム)病院呼吸器内科の鄭ギ碩(チョン・ギソク)教授は、デルタ株が国内で拡散し始めた7月、緩和した社会的距離確保改編案を適用したのが問題だったと分析した。鄭教授は「改正案には、多重利用施設に対する制裁が抜けているが、政府が第4波の状況にも関わらず、これをそのまま適用し、穴が開き始めた」と述べた。
ワクチン接種状況はさらに良くない。主要先進国は接種完了率がいずれも50%前後に達している。イスラエルは62.3%、英国57.8%、ドイツ54.1%、米国49.7%なのに対し、韓国は15.1%に過ぎない。
これに対し、文大統領はこの日、従来よりも1カ月前倒しした「10月以内に国民の70%2次接種完了」の目標を発表したが、実現できるかは疑問だ。現在1次接種を完了した人々がすべて10月中に2次接種を完了すると仮定すると、まず2222万人が接種を終えることになる。国民の70%の3600万人まで、更に1378万人以上打たなければならない。2回接種を前提に2カ月半の間、毎日36万人以上が打てば可能となる数値だ。
専門家は、ワクチンさえあれば一日に36万人ずつ接種するのは難しくないと説明する。問題は、ワクチンの導入量と接種同意率だ。嘉泉(カチョン)大学医学部予防医学科のチョン・ジェフン教授は「接種の目標を前倒しすることができればいいが、これを左右するのは外部的な要因だ。つまり、ワクチン供給状況にかかっているが、少し不安定な状況」と述べた。
実際、下半期に主要ワクチンのモデルナの需給遅延が続き、不確実性が高まっている。モデルナの8月供給量(850万回)は半減したが、9~10月の物量もはっきりしない状況だ。主要先進国がブースターショット(追加接種)に始動をかけるのもワクチン需給に不利になっている。イスラエル、英国、ドイツではすでにブースターショットを公式に導入し、米疾病管理予防センター(CDC)は13日、最初のブースターショットの承認手続きを終えた。ワクチン物量が不足している韓国は未だブースターショット接種の対象と時期を検討する段階だ。
下半期の主な接種対象者となる18~49歳の年齢層の接種同意率を引き上げることも重要だ。これらを対象に、9日から「10部制」で事前予約を行っているが、生年月日の最後の数字が9、0、1、2、3の人の中間集計予約率は60.4%に過ぎない。
高麗(コリョ)大学九老(クロ)病院感染内科の金宇柱(キム・ウジュ)教授は「デルタ株のため、人口の70%が接種完了しても集団免疫の形成が難しいというのは続けて台頭してきた問題」とし「政府が現実の状況を反映せず、年初に計画した数値にばかりこだわるのを疑問に思う」と述べた。
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