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【社説】故障した防疫とワクチン戦略、大手術する時だ=韓国

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版
新型コロナウイルスの韓国の新規感染者が初めて2000人を突破し、防疫とワクチン戦略を全面再検討しなければならないという声が大きくなっている。昨年1月にコロナ流行が始まってから先月までも距離確保と防疫を徹底的に履行しワクチン接種にスピードを出せばコロナ危機を終息させられるという期待があったのは事実だ。だがデルタ株が羽を伸ばし既存の対策の限界が明確に現れている。期待を集めた集団免疫も事実上不可能になったと専門家らが口をそろえる状況だ。既存の戦略の大手術が避けられなくなったのに韓国政府は1回目の接種率が70%を超える9月末にでも防疫体系転換議論が可能だという立場だ。

これまで防疫とワクチンはコロナ流行に対応する有効な2つの車輪だった。だがいまは両輪ともにパンクした状態だ。パンクを単純にふさぐだけなのか、タイヤそのものを交換するのか、もう選択を真剣に悩む時期がきた。これまで防疫は検査・追跡・治療(Test、Trace、Treat)の3T体制でそれなりにうまく回ってきた。

いまは感染力と感染速度が2~3倍高いデルタ株が優勢な種となり局面が大きく変わった。距離確保を最も高い第4段階に上げても韓国の感染者は1カ月以上1000人以上発生し、ついに2000人を突破した。こうしたことでは5000人にまでなるという見通しもある。午後6時以降の3人以上の私的な会合禁止というショック療法は大きな効果が出ていない。もう防疫は単純に感染者を減らす次元を超え重症患者治療と死亡者を減らすことに集中する方向に進まなければならないという指摘が出る。


ワクチンが「ゲームチェンジャー」になれるという期待も揺らいでいる。ワクチン生産国の米国や英国をはじめ、高い接種率を見せたイスラエルのような国でもワクチン接種後に感染するブレイクスルー感染事例が急増している。ワクチン確保戦略失敗で最初のボタンから掛け違えていた韓国はワクチン供給の支障が続き経済協力開発機構(OECD)38カ国でワクチン接種率最下位という暗澹とした境遇に置かれた。ワクチンが不足するほど高齢者と重症疾患者の2回目の接種を速やかに終えて死亡者を減らすことが急務なのに、韓国政府は依然として1回目の接種率拡大に執着している。

このようにコロナパンデミックの大きな構図が変わったのに文在寅(ムン・ジェイン)政権は先制的対応はさておき目の前の変化にも迅速について行けずにいる。外信報道によるとアストラゼネカのワクチン臨床試験を先導した英オックスフォード大学のアンドリュー・ポラード教授は、集団免疫は不可能だと警告した。新型感染症中央臨床委員長を務めたソウル大学医学部のオ・ミョンドン教授ら韓国の感染症権威も集団免疫が不可能だと口をそろえる。専門家らはパンデミックで始まった新型コロナウイルスがマラリアやデング熱のような風土病のように終息せず周期的に流行を継続するエンデミックになるかもしれないとみる。この場合、いやでも「ウィズコロナ戦略」を検討するほかなくみえる。

それでも政府は自画自賛してきた「K防疫」を固守している。専門家らの苦言には耳を閉ざして自己合理化に陥っているようだ。ワクチン政策も失敗を認めて改善策を設けようとする動きを見せない。こうした閉じられた態度ではコロナを「太く短く」終わらせることはできない。むしろ専門家の懸念のように「太く長く」苦痛が続くほかないだろう。

第4波は8月末~9月初めが最大の曲がり角になる見通しだ。こうした渦中に民主労総とチョン・グァンフン牧師をはじめとする一部キリスト教団体が8月15日の光復節に大規模都心集会を強行するという。感染拡大が懸念される。政府は新たな局面に入り込んだコロナパンデミック事態に革新的ニューノーマルで対応しなければならない。防疫とワクチン戦略を原点から見直して大手術しなければならない。



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