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【コラム】米中対決を見るある韓国人の不安感(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
そんな中国が主導する国際秩序は位階的な秩序だろう。一言で過去の19世紀以前の中華秩序のように、中心に中国があり周辺国は辺境で、上下の位置づけが明確になるだろう。民主主義覇権国と違い権威主義覇権国は相互協議やソフトパワーより直接的な威嚇を通じて相手国に強要する傾向が大きく、内政干渉を通じて民主主義政治体制を揺さぶることもしばしば起きるだろう。そうした兆しを私たちは中国指導層の発言や戦狼外交で目撃している。

ところが私たち韓国国民はすでに酸素のように民主主義を飲みながら生きることになって久しい。最近の反中感情が見せるように水平的外交関係に対する渇望も大きい国だ。また、中国が主導する覇権秩序で韓国と日本は地政学的にも孤立した島として残ることになるだろう。そのため中国の去就が私たちには不安なのだ。

3番目に、米中対決が及ぼす余波の深刻性を韓国の政治指導者はどれだけ切実に体感しているのかわからない。状況がこのように展開しているのに朴槿恵(パク・クネ)政権当時からこれまで韓国の外交が日本との対決という魔法にかかって抜けられなくなっている気がする。6~7年前にある外交官は私席で韓国外交のエネルギーの70%が日本と戦うのに消費されているようだと自嘲的に話したことがある。外交の大きな絵の中で激変する未来に対応した方略を執行するのに国家的エネルギーが使われず放電されている感じだ。もちろん原罪は日本にある。そのため国内の被害当事者のために日本に言う言葉は堂々としていなければならない。しかしそのスタイルは毅然とし、国際基準に合致し、戦略的でなければならない。それでこそ国際社会で日本を道徳的にも世論上で圧倒して貴重な政治資産とエネルギーを節約しもっと重要な未来アジェンダに投資できる。


いっそ日本との過熱した対決に注ぎ込んだエネルギーを対米外交を全面的に刷新するのに使ったとしたならどうだっただろうか? イスラエルや台湾の対米外交水準にアップグレードし米国を韓半島の平和定着にさらに積極的に引き込むためにだ。そうでなければインドのような潜在的大国との協力に投資し過度に高い対中経済依存度も低くして米中対決の否定的波及効果を相殺しようと努力したならば? 最後に私たち自らの姿が不安な理由がここにある。

尹永寛(ユン・ヨングァン)/ソウル大学名誉教授・ハーバード大学訪問教授


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