韓国で新型コロナウイルスワクチン接種との因果性が認められた初の心筋炎死亡事例が出て懸念が拡大している。専門家らはファイザーやモデルナなどmRNAワクチンを接種した後にまれに心筋炎や心嚢炎が現れることがあるが、ほとんどが軽微な状態ですぐに好転し、適時に治療すれば死亡に至る可能性は低いと説明する。
◇ファイザー製ワクチン接種6日後に死亡…「きわめて珍しい事例」
27日の疾病管理庁中央防疫対策本部によると、先月ファイザー製ワクチンを接種して6日後に死亡した20代の陸軍兵士の死因は心筋炎と確認された。韓国でワクチン接種により心筋炎が発生し死亡した初の事例だ。
心筋炎は心臓の筋肉に炎症ができたもので、心嚢炎とともにファイザーとモデルナなどmRNAの代表的副反応に挙げられる。発症はまれで、ほとんどが治療で改善することがわかっている。
ところがソウルにある陸軍部隊所属の20代将兵は先月7日にファイザー製ワクチンを打った6日後に胸の痛みと体調悪化の症状が現れ、その7時間後に意識と呼吸がない状態で見つかり心肺蘇生術を受けたが死亡した。当局と専門家は極めて異例だと説明する。
中央防疫対策本部のクォン・グンヨン異常反応調査チーム長は26日の会見で「通常心筋炎は数日内に左心室部位によく発生するが、解剖検査の所見では心房側に主に炎症があり神経伝達経路を炎症が侵犯することで不整脈とともに急性心臓死した事例」と話した。
◇「心筋炎始まった部位は異例」
全南(チョンナム)大学病院循環器内科のキム・ゲフン教授は、「心筋炎を疑い解剖したのではなく死因を把握するために解剖して心筋炎が診断された事例。主に左心室に異常が生じるがこの患者は珍しく心室伝導系部分に炎症ができた。心臓機能が悪化して死亡したのでなく、悪性不整脈ができて死亡したと推定される」と話した。彼は「軍にいたため症状などの表現がうまくできなかった可能性があり、そのためすでに手遅れの状態で、運悪く炎症が伝導系に至った。そうだとしても病院でモニターできていれば患者を見逃すことはなかったはずだが、悪性不整脈が出た後に措置されないまま死亡直前に発見されたようだ」と話した。通常の心筋炎と違い、開始部位が電気刺激を作り出す伝導系であり、このため悪性不整脈ができたがペースメーカーなどの治療がすぐにできず死亡に至ったという説明だ。
しかしこの事例は極めて異例な状況で、心筋炎・心嚢炎は通常致死率の面で大きく懸念する水準ではなく、ほとんどが特別な治療なく好転するというのがキム教授の説明だ。
キム教授は「心筋炎患者のうち10%ほどが進行が速い電撃性心筋炎に進み、その場合の死亡率は10~20%水準だが、電撃性心筋炎自体が珍しいため全心筋炎の死亡率は2%以内といえる。一般的に心筋炎で心臓機能が悪化しても治療すれば1~2週間で退院する。電撃性心筋炎になっても体外式膜型人工肺(ECMO)での治療で1~2週間で回復する」と話した。米国でも先月中旬までに約3億回の接種の中で1226件の心筋炎・心嚢炎が発生し、100万人当たり4人水準と報告されたが、大多数は治療後に好転したという。欧州医薬品庁(EMA)の分析でも死亡者5人はほとんどが高齢だったり基礎疾患があったものと調査された。
◇「胸が痛む時は心電図、心臓酵素検査」
ファイザーやモデルナ製のワクチン接種後には胸の痛みを注意深く見なければならない。通常接種から4日以内、16~24歳の男性で心筋炎・心嚢炎が頻発したと報告された。心嚢炎は胸の痛みが特徴的で、症状だけでも疑われる。mRNAワクチンを打って数日以内に息を深く吸ったり姿勢を変える時、せきをする時に痛みが激しければ心嚢炎のケースもあるため心電図検査を受けるのが良い。血液検査で炎症数値が高かったり聴診時に心嚢摩擦音を通じて診断したりもする。
胸の痛みに加え動悸や呼吸困難などまで現れれば心筋炎を疑わなければならない。心筋炎は血液検査でトロポニンの数値を確認し、これが増加していた時に疑われる。磁気共鳴映像(MRI)を撮影して最終診断を下す。キム教授は「心筋梗塞の時も酵素数値が上がるが、冠状動脈に問題なく若年層でワクチンを打ってからこうした症状が現れたとすれば心筋梗塞より心筋炎の可能性が大きいためMRIを撮影するべき」と話した。心嚢炎はそのままでも良くなるが、コルヒチン、アスピリン、イブプロフェンなどの薬を使えば早く好転する。韓国では基礎疾患がない20代の男性1人が先月29日にファイザー製ワクチンの2回目の接種から11時間後に胸の痛みが発生し、病院で心嚢炎の診断を受け治療し回復した例がある。
心筋炎の場合、心臓機能低下があるならばアンジオテンシン変換酵素阻害薬やベータ遮断薬などを使う。キム教授は「心筋炎はコロナウイルス自体でもかなり生じる。得失を考えれば若年層で多く発生するが頻度は珍しく、新型コロナウイルス感染時のリスクがはるかに大きいのでワクチンを打つことを勧告する」と話した。
◇ファイザー製ワクチン接種6日後に死亡…「きわめて珍しい事例」
27日の疾病管理庁中央防疫対策本部によると、先月ファイザー製ワクチンを接種して6日後に死亡した20代の陸軍兵士の死因は心筋炎と確認された。韓国でワクチン接種により心筋炎が発生し死亡した初の事例だ。
心筋炎は心臓の筋肉に炎症ができたもので、心嚢炎とともにファイザーとモデルナなどmRNAの代表的副反応に挙げられる。発症はまれで、ほとんどが治療で改善することがわかっている。
ところがソウルにある陸軍部隊所属の20代将兵は先月7日にファイザー製ワクチンを打った6日後に胸の痛みと体調悪化の症状が現れ、その7時間後に意識と呼吸がない状態で見つかり心肺蘇生術を受けたが死亡した。当局と専門家は極めて異例だと説明する。
中央防疫対策本部のクォン・グンヨン異常反応調査チーム長は26日の会見で「通常心筋炎は数日内に左心室部位によく発生するが、解剖検査の所見では心房側に主に炎症があり神経伝達経路を炎症が侵犯することで不整脈とともに急性心臓死した事例」と話した。
◇「心筋炎始まった部位は異例」
全南(チョンナム)大学病院循環器内科のキム・ゲフン教授は、「心筋炎を疑い解剖したのではなく死因を把握するために解剖して心筋炎が診断された事例。主に左心室に異常が生じるがこの患者は珍しく心室伝導系部分に炎症ができた。心臓機能が悪化して死亡したのでなく、悪性不整脈ができて死亡したと推定される」と話した。彼は「軍にいたため症状などの表現がうまくできなかった可能性があり、そのためすでに手遅れの状態で、運悪く炎症が伝導系に至った。そうだとしても病院でモニターできていれば患者を見逃すことはなかったはずだが、悪性不整脈が出た後に措置されないまま死亡直前に発見されたようだ」と話した。通常の心筋炎と違い、開始部位が電気刺激を作り出す伝導系であり、このため悪性不整脈ができたがペースメーカーなどの治療がすぐにできず死亡に至ったという説明だ。
しかしこの事例は極めて異例な状況で、心筋炎・心嚢炎は通常致死率の面で大きく懸念する水準ではなく、ほとんどが特別な治療なく好転するというのがキム教授の説明だ。
キム教授は「心筋炎患者のうち10%ほどが進行が速い電撃性心筋炎に進み、その場合の死亡率は10~20%水準だが、電撃性心筋炎自体が珍しいため全心筋炎の死亡率は2%以内といえる。一般的に心筋炎で心臓機能が悪化しても治療すれば1~2週間で退院する。電撃性心筋炎になっても体外式膜型人工肺(ECMO)での治療で1~2週間で回復する」と話した。米国でも先月中旬までに約3億回の接種の中で1226件の心筋炎・心嚢炎が発生し、100万人当たり4人水準と報告されたが、大多数は治療後に好転したという。欧州医薬品庁(EMA)の分析でも死亡者5人はほとんどが高齢だったり基礎疾患があったものと調査された。
◇「胸が痛む時は心電図、心臓酵素検査」
ファイザーやモデルナ製のワクチン接種後には胸の痛みを注意深く見なければならない。通常接種から4日以内、16~24歳の男性で心筋炎・心嚢炎が頻発したと報告された。心嚢炎は胸の痛みが特徴的で、症状だけでも疑われる。mRNAワクチンを打って数日以内に息を深く吸ったり姿勢を変える時、せきをする時に痛みが激しければ心嚢炎のケースもあるため心電図検査を受けるのが良い。血液検査で炎症数値が高かったり聴診時に心嚢摩擦音を通じて診断したりもする。
胸の痛みに加え動悸や呼吸困難などまで現れれば心筋炎を疑わなければならない。心筋炎は血液検査でトロポニンの数値を確認し、これが増加していた時に疑われる。磁気共鳴映像(MRI)を撮影して最終診断を下す。キム教授は「心筋梗塞の時も酵素数値が上がるが、冠状動脈に問題なく若年層でワクチンを打ってからこうした症状が現れたとすれば心筋梗塞より心筋炎の可能性が大きいためMRIを撮影するべき」と話した。心嚢炎はそのままでも良くなるが、コルヒチン、アスピリン、イブプロフェンなどの薬を使えば早く好転する。韓国では基礎疾患がない20代の男性1人が先月29日にファイザー製ワクチンの2回目の接種から11時間後に胸の痛みが発生し、病院で心嚢炎の診断を受け治療し回復した例がある。
心筋炎の場合、心臓機能低下があるならばアンジオテンシン変換酵素阻害薬やベータ遮断薬などを使う。キム教授は「心筋炎はコロナウイルス自体でもかなり生じる。得失を考えれば若年層で多く発生するが頻度は珍しく、新型コロナウイルス感染時のリスクがはるかに大きいのでワクチンを打つことを勧告する」と話した。
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