韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)前検察総長が韓国外交安保の中心軸は米国であるべきだという点を明確にした。また、葛藤イシューであるTHAAD(高高度ミサイル防衛)体系配備については「明らかにわれわれの主権的領域」としながら「水平的対中関係」を強調した。尹氏は14日、ソウル上岩洞(サンアムドン)中央日報社屋で行われたインタビューで「韓国の外交安保は強固な韓米同盟から出発しなければならない点で韓米関係は定数」とし「ところが文在寅(ムン・ジェイン)政府は韓米関係を変数にしてしまった」と主張した。尹氏は「韓米関係には隙間があってはならず、それでこそ中国など他の国々がわれわれを尊重する点を忘れてはいけない」と明らかにした。また「強固な韓米同盟の基本の上に、価値を共有する国家と協力関係を強化しなければならない」とし「このように強固につながった国際的共助と協力の枠組みの中で対中国外交を行ってこそ『水平的対中関係』が可能」とも述べた。
尹氏は「米国バイデン政府は先端技術で中国を圧倒し、その標準を自国中心に引っ張っていくという意志が確固としている」とし「米国に背を向ければグローバルビジネスは成立しにくい状況で、政府が『戦略的明瞭性』で企業をリードしなければならない」とした。
これは米中の間で実益を取るためのいわゆる綱渡り外交の論理としてしばしば登場した「戦略的曖昧性」概念に真っ向から反論したものだ。
尹氏は「激しい国際競争が銃刀ではなく半導体に代替される現実で、これ以上戦略的曖昧性を云々しながら曖昧な立場だけを堅持することはできない」と釘をさした。
中国に対しては「THAAD配備撤回を主張するためは自国の国境付近に配備した長距離レーダーを先に撤収しなければならない」とし「THAADの追加配備をしなければ、韓中関係を正常化するという合意を履行せよ」と話した。
次は一問一答。
<外交安保>
--文政府の外交をどのようにみるか。
「文政府では外交が見えないという言葉が多い。予測可能なことはおろか、国防部や外交部など政府内ですら疎通が円滑ではない。哲学と志向する価値も不明だ。明確な価値体系を定めてわれわれの未来を予測可能にするべきだが、これが不足している」
--外交・安保分野の識見はどのように深めているか。
「政治をする前は一般国民の中で関心が高い程度だった。最近は専門家から良い本を推薦してもらって読み、良いコラムを要約した資料も受け取って目を通している。外交・安保が専門家の領域だが、結局は憲法に明示された国家の運営哲学と脈が通じていると考える。法治と自由民主主義、人権の価値と体系化された国際法秩序などがそうだ。これを共有している国家間の関係を維持し、発展させていかなければならない」
--そのような脈絡で中国はどのように評価するか。
「中国が今後支配力ないし経済的力をさらに振り払って出ていくには、法治と予測の可能性、文明国家が共有する価値体系を結局は取り入れていくものと考える」
--日本とはそのような価値を共有しているというが、関係が円滑ではない。
「植民支配によって、過去史に対する認識が違う。過去史はいつも真実に基づいてわれわれが明確に規定し、指摘するべきことは指摘しなければならない。現実と未来の問題では、国民と国家の利益を考慮しなければならない。結局は未来世代のためのことだ」
--文在寅大統領が東京オリンピック(五輪)に行かなければならないか。
「指摘するべきところは指摘しなければならないが、協力するべきところは協力しなければならない。過去史の問題も意見が違うからといって無視してしまうなら、どう解決するのか。しかもスポーツという競争を通じて緊張を緩和するのは過去の米ソ冷戦時代にもあったことだ」
--金正恩委員長は独裁者なのか。
「現代文明国家と自由民主主義システムに照らしてみれば独裁者と判断する。ただし、金委員長に対して何か評価をするよりは、北朝鮮の非核化、韓半島(朝鮮半島)と持続可能な世界平和のために非常に決定的な人物なので、対話の出口を開いておかなければならないパートナーだ」
--一部では北朝鮮が引き続き核を保有するならわれわれも核武装しなければなければならないと主張している。
「米国が大陸間弾道ミサイルを通じて友好国に提供する拡張抑制を強化する方向が正しい。自主的に核を保有するということは世界的な核不拡散問題と結びつくよりほかはない。原発を巡る産業競争過程で必要な高濃縮ウラン燃料購入にも問題があり慎重を期さなければならない」
<大統領候補インタビュー>尹錫悦氏「韓米同盟が隙なく強固でこそ、中国も日本も韓国を尊重」(2)
尹氏は「米国バイデン政府は先端技術で中国を圧倒し、その標準を自国中心に引っ張っていくという意志が確固としている」とし「米国に背を向ければグローバルビジネスは成立しにくい状況で、政府が『戦略的明瞭性』で企業をリードしなければならない」とした。
これは米中の間で実益を取るためのいわゆる綱渡り外交の論理としてしばしば登場した「戦略的曖昧性」概念に真っ向から反論したものだ。
尹氏は「激しい国際競争が銃刀ではなく半導体に代替される現実で、これ以上戦略的曖昧性を云々しながら曖昧な立場だけを堅持することはできない」と釘をさした。
中国に対しては「THAAD配備撤回を主張するためは自国の国境付近に配備した長距離レーダーを先に撤収しなければならない」とし「THAADの追加配備をしなければ、韓中関係を正常化するという合意を履行せよ」と話した。
次は一問一答。
<外交安保>
--文政府の外交をどのようにみるか。
「文政府では外交が見えないという言葉が多い。予測可能なことはおろか、国防部や外交部など政府内ですら疎通が円滑ではない。哲学と志向する価値も不明だ。明確な価値体系を定めてわれわれの未来を予測可能にするべきだが、これが不足している」
--外交・安保分野の識見はどのように深めているか。
「政治をする前は一般国民の中で関心が高い程度だった。最近は専門家から良い本を推薦してもらって読み、良いコラムを要約した資料も受け取って目を通している。外交・安保が専門家の領域だが、結局は憲法に明示された国家の運営哲学と脈が通じていると考える。法治と自由民主主義、人権の価値と体系化された国際法秩序などがそうだ。これを共有している国家間の関係を維持し、発展させていかなければならない」
--そのような脈絡で中国はどのように評価するか。
「中国が今後支配力ないし経済的力をさらに振り払って出ていくには、法治と予測の可能性、文明国家が共有する価値体系を結局は取り入れていくものと考える」
--日本とはそのような価値を共有しているというが、関係が円滑ではない。
「植民支配によって、過去史に対する認識が違う。過去史はいつも真実に基づいてわれわれが明確に規定し、指摘するべきことは指摘しなければならない。現実と未来の問題では、国民と国家の利益を考慮しなければならない。結局は未来世代のためのことだ」
--文在寅大統領が東京オリンピック(五輪)に行かなければならないか。
「指摘するべきところは指摘しなければならないが、協力するべきところは協力しなければならない。過去史の問題も意見が違うからといって無視してしまうなら、どう解決するのか。しかもスポーツという競争を通じて緊張を緩和するのは過去の米ソ冷戦時代にもあったことだ」
--金正恩委員長は独裁者なのか。
「現代文明国家と自由民主主義システムに照らしてみれば独裁者と判断する。ただし、金委員長に対して何か評価をするよりは、北朝鮮の非核化、韓半島(朝鮮半島)と持続可能な世界平和のために非常に決定的な人物なので、対話の出口を開いておかなければならないパートナーだ」
--一部では北朝鮮が引き続き核を保有するならわれわれも核武装しなければなければならないと主張している。
「米国が大陸間弾道ミサイルを通じて友好国に提供する拡張抑制を強化する方向が正しい。自主的に核を保有するということは世界的な核不拡散問題と結びつくよりほかはない。原発を巡る産業競争過程で必要な高濃縮ウラン燃料購入にも問題があり慎重を期さなければならない」
<大統領候補インタビュー>尹錫悦氏「韓米同盟が隙なく強固でこそ、中国も日本も韓国を尊重」(2)
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