マルティーヌ氏は公式ツイッターに2分20秒の音声メッセージをクレオール語で残した。[ツイッター キャプチャー]
英BBCなどが10日に伝えたところによると、マルティーヌ氏は公式ツイッターに2分20秒の音声メッセージをハイチのクレオール語で残した。
彼女はメッセージで「深夜にあっという間に家に入ってきた暴漢が夫に弾丸を浴びせた。攻撃はあっという間に起きたため夫は何も言えずに撃たれた」と話した。
続けて「夫は政治的な理由で標的になり犠牲になった」として背後に政治勢力があるという疑惑を提起した。名前は明らかにしていないが、「大統領がだれと戦ってきたのか知っている。相手は道路、水道、電気、大統領選挙、総選挙などを理由に夫と私たちの家族を殺そうと傭兵を派遣した。彼らはこの国の変化を防ごうとした」と主張した。
彼女は「私は神のおかげで生き残ったが夫を失った。この国が道に迷うように放置しておくことはできない。夫の血を無駄することはできない」と話した。また、「私はみなさん(ハイチ国民)を捨てないだろう」と話した。
◇「コロンビア人容疑者、警護目的の採用者」
大統領が暴漢に暗殺されて3日目となったハイチは大混乱に陥った。ハイチ当局は今回の暗殺にコロンビア人26人、ハイチ系米国人2人の28人が加担したとみている。このうち17人が逮捕されたし、3人が射殺、残り8人は追跡中だ。
しかし一部では捕まったコロンビア人は本当の暗殺者ではないとの主張が拡散している。コロンビアの現地メディアなど外信を総合すると、逮捕された容疑者はモイーズ大統領の警護のために採用されたコロンビア軍出身の傭兵だという。
この日米国のマイアミヘラルドは「暗殺犯と名指しされたコロンビア人の大部分はコロンビア軍出身の傭兵で、マイアミ近くにある対テロ関連警備警護サービス業者CTUに採用された」と報道した。
ガーディアンによると、逮捕されたコロンビア人容疑者の配偶者も現地ラジオのインタビューで「夫がCTUに月2700ドルの条件で採用され、ドミニカで有力一族を警護する業務を担当していたと理解している。と正確にどんな仕事をしているのか知らなかったし、ハイチに行ったことも知らなかった」と話した。
これと関連しコロンビアの現地メディア「セマナ」は、「モイーズ大統領私邸の防犯カメラ映像を見ると、逮捕されたコロンビア人は事件発生1時間半を過ぎて現場に到着した」とし、本当の暗殺犯は別にいるとの疑惑を提起した。
また、ハイチの現地メディア「ル・ヌーベリスト」によると、当局が逮捕したハイチ系米国人容疑者2人は尋問で「通訳の役割をし、暗殺ではなく拉致が本来の目標だった」と述べたという。
◇「利益維持しようとする既得権層が背後」の主張も
ただし現時点では暗殺の背後に自身の利益を維持しようとする既得権層がいるというマルティーヌ氏の主張が力を持っている。ロイターによるとモイーズ大統領はハイチ政府契約を独占してきたエリートと財閥などを解体しようと憲法改正に向けた国民投票を提案した状態だった。これに反対した既得権層が暗殺を指示したという疑惑だ。
こうした理由からハイチ元下院議員のアルフレッド・アントゥワン氏も「暗殺の背後には自分たちの利益が侵害されることを懸念した既得権財閥がある」と話したとガーディアンは伝えた。警察官出身のハイチ暴力団の組長も「内外の政治勢力がモイーズ大統領を犠牲にさせた」と話した。
◇われ先に「私が後任」権力争い
暗殺の動機が明らかになっていない中で権力争いも広がっている。大統領死亡直後にジョゼフ暫定首相(外相)は「臨時に国を引き受けることになった」と発表したが少なくとも2人が継承の正当性に異議を提起した状況だ。
ジョゼフ暫定首相は4月にジュート前首相兼外相が突然辞任し暫定首相に任命された。ピエール選挙担当相も9月の大統領選挙と総選挙前までジョゼフ暫定首相が国政責任者を務めると認めた。
だが大統領が死亡する2日前に新首相に指名されたアリエル・アンリ氏が問題を提起した。医師出身のアンリ氏はまだ就任宣誓をしていないが、新首相に指名するという法令に基づいて自身がモイーズ大統領に代わる暫定首相だと主張している。彼はロイターとのインタビューで「新政権を構成しているところであり、選挙委員会も新たに構成する予定で、選挙日も新たに指定するだろう」と話した。
こうした中、議会はランベール上院議長を臨時大統領に指名すると発表した。議会は「大統領有事の際には議会が投票を通じて臨時大統領を選ぶ」という2012年の改正憲法を根拠に提示している。
だが議会選挙が適時に行えず、下院議員の任期は満了した状態で、上院議員も定員30人のうち10人ほどだけが残っており臨時大統領を選出できる定足数に満たない。
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