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文大統領「望ましくない」と言った日本企業資産の現金化“時計”再始動…次期政府の「爆弾」にも

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

韓国でオボイナル(父母の日)を控えた今年5月2日、京畿道広州(キョンギド・クァンジュ)にあるナヌムの家追慕公園で、慰安婦被害者である故キム・スンドクさん、故イ・ヨンニョさんの遺族が故人の墓碑にカーネーションを献花している。ウ・サンジョ記者

旧日本軍慰安婦被害者賠償のために韓国内の日本政府資産を公開するよう命じる裁判所の判決に日本が強く反発した。強制徴用判決に続き慰安婦判決に関連しても強制執行手順に突入し、韓日の関係改善への道は一層険しくなった。

加藤勝信官房長官は16日の会見で「本年1月のソウル中央地裁の判決は、国際法および日韓両国間の合意に明らかに反するものであり、極めて遺憾であり、断じて受け入れることはできない」とし「日本としては韓国に対し、国家として自らの責任を負って直ちに国際法違反状態を是正するために適切な措置を講じることを引き続き強く求めていく」と話した。




これは前日ソウル中央地方法院(地裁)が、日本政府が韓国内に所有している財産を公開するよう命じたことに対する反発だ。中央地方法院は今年1月、日本政府を相手取って起こした損害賠償請求訴訟で勝訴した慰安婦被害者12人に賠償金を支払うための最初の手続きとしてこのような命令を下した。

加藤官房長官の発言は、事実上、韓国裁判所の命令には応じないという立場で、日本政府は該当の訴訟に対してこれまで無対応で一貫してきた。今回も裁判所の命令を入れた関連書類を日本が受領しなければ、原告である慰安婦被害者は次の手続きに着手することができる。銀行をはじめ金融機関が日本政府の国内資産を照会できるように裁判所に要請することだ。

これに先立ち、2018年10月大法院(最高裁)が日本戦犯企業を相手取って強制徴用被害者が起こした損害賠償請求訴訟で、原告勝訴の判決後、これを根拠とした現金化関連の手続きも進んでいる。今年1月、大邱(テグ)地方裁判所浦項(ポハン)支院は、被告である日本製鉄(旧新日鉄住金)の韓国内株式を現金化するために該当株式に対する鑑定書を提出させた。資産の鑑定が終われば次の手続きは売却命令だ。

日本はすでに、韓国が日本企業の資産を現金化する場合、両国関係は後戻りできない一線を越えるとして、これを「レッドライン」に設定した。特に今回の慰安婦被害補償関連の裁判所の決定は、現金化の対象は日本政府なので日本はこれをさらに重く受け止めている雰囲気だ。

実際、日本政府の韓国内資産を調べること自体が大きな波紋を呼びかねない。現金化が現実化した場合には、「外交関係に対するウィーン条約」違反の素地があり、日本側の経済報復などの懸念もある。

文在寅(ムン・ジェイン)大統領が今年1月の新年記者会見で「(日本企業の国内資産に対する)強制執行や現金化で判決が実行されるやり方は韓日関係において望ましくない」と述べたのも同じ脈絡だ。文大統領は「そのような段階に至る前に外交的解決方法を探すことが優先」と強調した。

だが、中央地方法院は15日、財産公開命令を下して「強制執行後に発生しうる対日関係の悪化などの問題は行政府の固有領域で、司法府の領域から外れる」とした。韓日関係に及ぼす影響は政府が処理することであり、裁判所はこれと関係がなく法的手続きを履行するということだ。

2018年10月の大法院判決の事例からも分かるように、現金化など強制執行ための法的手続きには数年かかる場合もある。文在寅政府が司法府の判断を尊重するとしてこれを放置する場合、現金化という大型の爆弾を抱え込むのは次期政府になる可能性が高い。

結局、両国政府が外交的交渉を通じて原告である慰安婦被害者も受け入れられるような正義実現方案を用意することが最善だと専門家は助言する。

国民大学日本学科の李元徳(イ・ウォンドク)教授は「政府の代位弁済や日本政府予算を基に造成された和解・癒やし財団の残金活用などさまざまな可能性を開けておき、国内的には被害者の意志を取りまとめ、対外的には日本と協議する方案を悩んでみることができる」とし「裁判所の判決のせいで外交が少しも動くことができないという形ではいけない」と話した。



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