また、中国は韓国が低姿勢、時に屈従的な姿勢まで見せているにもかかわらず、韓国に実質的で具体的な便益を提供せずにいる。THAAD報復後の限韓令が公式に解除されたという傍証もなく、韓国企業や国民に恩恵を与えたものもない。中国は韓国が一方的に自分たちの要求に従ってくれることを望んでいるだけで、対等な相互主義に基盤を置いた配慮を見せることはなかった。中国が高圧的・位階的・攻勢的に見える理由だ。韓国内で中国に対する認識の変化が起きているのはこうした威圧的態度の結果だ。
合わせて韓中は経済的相互依存関係が深化しているが、中国が韓国を追撃する段階が目の前に達している。半導体、自動車、鉄鋼、化学、通信など、多様な韓国の戦略産業分野で中国は韓国に近く追いつく勢いだ。中国は開発途上国で韓国より一段階下という考えは時代錯誤的で現実との距離が遠い。
◇韓米同盟の利点活用する知恵
米国との協力は韓半島(朝鮮半島)周辺国から韓国に対する高圧的態度と暗黙的軽視を克服し、韓国を見下げることができないよう相対的自律性を確保できるテコであり、有事の際に領土に対する野心を持たずわれわれを保護できる安全保障保険だ。韓日中間の関係が不安定で信頼を欠如した状態の中、域外同盟である米国は地域勢力均衡化の礎石だ。米中競争の力学の中で米国が中国に対する牽制をする間に韓国は中国の追撃を少しでも遅らせながら先端技術開発能力を蓄積できる時間を稼がなければならない。インド太平洋地域での航行の自由、自由貿易、自由通信の制度的基盤を保障するのも米国だ。したがって米国との同盟はわれわれを制約する要因より選択肢を広めてくれる役割が大きい。
■米中関係複合三重奏、対決・競争・協力
米中が軍事・安保戦略競争にとどまらず、経済・技術覇権、そして体制・価値観をめぐる理念的対決の様相まで発展しているのは隠すことのできない現実だ。ただ米中が対抗する構図が強まる傾向の中でも両国は対立に突き進むだけではない。
米中は2つの領域で譲歩できない対決と対立の道に入り込んでいる。ひとつは軍事安保と関連した地政学的競争だ。同盟強化、民主主義ネットワーク拡張、軍事・安保技術流出防止などはこのための政策手段だ。もうひとつは先端技術分野をめぐる未来競争力確保競争だ。半導体とバッテリー、次世代通信能力、スーパーコンピュータなどのデジタル先端技術分野で死活をかけた競争に進入した。韓国はこれらの分野で米国の側に立っており、今後も相当期間米国側に立たなければならない。
経済と国際開発の領域は米中が競争する分野だ。経済は一国で独占できずゼロサム領域でもない。相互依存しているが、同等な立場の競争ではないため互いに敏感で脆弱な分野をめぐる鋭い競争は続くだろう。
それでも米中両国がグローバルバリューチェーンから抜け出してデカップリングする可能性は少ない。部分的な不関与と選択的な不公正競争がある公算が大きい。開発・援助の部分でも米中は世界各地で開発途上国の好感を買うための魅力競争を展開する可能性がある。韓国は中国と先端技術分野を除いた一般商取引は維持し、韓国の開発・インフラ建設など国際競争優位を生かせる領域を生かさなければならない。
グローバル問題や超国境課題は米中が必ず出血競争をする分野ではない。気候変動、環境、医療保健など国際公共財に関連した部分では米中が競争する渦中でも互いに手を握らなければならない分野だ。超国境課題はどちらかの国だけが恩恵を享受する分野でないだけでなく、相手国排除の利益も大きくない部分だ。
したがって米中が協力可能な分野では韓国が主導的に国際公共財創出に向け独創性を発揮できる余地を広めていかなければならない。
パク・チョルヒ/ソウル大学国際大学院教授兼国際学研究所長
【コラム】米国が中国を牽制する間に技術開発能力蓄積しなくては=韓国(1)
合わせて韓中は経済的相互依存関係が深化しているが、中国が韓国を追撃する段階が目の前に達している。半導体、自動車、鉄鋼、化学、通信など、多様な韓国の戦略産業分野で中国は韓国に近く追いつく勢いだ。中国は開発途上国で韓国より一段階下という考えは時代錯誤的で現実との距離が遠い。
◇韓米同盟の利点活用する知恵
米国との協力は韓半島(朝鮮半島)周辺国から韓国に対する高圧的態度と暗黙的軽視を克服し、韓国を見下げることができないよう相対的自律性を確保できるテコであり、有事の際に領土に対する野心を持たずわれわれを保護できる安全保障保険だ。韓日中間の関係が不安定で信頼を欠如した状態の中、域外同盟である米国は地域勢力均衡化の礎石だ。米中競争の力学の中で米国が中国に対する牽制をする間に韓国は中国の追撃を少しでも遅らせながら先端技術開発能力を蓄積できる時間を稼がなければならない。インド太平洋地域での航行の自由、自由貿易、自由通信の制度的基盤を保障するのも米国だ。したがって米国との同盟はわれわれを制約する要因より選択肢を広めてくれる役割が大きい。
■米中関係複合三重奏、対決・競争・協力
米中が軍事・安保戦略競争にとどまらず、経済・技術覇権、そして体制・価値観をめぐる理念的対決の様相まで発展しているのは隠すことのできない現実だ。ただ米中が対抗する構図が強まる傾向の中でも両国は対立に突き進むだけではない。
米中は2つの領域で譲歩できない対決と対立の道に入り込んでいる。ひとつは軍事安保と関連した地政学的競争だ。同盟強化、民主主義ネットワーク拡張、軍事・安保技術流出防止などはこのための政策手段だ。もうひとつは先端技術分野をめぐる未来競争力確保競争だ。半導体とバッテリー、次世代通信能力、スーパーコンピュータなどのデジタル先端技術分野で死活をかけた競争に進入した。韓国はこれらの分野で米国の側に立っており、今後も相当期間米国側に立たなければならない。
経済と国際開発の領域は米中が競争する分野だ。経済は一国で独占できずゼロサム領域でもない。相互依存しているが、同等な立場の競争ではないため互いに敏感で脆弱な分野をめぐる鋭い競争は続くだろう。
それでも米中両国がグローバルバリューチェーンから抜け出してデカップリングする可能性は少ない。部分的な不関与と選択的な不公正競争がある公算が大きい。開発・援助の部分でも米中は世界各地で開発途上国の好感を買うための魅力競争を展開する可能性がある。韓国は中国と先端技術分野を除いた一般商取引は維持し、韓国の開発・インフラ建設など国際競争優位を生かせる領域を生かさなければならない。
グローバル問題や超国境課題は米中が必ず出血競争をする分野ではない。気候変動、環境、医療保健など国際公共財に関連した部分では米中が競争する渦中でも互いに手を握らなければならない分野だ。超国境課題はどちらかの国だけが恩恵を享受する分野でないだけでなく、相手国排除の利益も大きくない部分だ。
したがって米中が協力可能な分野では韓国が主導的に国際公共財創出に向け独創性を発揮できる余地を広めていかなければならない。
パク・チョルヒ/ソウル大学国際大学院教授兼国際学研究所長
【コラム】米国が中国を牽制する間に技術開発能力蓄積しなくては=韓国(1)
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