産業・医療用銅管を製造する中堅企業N社は原材料需給で厳しい状況に陥った。製品を作る銅スクラップを確保できないためだ。N社関係者は「中国がスクラップを買い占めており銅管製造に支障が出ている」と伝えた。
鋳造や金型など韓国の根幹産業の主要原材料として活用される鉄や銅スクラップが中国に大量に売られ深刻な供給不足を体験している。スクラップは金属製品を作る時にできる金属の破片を示す。スクラップを得られず製品生産を減らし契約を断念する事例も続出している。
◇中国が原材料に続きスクラップまで買い占め
関税庁が25日に明らかにしたところによると、先月中国に輸出された鉄スクラップは2万8089トンに達する。昨年4月の1652トンと比較すると17倍に増加した数値だ。今年1月から4月まで中国に売られた鉄スクラップは4万7247トンで、昨年の年間対中輸出量1万8268トンの3倍に迫る。
銅スクラップも同様だ。先月銅スクラップは中国に8759トン売れた。昨年4月の輸出量615トンの14倍水準だ。中国のあるスクラップ輸入業者は韓国の銅スクラップ8000トンをまとめて現金で買い取ったという。銅スクラップの1~4月の対中輸出量は1万5804トンを記録して前年同期の2483トンから7倍に増加した。
中国が景気浮揚に出て原材料を急激に買い集めていることが最も大きな原因に挙げられる。昨年の中国の鉄鋼需要は景気浮揚策に力づけられて9%前後増加した。今年1-3月期も15%増加した。中国政府が炭素排出量削減に出たこともスクラップ需要を増加させた。鉱物を石炭を燃やして溶かし新たに作るより電気炉で廃金属を溶かしてリサイクルする方が炭素排出量が少ないためだ。
原材料不足に苦しめられる中国のスクラップ収集企業は代金を上乗せして韓国からスクラップを買い入れている。24日基準で中国に売られる鉄スクラップ価格(厚さ6ミリメートル以上)は1トン当たり60万ウォン前後だ。韓国国内で流通する価格より10~20%以上高い。韓国のスクラップ価格も連日急騰している。1年前に1トン当たり26万ウォンだった鉄スクラップ卸売価格は急騰し21日には47万ウォンまで上がった。昨年5月より80.7%以上上がった価格だ。年初と比較しても25.3%上昇した。
銅スクラップ価格もやはり急騰した。5月初めに国際銅相場となるロンドン金属取引所(LME)価格は1トン当たり1万ドルを超えた。昨年3月に4772ドルで売られていたのと比較すると2倍以上上がった。業界ではLME価格の90%台で形成された韓国国内の銅スクラップ価格が最近99%まで迫ったとみている。精製された電気銅価格が1万ドルならば同じ重さの銅スクラップが9900ドルに達する状況だ。
◇生産物量縮小に契約放棄も
スクラップ価格急騰に中小製造企業は悩みに陥っている。鉄スクラップを溶かしてディーゼルエンジンブロックとシリンダーヘッドなどを生産する大邱(テグ)のある中堅鋳物企業D社は毎月10億ウォン近くの赤字を出している。D社関係者は「取引先に単価引き上げを要請しているが不如意だ。状況が改善されなければ生産量を縮小することも検討中」と話した。
契約を断念する事例も出てきた。プレキャストコンクリート(PC)を製作するS社は最近400億ウォン規模の工事を落札したがあきらめた。S社関係者は「鉄スクラップを原料に生産される鉄筋の価格が1カ月に2回引き上げられ、オーダーを取っても損をするのが明らかで仕方なく工事を進めないことを決めた」と話した。
韓国政府がスクラップの輸出制限に出たり海外スクラップを輸入する際の関税を引き下げるなど政策的支援をすべきという指摘も出ている。産業研究院素材産業室のイ・ジェユン研究委員は「欧州鉄鋼協会は今後鉄スクラップが不足するとみて輸出を防いでほしいと要求している状況。韓国も同じように資源循環の重要性を考慮したスクラップ対策が必要だ」と話している。
鋳造や金型など韓国の根幹産業の主要原材料として活用される鉄や銅スクラップが中国に大量に売られ深刻な供給不足を体験している。スクラップは金属製品を作る時にできる金属の破片を示す。スクラップを得られず製品生産を減らし契約を断念する事例も続出している。
◇中国が原材料に続きスクラップまで買い占め
関税庁が25日に明らかにしたところによると、先月中国に輸出された鉄スクラップは2万8089トンに達する。昨年4月の1652トンと比較すると17倍に増加した数値だ。今年1月から4月まで中国に売られた鉄スクラップは4万7247トンで、昨年の年間対中輸出量1万8268トンの3倍に迫る。
銅スクラップも同様だ。先月銅スクラップは中国に8759トン売れた。昨年4月の輸出量615トンの14倍水準だ。中国のあるスクラップ輸入業者は韓国の銅スクラップ8000トンをまとめて現金で買い取ったという。銅スクラップの1~4月の対中輸出量は1万5804トンを記録して前年同期の2483トンから7倍に増加した。
中国が景気浮揚に出て原材料を急激に買い集めていることが最も大きな原因に挙げられる。昨年の中国の鉄鋼需要は景気浮揚策に力づけられて9%前後増加した。今年1-3月期も15%増加した。中国政府が炭素排出量削減に出たこともスクラップ需要を増加させた。鉱物を石炭を燃やして溶かし新たに作るより電気炉で廃金属を溶かしてリサイクルする方が炭素排出量が少ないためだ。
原材料不足に苦しめられる中国のスクラップ収集企業は代金を上乗せして韓国からスクラップを買い入れている。24日基準で中国に売られる鉄スクラップ価格(厚さ6ミリメートル以上)は1トン当たり60万ウォン前後だ。韓国国内で流通する価格より10~20%以上高い。韓国のスクラップ価格も連日急騰している。1年前に1トン当たり26万ウォンだった鉄スクラップ卸売価格は急騰し21日には47万ウォンまで上がった。昨年5月より80.7%以上上がった価格だ。年初と比較しても25.3%上昇した。
銅スクラップ価格もやはり急騰した。5月初めに国際銅相場となるロンドン金属取引所(LME)価格は1トン当たり1万ドルを超えた。昨年3月に4772ドルで売られていたのと比較すると2倍以上上がった。業界ではLME価格の90%台で形成された韓国国内の銅スクラップ価格が最近99%まで迫ったとみている。精製された電気銅価格が1万ドルならば同じ重さの銅スクラップが9900ドルに達する状況だ。
◇生産物量縮小に契約放棄も
スクラップ価格急騰に中小製造企業は悩みに陥っている。鉄スクラップを溶かしてディーゼルエンジンブロックとシリンダーヘッドなどを生産する大邱(テグ)のある中堅鋳物企業D社は毎月10億ウォン近くの赤字を出している。D社関係者は「取引先に単価引き上げを要請しているが不如意だ。状況が改善されなければ生産量を縮小することも検討中」と話した。
契約を断念する事例も出てきた。プレキャストコンクリート(PC)を製作するS社は最近400億ウォン規模の工事を落札したがあきらめた。S社関係者は「鉄スクラップを原料に生産される鉄筋の価格が1カ月に2回引き上げられ、オーダーを取っても損をするのが明らかで仕方なく工事を進めないことを決めた」と話した。
韓国政府がスクラップの輸出制限に出たり海外スクラップを輸入する際の関税を引き下げるなど政策的支援をすべきという指摘も出ている。産業研究院素材産業室のイ・ジェユン研究委員は「欧州鉄鋼協会は今後鉄スクラップが不足するとみて輸出を防いでほしいと要求している状況。韓国も同じように資源循環の重要性を考慮したスクラップ対策が必要だ」と話している。
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