自動車業界が半導体不足により生産に支障をきたしていることに加え、韓国の自動車部品業界はそれにともなう部品納品量減少と原材料価格急騰、製造業忌避深化による労働力難まで三重苦に陥っている。そうでなくても新型コロナウイルスで経営難に置かれた状況で、内燃機関車から電気自動車へと大転換中の自動車産業の流れにもついて行かなくてはならない状況で、部品業界の悩みは並大抵ではない。
◇原材料価格上昇にも納品価格には反映されず
自動車部品業界はまず、最近原材料価格の急騰で経営難がさらに深まっているとして困惑している。自動車部品めっき業をしている現代自動車の2次協力会社(1次協力会社に部品を納品する企業)の代表は25日、「銅価格が昨年末より50%以上上がった。原価負担は加重されているが、顧客である1次協力会社に製品単価を上げてほしいという話はできずにいる」と話した。自動車業界で2次・3次協力会社は下請け構造で最底辺である「乙」または「丙」と呼ばれる。
実際に今年に入り自動車用冷延鋼鈑や銅など原材料価格は急激に上がった。韓国鉄鋼協会によると今月の冷延鋼鈑価格は流通基準で1トン当たり1117ドルを記録し、昨年5月の713ドルより57%上がった。また、今月のロンドン金属取引所基準の銅価格も1トン当たり1万226ドルで、昨年5月の5223ドルより2倍に上昇した。
だが納品価格の引き上げどころか、引き下げ圧力に苦しめられているのが現実だ。自動車2次・3次協力会社代表は「中小企業はやっていくのが大変だ」と口をそろえる。部品塗装業をする企業の代表は「原材料価格上昇圧力がある上に、顧客(1次協力会社と自動車メーカー)ではむしろ製品価格を調整(引き下げ)しようとしており、あちこちから圧迫を受けている。自動車メーカーや1次協力会社は高額な年俸など高い固定費のため下請け企業の納品価格を下げさせようとする慣行がまだ残っている」と話した。
◇労働力難は自動車産業の生態系崩壊に脅威
原材料価格上昇のほかにも部品業界の経営環境は悪化の一途だ。ある代表は「今年初めまでは現代(ヒョンデ)自動車と起亜(キア)に供給する量が増え売り上げは悪くない方だったが、4-6月期に入り車載用半導体不足影響で現代自動車・起亜の発注量が減った」と話す。彼はまた「生産職の人材を確保するのがますます難しくなった。特に高卒人材が不足している。製造業の生産職を忌避する現象は前よりも深刻になった」と懸念する。一部部品業者は経営難が加重され、どうにか確保した専門人材を手放す所もあるという。
部品業界の労働力難が原材料価格上昇よりも自動車産業生態系にはさらに脅威になるというのが専門家らの指摘だ。ワークイン組織革新研究所のイ・ムンホ所長は「生産職現場の労働力難は慢性的だが電気自動車時代への転換期を迎えこの問題がさらに深まったもの」と指摘した。彼は「ドイツのように政府がさらに強く介入するしかない。自治体・大企業とともに学生を現場に合う専門人材として育てなければならない」と話した。米国や中国が自動車生態系を自国内に構築しようとしている状況で韓国も専門人材を備えた部品企業を内在化・地域化しなければ自動車部品の海外依存度がさらに深刻化するほかないということだ。
◇電気自動車時代に備えた事業転換も課題
また、部品企業は電気自動車時代が急速に近寄っており業種転換を急がなければならないという課題も抱えている。内燃機関車から電気自動車への転換が加速化するほど、エンジンや変速機が使われなくるなど部品の種類と個数が大幅に減る。自動車業界によると、電気自動車「アイオニック5」に使われる部品ユニットは360個で、内燃機関車の約500個の72%水準にすぎない。
部品業界は急いで電気自動車に合う部品開発と人材補充をしなければならないが、状況は不如意だ。韓国自動車研究院のイ・ハング専門研究委員は「自動車産業全体で博士級研究人材は1000人ほどしかいない。その上に大部分が大企業に集まっている。電気自動車時代に合う人材補充が至急だが、当面の経営も厳しい中小企業としては高賃金人材を迎えたり研究開発をする施設に投資するのは事実上困難な状況」と話した。
昨年多くの自動車部品メーカーは営業利益率が減少した。韓国自動車研究院が最近110社のカ自動車部品メーカーを対象に昨年の売り上げと営業利益を調査した結果、従業員300人以上の企業の営業利益率は3%で、2019年の4.1%より1.1ポイント下がった。また、従業員300人未満の中小企業の営業利益率は1.3%で2019年の2.0%より0.7ポイント下落した。
◇原材料価格上昇にも納品価格には反映されず
自動車部品業界はまず、最近原材料価格の急騰で経営難がさらに深まっているとして困惑している。自動車部品めっき業をしている現代自動車の2次協力会社(1次協力会社に部品を納品する企業)の代表は25日、「銅価格が昨年末より50%以上上がった。原価負担は加重されているが、顧客である1次協力会社に製品単価を上げてほしいという話はできずにいる」と話した。自動車業界で2次・3次協力会社は下請け構造で最底辺である「乙」または「丙」と呼ばれる。
実際に今年に入り自動車用冷延鋼鈑や銅など原材料価格は急激に上がった。韓国鉄鋼協会によると今月の冷延鋼鈑価格は流通基準で1トン当たり1117ドルを記録し、昨年5月の713ドルより57%上がった。また、今月のロンドン金属取引所基準の銅価格も1トン当たり1万226ドルで、昨年5月の5223ドルより2倍に上昇した。
だが納品価格の引き上げどころか、引き下げ圧力に苦しめられているのが現実だ。自動車2次・3次協力会社代表は「中小企業はやっていくのが大変だ」と口をそろえる。部品塗装業をする企業の代表は「原材料価格上昇圧力がある上に、顧客(1次協力会社と自動車メーカー)ではむしろ製品価格を調整(引き下げ)しようとしており、あちこちから圧迫を受けている。自動車メーカーや1次協力会社は高額な年俸など高い固定費のため下請け企業の納品価格を下げさせようとする慣行がまだ残っている」と話した。
◇労働力難は自動車産業の生態系崩壊に脅威
原材料価格上昇のほかにも部品業界の経営環境は悪化の一途だ。ある代表は「今年初めまでは現代(ヒョンデ)自動車と起亜(キア)に供給する量が増え売り上げは悪くない方だったが、4-6月期に入り車載用半導体不足影響で現代自動車・起亜の発注量が減った」と話す。彼はまた「生産職の人材を確保するのがますます難しくなった。特に高卒人材が不足している。製造業の生産職を忌避する現象は前よりも深刻になった」と懸念する。一部部品業者は経営難が加重され、どうにか確保した専門人材を手放す所もあるという。
部品業界の労働力難が原材料価格上昇よりも自動車産業生態系にはさらに脅威になるというのが専門家らの指摘だ。ワークイン組織革新研究所のイ・ムンホ所長は「生産職現場の労働力難は慢性的だが電気自動車時代への転換期を迎えこの問題がさらに深まったもの」と指摘した。彼は「ドイツのように政府がさらに強く介入するしかない。自治体・大企業とともに学生を現場に合う専門人材として育てなければならない」と話した。米国や中国が自動車生態系を自国内に構築しようとしている状況で韓国も専門人材を備えた部品企業を内在化・地域化しなければ自動車部品の海外依存度がさらに深刻化するほかないということだ。
◇電気自動車時代に備えた事業転換も課題
また、部品企業は電気自動車時代が急速に近寄っており業種転換を急がなければならないという課題も抱えている。内燃機関車から電気自動車への転換が加速化するほど、エンジンや変速機が使われなくるなど部品の種類と個数が大幅に減る。自動車業界によると、電気自動車「アイオニック5」に使われる部品ユニットは360個で、内燃機関車の約500個の72%水準にすぎない。
部品業界は急いで電気自動車に合う部品開発と人材補充をしなければならないが、状況は不如意だ。韓国自動車研究院のイ・ハング専門研究委員は「自動車産業全体で博士級研究人材は1000人ほどしかいない。その上に大部分が大企業に集まっている。電気自動車時代に合う人材補充が至急だが、当面の経営も厳しい中小企業としては高賃金人材を迎えたり研究開発をする施設に投資するのは事実上困難な状況」と話した。
昨年多くの自動車部品メーカーは営業利益率が減少した。韓国自動車研究院が最近110社のカ自動車部品メーカーを対象に昨年の売り上げと営業利益を調査した結果、従業員300人以上の企業の営業利益率は3%で、2019年の4.1%より1.1ポイント下がった。また、従業員300人未満の中小企業の営業利益率は1.3%で2019年の2.0%より0.7ポイント下落した。
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