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モデルナ、7-9月期から数億回分を韓国で生産

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

サムスンバイオロジクスが松島(ソンド)工場で製剤医薬品を瓶に入れる工程を進めている。[写真 サムスンバイオロジクス]

サムスンバイオロジクスが米国モデルナ社と手を握って新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)ワクチンを7-9月期から大量に生産する。韓米首脳会談で両国首脳が構築することにしたグローバルワクチンパートナーシップの一環だ。ただし、この物量の中で韓国でどれぐらい使うことができるかは未知数だ。

サムスンバイオロジクスは「モデルナと委託生産契約を22日、締結した」と23日、明らかにした。ワクチンを韓国で委託生産するのはアストラゼネカ(AZ)、ノババックス、スプートニクVに続いて4番目だ。カン・ドテ保健福祉部第2次官はこの日、記者会見で「(サムスンバイオロジクスが)7-9月期からモデルナワクチンの数億回分を生産する」と述べた。

サムスンバイオロジクスが生産したワクチンは米国以外の国に供給される予定だ。モデルナのフアン・アンドレス最高技術業務・ 品質責任者(CTO・CQO)は「サムスンバイオロジクスとのパートナーシップ締結が米国以外の地域でモデルナ製ワクチンの生産能力を拡大することに役立つだろう」と説明した。


ワクチンの委託生産は大きく原薬)医薬品(DS)生産と供給してもらったものを瓶に入れてラベルを付けふたをかぶせる製剤医薬品(DP)生産工程に分かれる。今回、サムスンバイオロジクスが引き受けることになったのは相対的に技術水準が低い製剤医薬品工程だ。モデルナの製剤医薬品工程を行う場所は、カタラント(米国)、ロヴィ(スペイン)、レシファーム(スウェーデン)など多数がある。それでも単に瓶に入れる水準の簡単なことではない。ある韓国の製薬会社関係者は「誰もができることではない。無菌施設など相当な技術力を備えなければならないかもしれない」と説明した。

ソウル大学医科大学のキム・ユン教授は「委託生産の過程で技術移転が少しずつ行われ、長期的に国産ワクチンを作ることに役に立つだろう」と話した。特に、「かつての製造業がOEM(委託製造)を行いながら韓国の技術で作った製品を生産することになったように、相当な科学技術の格差があるワクチン分野も似たような道を歩むことになるだろう」と見通した。

反面、高麗(コリョ)大学九老(クロ)病院感染内科のキム・ウジュ教授は「ワクチンの特許が約300件以上絡まっているため、モデルナが技術移転を希望しても難しいだろう」と話した。モデルナは現在、スイスの大手製薬企業​ロンザ社に限って原薬医薬品生産の技術移転を完了した状態だ。

韓国がアジアのワクチンハブとして浮上できる契機が作られたという評価もある。モデルナのメッセンジャーRNAワクチン生産能力を確保することになり、現在市販されているすべての方式の新型肺炎ワクチンを国内で生産することになるためだ。すでにウイルスベクター方式(アストラゼネカ)と遺伝子組み換え技術を用いた方式(ノババックス)の新型肺炎ワクチンはSKバイオサイエンスが生産している。

今までアジアのワクチン生産のハブはインドだ。世界ワクチンの約60%を生産している。だが、自国で感染者が急増すると、インド政府がワクチンの輸出を制限して世界のワクチン供給日程に支障が生じた。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は「サムスンバイオロジクスとモデルナの協力は全世界的なワクチン供給不足を解消し、人類の日常回復を操り上げるだろう」と述べた。

サムスンバイオロジクスとモデルナの契約以外にも今回の首脳会談を通じて3件のMOUが締結された。福祉部・産業通商資源部とモデルナは国内投資と政府の支援などビジネス協力を協議することにした。福祉部・SKバイオサイエンス・ノババックスはワクチンの開発と生産に、国立保健研究院とモデルナはmRNAワクチン関連の研究協力に向けたMOUを締結した。

今回の契約により、世界的な生産基地としての一歩を踏み出したという評価があるが、韓国が物量決定権を握っているわけではないため、当面の国内の需給改善とは距離があるというのが限界に指摘される。ライセンス・イン(License-in)契約ではなく、生産物量と供給に関連しては全面的にモデルナが決定するためだ。

首脳会談を通したワクチン物量の追加確保に向けた努力も大きな実を結ぶことができなかった。会談以前の政府は米国のワクチン余裕分を韓国が早期に供給してもらい、後ほど返済する方式の「ワクチンスワップ」を取り上げるなど、8000万回分に当たる米国の海外配布予定ワクチンの中で相当物量を確保する可能性を示唆した。だが、ジョー・バイデン米国大統領がこれに先立って21日(現地時間)、「韓国軍将兵55万人にワクチンを提供する」と明らかにしたのが全部だった。

鄭義溶(チョン・ウィヨン)外交部長官はこれについて、22日メディアインタビューで「韓国だけに特別に支援することは名分が弱いというのが米国側の説明だった」と伝えた。このため、「韓国政府が政略的次元で物量の追加確保の可能性を誇張し、余計に期待感を高めたのではないか」という批判の声もある。高麗大学医科大学予防医学科のチェ・ジェウク教授は「スワップを通じて11月をめどに定めた集団免疫の達成を少しでも繰り上げるというのが喫緊の課題だったが、不可能な状況になった」と話した。

政府は、このような事情を考えて、サムスンバイオロジクスが委託生産することにした物量も韓国国内に供給されるように今後協議する計画だと明らかにした。もちろん、これに先立ってモデルナと直接契約した物量は別だ。

カン・ドテ次官は、「国内に入ってくるモデルナ製ワクチンは委託生産の時期と関係なく、契約された日程にしたがって導入されるだろう」と説明した。



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