ビル・ゲイツ氏
ゲイツ氏が結婚後も会社の女子職員に交際を迫るなど問題ある行動を取ったという具体的な情況も出てきた。ゲイツ氏の妻メリンダ・フレンチ・ゲイツ氏(56)がこのような事実をどれだけ知っていたかは伝えられていないが、夫の不貞行為が離婚に影響を及ぼした可能性が提起されている。
2019年はメリンダ氏が離婚専門弁護士を雇用して本格的に別れる準備をしたことが伝えられた時点だ。ゲイツ氏と未成年性搾取犯罪者の富豪ジェフリー・エプスタイン氏の親交がマスコミの報道を通じて公開された時でもある。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は16日(現地時間)、ゲイツ氏が女子職員と不適切な関係を結んだという疑惑に対してMSが2019年末に調査を行い、この過程でゲイツ氏が理事会の理事職から辞任したと消息筋を引用して報じた。
WSJによると、MSのある女性エンジニアはゲイツ氏と数年にわたって性関係を結んだと主張する手紙を2019年下半期に会社に送った。映画界から始まった#MeToo(ミートゥー)運動がシリコンバレーの情報技術(IT)企業まで広がっていた時期だった。
MS理事会はその年末、ローファームを雇って独立的な調査を進めた。この女性はゲイツ氏との関係を詳細に記し、妻メリンダ氏に自身の手紙を読んでほしいと要求した。
ゲイツ氏は調査が終了する前の2020年3月13日、MSとバークシャー・ハサウェイの理事職から同時に退いた。2019年12月にMS取締役に再選任されてから3カ月しか経っていない時期だったので、辞任理由に対して多くの人が疑問に思っていた。
ゲイツ氏は報道資料を通じて妻と慈善事業に一層集中すると明らかにした。
ゲイツ氏の報道官はWSJに「ほぼ20年前に不倫関係(affair)にあったが、友好的に(amicably)終わった」として浮気の事実は認めた。ただし「理事職から退くことにした決定は、これとは関係がない」としながら「彼(ゲイツ氏)は数年か前から慈善事業により多くの時間を割くことに関心を持っていた」と話した。
ニューヨーク・タイムズ(NYT)も同日、ゲイツ氏が社内の女性に対してさまざまな問題的行動を取っていたと報じた。ゲイツ氏が結婚後も社内の女性職員に交際をしつこく迫っていたとし、2000年代中盤にMSと「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」の職員にアプローチしていた事例2件を消息筋を引用して伝えた。
ゲイツ氏の行動はメリンダ氏との結婚ストーリーを連想させる。ゲイツ氏はMSの職員だったメリンダ氏に交際を申し込み、数年間の恋愛の末に1994年結婚した。
メリンダ氏は2016年公開講演で「会議の時に偶然に並んで座ることになった時にビルが好感を示し、ある土曜日、家に帰るとき駐車場で再会し、デートを申し込まれた」と社内恋愛談を紹介した。
夫婦は財団を通じて共に慈善事業を行ってきたが、ゲイツ氏が自身の主張を強く貫徹しようとするあまり、時にはメリンダ氏に侮蔑感を与える状況になったときもあるとNYTは伝えた。
メリンダ氏は慈善事業の中でも特に性的、社会的抑圧から女性の自立を支援することに情熱を注いでいたことが伝えられた。夫の浮気、しかもその相手の会社職員が#MeToo運動の真っ最中に問題を提起したことは、メリンダ氏としては受け入れ難いことだったに違いないとの観測がある。
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