◆文大統領の電話会談のときに出てきた委託生産構想
モデルナの委託生産には政府が介入している。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は昨年12月末、同社のステファン・バンセル最高経営責任者(CEO)と電話会談を行った。バンセル氏は「(モデルナは)ワクチンを開発しているにもかかわらず、生産力量が不足している」とし「委託生産時、大規模な生産能力の構築が可能になるだろう」と話し、初めて韓国委託生産の可能性に言及した。汎政府ワクチン導入TF(タスクフォース)のペク・ヨンハ・ワクチン導入総括チーム長は先月14日、「国内で8月に海外承認ワクチンを大量生産する」と話した。青瓦台(チョンワデ、大統領府)の李昊昇(イ・ホスン)政策室長は12日、あるラジオ番組に出演して「(21日の)韓米首脳会談の主要議題の一つが韓米間のワクチンパートナーシップ」としながら「米国の源泉技術と原副資材、韓国の生産能力を結合すれば韓国がワクチン生産『グローバルハブ』になることができる」と話した。
モデルナは今年2月、中小ベンチャー企業部側に2億ドル(約218億円)規模の投資意向を明らかにした。もう少し俯瞰的に見て戦略を練り直し、後には委託生産のほうに旋回したという。政府関係者は「自社工場を作るためには敷地の確保から認・許可手続きなど相当な期間が必要とされる」とし「(モデルナの立場では)委託生産方式がはるかにはやいと判断してパートナー探しに出たようだ」と話した。
モデルナ-サムスンバイオロジクスがノババックス-SKバイオサイエンスのようにワクチン生産に必要な技術移転契約まで結ぶのか、委託生産物量を国内に使うのかは確実ではない。モデルナの今年の目標生産量は7億回分、このうち4000万回分が韓国に入ってくる。政府の別の関係者は「多くはないが、今月中にモデルナワクチンが入ってくる可能性もある」と話した。
◆サムスンバイオロジクスに対する2つの視線
サムスンバイオロジクスがすぐに生産に着手するのは難しいという見解もある。同社は仁川松島(インチョン・ソンド)に第1工場(3万リットル)・第2工場(15万4000リットル)・第3工場(18万リットル)を保有している。すべての工場で商業生産が行われている。建設中の第4工場(25万6000リットル)は来年末に部分稼働が可能だ。
匿名を求めた製薬業界関係者は「サムスンバイオロジクスの生産施設はニアフルキャパ(near full capacity・ほとんど空いたところがない状態)」とし「突然新型コロナワクチンの生産ラインを確保するのは現実的に不可能」と話した。ワクチン生産ラインを構築するために少なくとも6カ月かかることを考慮すると、今年8月の生産は非現実的だということだ。
反面、同社は今年2月ごろから一部生産ラインの入れ替えを始めたという話もある。また別の製薬業界関係者は「サムスンバイオロジクスがこの時期から第3工場内の一部生産ラインを入れ替えた」とし「これが単なる施設整備なのかコロナワクチンを生産するためのものなのかは何も聞いていないが、入れ替え作業を進めたことは間違いない」と伝えた。
この主張が事実なら、サムスンバイオロジクスが8月から新型コロナワクチンを生産することもできる。サムスンバイオロジクスは通常6~24カ月かかる抗体治療剤生産設備の構築をわずか3カ月で完成した経験がある。このような実力を基に、これまでイーライリリーやGSK(グラクソ・スミスクライン)など多国籍製薬会社からラブコールを受けた。サムスンバイオロジクス側は第3工場の設備入れ替え説について「顧客との契約に関する事項はすべて秘密保持条項」としながら「契約に影響を及ぼしかねないため、顧客の要請がなければどれも確認することはできない」と口を閉じた。
モデルナの韓国委託生産の可能性高まる…サムスン、肯定も否定もせず(1)
モデルナの委託生産には政府が介入している。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は昨年12月末、同社のステファン・バンセル最高経営責任者(CEO)と電話会談を行った。バンセル氏は「(モデルナは)ワクチンを開発しているにもかかわらず、生産力量が不足している」とし「委託生産時、大規模な生産能力の構築が可能になるだろう」と話し、初めて韓国委託生産の可能性に言及した。汎政府ワクチン導入TF(タスクフォース)のペク・ヨンハ・ワクチン導入総括チーム長は先月14日、「国内で8月に海外承認ワクチンを大量生産する」と話した。青瓦台(チョンワデ、大統領府)の李昊昇(イ・ホスン)政策室長は12日、あるラジオ番組に出演して「(21日の)韓米首脳会談の主要議題の一つが韓米間のワクチンパートナーシップ」としながら「米国の源泉技術と原副資材、韓国の生産能力を結合すれば韓国がワクチン生産『グローバルハブ』になることができる」と話した。
モデルナは今年2月、中小ベンチャー企業部側に2億ドル(約218億円)規模の投資意向を明らかにした。もう少し俯瞰的に見て戦略を練り直し、後には委託生産のほうに旋回したという。政府関係者は「自社工場を作るためには敷地の確保から認・許可手続きなど相当な期間が必要とされる」とし「(モデルナの立場では)委託生産方式がはるかにはやいと判断してパートナー探しに出たようだ」と話した。
モデルナ-サムスンバイオロジクスがノババックス-SKバイオサイエンスのようにワクチン生産に必要な技術移転契約まで結ぶのか、委託生産物量を国内に使うのかは確実ではない。モデルナの今年の目標生産量は7億回分、このうち4000万回分が韓国に入ってくる。政府の別の関係者は「多くはないが、今月中にモデルナワクチンが入ってくる可能性もある」と話した。
◆サムスンバイオロジクスに対する2つの視線
サムスンバイオロジクスがすぐに生産に着手するのは難しいという見解もある。同社は仁川松島(インチョン・ソンド)に第1工場(3万リットル)・第2工場(15万4000リットル)・第3工場(18万リットル)を保有している。すべての工場で商業生産が行われている。建設中の第4工場(25万6000リットル)は来年末に部分稼働が可能だ。
匿名を求めた製薬業界関係者は「サムスンバイオロジクスの生産施設はニアフルキャパ(near full capacity・ほとんど空いたところがない状態)」とし「突然新型コロナワクチンの生産ラインを確保するのは現実的に不可能」と話した。ワクチン生産ラインを構築するために少なくとも6カ月かかることを考慮すると、今年8月の生産は非現実的だということだ。
反面、同社は今年2月ごろから一部生産ラインの入れ替えを始めたという話もある。また別の製薬業界関係者は「サムスンバイオロジクスがこの時期から第3工場内の一部生産ラインを入れ替えた」とし「これが単なる施設整備なのかコロナワクチンを生産するためのものなのかは何も聞いていないが、入れ替え作業を進めたことは間違いない」と伝えた。
この主張が事実なら、サムスンバイオロジクスが8月から新型コロナワクチンを生産することもできる。サムスンバイオロジクスは通常6~24カ月かかる抗体治療剤生産設備の構築をわずか3カ月で完成した経験がある。このような実力を基に、これまでイーライリリーやGSK(グラクソ・スミスクライン)など多国籍製薬会社からラブコールを受けた。サムスンバイオロジクス側は第3工場の設備入れ替え説について「顧客との契約に関する事項はすべて秘密保持条項」としながら「契約に影響を及ぼしかねないため、顧客の要請がなければどれも確認することはできない」と口を閉じた。
モデルナの韓国委託生産の可能性高まる…サムスン、肯定も否定もせず(1)
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