<どうなる韓米首脳会談・上>「クアッド」冷遇してきた韓国の賭け? 駐米韓国大使はなぜSKバッテリー工場に行ったか(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
2021.05.12 07:42
◆気候変動・コロナ越えて「新技術」まで
気候変動や新型コロナへの対応は米国が中国と協力するという立場を決めた分野だ。韓国政府は対中圧迫の色彩が薄い分野で協力が可能だと考えたことになる。だが、最近になって政府は分野別協力が可能な分野に新技術のワーキンググループも検討しているという。米国も韓国の半導体技術力などを高く評価していて、新技術分野は韓国を除いて論じることができない立場である点を考慮しているということだ。
これに関連し、李秀赫(イ・スヒョク)駐米韓国大使が今月7日、米国ジョージア州に位置するSKイノベーションのバッテリー工場を訪問した事実も公開された。バイデン大統領が半導体・バッテリーなどの未来新技術分野で、事実上、中国を排除したグローバルサプライチェーン(供給網)構築を推進している中で、このような駐米大使の動線は意味深長だ。特に首脳会談を目の前にして行われた今回の工場訪問は、韓国も新技術分野への協力にさらに前向きな立場に旋回するかもしれないという信号とも取れるからだ。
仁荷(インハ)大学国際通商学科のチョン・インギョ教授は「米国がクアッド同盟国を中心に各種国際秩序に関連したイシューを推進していくということを認識し、韓国政府もクアッドに対する本格的な協力対応に出た」と分析した。また「特にバイデン政府が米国中心のグローバルサプライチェーンの構築を思ったよりも強力に進めていて、韓国政府も対応が避けられなくなった側面がある」と説明した。
韓国開発研究院(KDI)のチョン・ホンテク名誉教授は「クアッドの新技術協力で5G時代のさまざまな技術標準や人工知能(AI)などが扱われる可能性はあるが、中でも核心はやはり半導体インフラになるだろう」とし「韓国がこれに協力することにしたことに間違いなければ、半導体分野のグローバルサプライチェーンに変化にあり、国益を守るための対応だと解釈することができる」と話した。
◆「臨時方便対応」に警戒を
だが、このような気流の変化がいわゆる「首脳会談用」なのか、根本的な戦略的立場の変化なのかは明確ではない。一部では、今回の首脳会談の目的は新型コロナワクチンの支援を受けることではないかという指摘もある。実際、鄭義溶(チョン・ウィヨン)外交部長官は先月21日、中堅ジャーナリストの集まりである「寛勲(クァンフン)クラブ」の招待討論会で、韓米ワクチンスワップに関連する質問に「バイデン大統領が関心を持っているグローバルサプライチェーンでも米国をサポートする分野が多く、いろいろと協議することができる」と話した。ワクチン供給の対価として、韓国企業との半導体協力を提案することができるとも受け取れる発言だった。
専門家はクアッドと関連した政府の決定は国益を中心に置いて下されるべきで、臨時方便のように瞬間瞬間の峠を乗り越えることを考えたアプローチは適切ではないと指摘する。高麗(コリョ)大学国際大学院の金聖翰(キム・ソンハン)教授は「新技術分野は米中間に譲歩のない、事実上ゼロサムゲームが起きる分野で、韓国がクアッドの新技術ワーキンググループに参加するなら、米国も大きな期待を持つことになるのは明らか」としつつも「だが、ワーキンググループに入った後は具体的な措置が必要だが、このような部分が忠実に講じられず韓国が相変わらず消極的な立場を見せるなら、かえって韓米関係に予想できない波紋を呼ぶ恐れがある」と話した。
実際、クアッド首脳は今年3月の首脳会議後、新技術分野ワーキンググループの目的を「未来革新技術と国際的な基準に対する協力活性化」と規定した。
特に「国際的基準」に言及したのはクアッドを中心に、中国がこれまでかく乱してきたグローバルサプライチェーンの秩序を正しく整えるという意図だと解釈することができる。韓国がこれに対する十分な戦略的利害もなく飛び込めば、「部屋の中の象」に対面しようとしたのに「目の見えない象」に触れる結果につながってしまうことになりかねない。
<どうなる韓米首脳会談・上>「クアッド」冷遇してきた韓国の賭け? 駐米韓国大使はなぜSKバッテリー工場に行ったか(1)
気候変動や新型コロナへの対応は米国が中国と協力するという立場を決めた分野だ。韓国政府は対中圧迫の色彩が薄い分野で協力が可能だと考えたことになる。だが、最近になって政府は分野別協力が可能な分野に新技術のワーキンググループも検討しているという。米国も韓国の半導体技術力などを高く評価していて、新技術分野は韓国を除いて論じることができない立場である点を考慮しているということだ。
これに関連し、李秀赫(イ・スヒョク)駐米韓国大使が今月7日、米国ジョージア州に位置するSKイノベーションのバッテリー工場を訪問した事実も公開された。バイデン大統領が半導体・バッテリーなどの未来新技術分野で、事実上、中国を排除したグローバルサプライチェーン(供給網)構築を推進している中で、このような駐米大使の動線は意味深長だ。特に首脳会談を目の前にして行われた今回の工場訪問は、韓国も新技術分野への協力にさらに前向きな立場に旋回するかもしれないという信号とも取れるからだ。
仁荷(インハ)大学国際通商学科のチョン・インギョ教授は「米国がクアッド同盟国を中心に各種国際秩序に関連したイシューを推進していくということを認識し、韓国政府もクアッドに対する本格的な協力対応に出た」と分析した。また「特にバイデン政府が米国中心のグローバルサプライチェーンの構築を思ったよりも強力に進めていて、韓国政府も対応が避けられなくなった側面がある」と説明した。
韓国開発研究院(KDI)のチョン・ホンテク名誉教授は「クアッドの新技術協力で5G時代のさまざまな技術標準や人工知能(AI)などが扱われる可能性はあるが、中でも核心はやはり半導体インフラになるだろう」とし「韓国がこれに協力することにしたことに間違いなければ、半導体分野のグローバルサプライチェーンに変化にあり、国益を守るための対応だと解釈することができる」と話した。
◆「臨時方便対応」に警戒を
だが、このような気流の変化がいわゆる「首脳会談用」なのか、根本的な戦略的立場の変化なのかは明確ではない。一部では、今回の首脳会談の目的は新型コロナワクチンの支援を受けることではないかという指摘もある。実際、鄭義溶(チョン・ウィヨン)外交部長官は先月21日、中堅ジャーナリストの集まりである「寛勲(クァンフン)クラブ」の招待討論会で、韓米ワクチンスワップに関連する質問に「バイデン大統領が関心を持っているグローバルサプライチェーンでも米国をサポートする分野が多く、いろいろと協議することができる」と話した。ワクチン供給の対価として、韓国企業との半導体協力を提案することができるとも受け取れる発言だった。
専門家はクアッドと関連した政府の決定は国益を中心に置いて下されるべきで、臨時方便のように瞬間瞬間の峠を乗り越えることを考えたアプローチは適切ではないと指摘する。高麗(コリョ)大学国際大学院の金聖翰(キム・ソンハン)教授は「新技術分野は米中間に譲歩のない、事実上ゼロサムゲームが起きる分野で、韓国がクアッドの新技術ワーキンググループに参加するなら、米国も大きな期待を持つことになるのは明らか」としつつも「だが、ワーキンググループに入った後は具体的な措置が必要だが、このような部分が忠実に講じられず韓国が相変わらず消極的な立場を見せるなら、かえって韓米関係に予想できない波紋を呼ぶ恐れがある」と話した。
実際、クアッド首脳は今年3月の首脳会議後、新技術分野ワーキンググループの目的を「未来革新技術と国際的な基準に対する協力活性化」と規定した。
特に「国際的基準」に言及したのはクアッドを中心に、中国がこれまでかく乱してきたグローバルサプライチェーンの秩序を正しく整えるという意図だと解釈することができる。韓国がこれに対する十分な戦略的利害もなく飛び込めば、「部屋の中の象」に対面しようとしたのに「目の見えない象」に触れる結果につながってしまうことになりかねない。
<どうなる韓米首脳会談・上>「クアッド」冷遇してきた韓国の賭け? 駐米韓国大使はなぜSKバッテリー工場に行ったか(1)
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