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漢江で死亡の医大生の父「一緒にいた友達、防衛機制で催眠捜査が不可」=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

先月29日、盤浦(パンポ)漢江公園に掲げられている「行方不明になった息子を探します」という横断幕。チョン・ジンホ記者

「ジョンミン君の友達の心理状態が不安定であるうえに、防衛機制が強くて催眠捜査がまともに進まなかったと警察が話した。このような場合、催眠捜査でない嘘発見器調査をしたほうが良いそうだ」

漢江(ハンガン)で行方不明になって遺体で発見された医大生ソン・ジョンミン氏(22)の父、ソン・ヒョン氏(50)は最近記者らに会った席で「ジョンミンの死に釈然としない点が多い」と打ち明けた。父ソン氏はジョンミン氏が行方不明になった先月25日明け方までともに酒を飲んだ友達A氏に対する疑惑を継続して提起している。その中の一つがA氏の催眠療法を通した捜査に関連する部分だ。

警察は当時、行方不明になっていたジョンミン氏を探すための手がかりを得るためにA氏を相手に先月27日と29日2回にわたって催眠療法を試みた。だが、1回目には催眠の途中に目覚め、2回目には有意味な手がかりを得ることが難しかったというのが担当警察官の説明だ。


「法催眠」とは、調査対象者に催眠をかけて無意識に残っている特定の記憶を呼び起こす科学捜査技法の一つだ。催眠という用語が通常、心理・医学的用語として使われることとは違い、法催眠は犯罪捜査に活用する場合に限られる。犯罪現場で事件を解決するための手がかりが「人」しかいない時に主に使われる。記憶を歪曲したり否定したりする恐れがあり、容疑者や被害者でない目撃者に限って進める。

今回のジョンミン氏事件の場合、決定的な手がかりになるような閉回路(CC)テレビや目撃者の確保が難しかったうえに、A氏が「酒に酔って状況が思い出さない」としてA氏の無意識に希望をかけたというのがソン氏の話だ。

1999年国内に導入された法催眠は現在、性犯罪をはじめとする各種凶悪事件とひき逃げなどに利用されている。警察庁が中央日報に提供した年度別法催眠捜査活用件数によると、▼2016年41件▼2017年38件▼2018年35件▼2019年32件▼2020年36件で最近5年間一年平均36.4件の催眠療法による捜査が行われた。現在の警察庁に所属した法催眠専門調査官は全国的に計27人だ。

法催眠が成果を上げたりもするが、一般的に広く知られた捜査技法ではないため、調査を拒否する場合もあるという。警察内部でも催眠療法の信頼性に疑問を呈する声もある。ある警察幹部は「法催眠捜査に大きな期待をかけるわけではないが、ひょっとして記憶を呼び起こせば良い」とし「法催眠で犯人を捕まえる時もあるが、それだけで検挙したのかはよく分からない」と話した。

反面、海外では法催眠が役立つとみて、かつてから捜査に活用してきた。1960年代から法催眠を活用した米国の場合、目撃者が催眠状態で記憶をさらに詳細に思い出させるという研究結果が多数出た。

韓国で法催眠活用の良い事例として華城(ファソン)連続殺人事件が挙げられる。2019年法催眠を通じてバス案内員の31年前の記憶がよみがえられたことを契機に容疑者イ・チュンジェ氏が口を開いた。催眠捜査当時、バス案内員はイ・チュンジェ氏の写真を見て「当時目撃した容疑者の顔と一致する」と供述した。

催眠捜査で有意義な結果を得るためには、条件や状況もよく合致しなければならない。警察庁によると、昨年行われた催眠捜査36件の中で全体、あるいは部分的記憶を思い出させた「引き出し」件数は28件だ。催眠に入り込んだが、記憶を呼び起こすことができなかった「非引き出し」は4件、催眠がかからなかった「不能」は4件だった。

警察庁国家捜査本部科学捜査管理官所属のビョン・ギュテク法科学分析係長は「催眠者と被催眠者間の『ラポール(rapport・信頼関係)』の形成が大事だ」として「催眠によくかかるかどうかも個人別に違う」と話した。また、「法催眠に対する理解や集中力が高ければ、催眠捜査に適合するが、否定的・懐疑的・冷笑的・論理的性格の特性を持っていたり精神疾患や脳損傷を病んでいたりする場合には適合しない」と説明した。また、「様々な技法を状況に合わせてに捜査に活用しようとする努力を注いでいるが、法催眠もその中の一つ」と説明した。



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