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「4月中に300万人」の目標にこだわる韓国政府、2回目分のワクチン前倒しで接種し混乱

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

大田中区(テジョン・チュング)の新型肺炎ワクチン予防接種センターで医療スタッフが高齢者にファイザー製ワクチンを慎重に接種している。フリーランサーのキム・ソンテ

「ワクチン導入と接種は当初計画以上に円滑に進行している」。

文在寅(ムン・ジェイン)大統領は3日に青瓦台(チョンワデ、大統領府)で主宰した新型コロナウイルス対応特別防疫点検会議で「いまのように時期別にワクチン導入量を最大限効果的に活用するならば上半期の1200万人接種目標を1300万人に引き上げられるという報告も受けた」としてこのように話した。

文大統領の言葉と実際の現場の状況はかけ離れている。今月に入り、新規の1回目の接種が中断され、今月末にも正常化する見通しだ。京畿道(キョンギド)のある自治体関係者は「10日前には接種を督励しろとして夜遅くまで接種対象者に電話をかけたが、突然1回目の接種申請をこれ以上受けるなというから困惑する。当分接種センターは開店休業になった。高齢者からの請願が激しい」としてため息をつく。ワクチン需給が不安定なためこのように1回目の接種が中断される状況が全国各地で起きている。


なぜこうしたことが起こったのだろうか。韓国政府は先月「300万人接種」という目標をクリアするために2回目の接種分のワクチンを使って1回目の接種者を増やした。6月の予定だった軍人・警察官らの接種時期を2カ月ほど前倒しし、5月末に開設予定だった委託医療機関2000カ所を4月に開いて接種速度を上げた。突然委託機関の予備接種名簿でだれでもキャンセル待ちを受け付け、接種予約者が姿を見せないケース(ノーショー)があればその分を接種できるよう許容することもした。接種者は海外に行き帰国する場合に隔離義務を免除すると発表した。すると接種が後回しにされている若者層がこの夏の海外旅行の可能性を狙って接種に乗り出したりもした。

韓国政府が「300万」という数字にこだわったため優先順位にあった高齢層の接種はむしろ後回しにされ、その他の対象がワクチンを先に打つことになるアイロニーな状況が発生したという指摘も出る。高麗(コリョ)大学九老(クロ)病院感染内科のキム・ウジュ教授は「政府の目標は接種による致死率低下なのに、当初計画と違い警察と消防、航空乗務員などの人材が中間で追加され、むしろ高齢層接種は順位から押し出される状況になった」と指摘した。

医療現場は新規の1回目の接種中断と若い層がノーショー分のキャンセル待ち接種をする現象が同時に起きて混乱している。ワクチン需給状況に伴う一時的な現象というが接種対象になる国民の立場では不安だ。政府の不透明で原則のないワクチン政策が自ら招いた結果という批判を免れそうにない。

大韓ワクチン学会のマ・サンヒョク副会長は「数字にばかり命をかけている。ワクチン需給状況を透明に知らせ、需給を考慮して現実的に可能なことをしなければならない」と指摘した。



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