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【社説】大統領の「ワクチン約束」さえ今は信じられない=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

文在寅大統領が21日、呉世勲ソウル市長と朴亨ジュン釜山市長を招いて午餐会を行うために兪英民(ユ・ヨンミン)秘書室長とともに常春斎(サンチュンジェ)に移動している。[写真 青瓦台写真記者団]

韓国政府が昨年、新型肺炎ワクチン戦略の最初のボタンを留め間違えたせいでワクチン政策がますますこじれ、迷路に閉じ込められた局面だ。これを突破するために不十分な対策を打ち出しているが、解決はどころか慌てている様子だ。国民は混乱し、不安を感じている。信頼墜落でもう大統領のワクチン関連の発言さえ信じ難くなった。

文在寅大統領は一昨日、呉世勲(オ・セフン)ソウル市長と朴亨ジュン(パク・ヒョンジュン)釜山(プサン)市長を招いた青瓦台(チョンワデ、大統領府)午餐会で「ワクチンの需給に対する不安より接種速度を上げないのがさらに問題」と話した。まるでワクチンを充分に積み上げているのに医療界が現場で接種を迅速に進めていないという叱責のように聞こえる。だが、これは実状とかけ離れている発言だ。

「ワクチン物乞い」と言われるほど政府が当初公言したワクチン導入計画に相次ぎ支障が生じて需給に赤信号が灯っているのは皆が知っていることだ。例えば、大統領が「4-6月期に2000万人分を導入することにした」と昨年12月直接テレビ会議まで開いて発表したモデルナ製ワクチンは事実上下半期に導入時点が遅れた。ヤンセン製ワクチンも具体的な導入時期を発表することができずにいる。


鄭義溶(チョン・ウィヨン)外交部長官は20日「米国とワクチンスワップ(対等交換)を真剣に協議中」と前面に出すと、翌日に寛勲(クァンフン)討論会で「米国も国内事情がまだかなり難しいという」として尻尾を巻いた。鄭長官の一進一退の発言は政府不信だけをあおった。徳チョル(クォン・ドクチョル)保健福祉部長官は21日、国会対政府質問で契約が確定しなかったとしても「追加で相当な物量を確保した」と話し、「とらぬ狸の皮算用」だった。

事実でなければいいといったような発言も多い。汎政府ワクチン導入総括チーム長は15日、「韓国の製薬会社が海外で承認されたワクチンを8月から国内で大量に委託生産する予定」と発表したが、契約も終わっていない中で早い発表で混乱を起こしたという批判を浴びた。韓国で委託生産中であるアストラゼネカ製ワクチンの輸出制限に関する言及もややもすると逆風を呼ぶ危険な発想だった。

菅義偉首相はワクチンの指令塔を自任して最近日部首脳会談でファイザー製ワクチンを大量に確保する成果を上げた。ところが、文大統領はその時になって「ロシア製ワクチンの導入を検討せよ」と指示した。青瓦台・疾病管理庁・食品医薬品安全処・福祉部・外交部・国家情報院などがその間手をこまぬいたという職務遺棄の告白でははいのだろうか。ついに、文大統領は政治偏向と不正確な防疫諮問をめぐる論議を呼んだキ・モラン教授を青瓦台防疫企画官に任命して政策混乱をあおった。今でも文大統領はワクチンの確保に死活をかけなければならない。不十分な対策を量産して混乱と不信を高める時ではなく、正確なワクチン情報を提供する必要がある。国民の生命と健康の責任を負う国政最高責任者の役割を果たすことを促したい。



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