先月18~19日アンカレジで開かれた米中高官級会談で双方が行った険悪な舌戦は米中関係の現住所を見せる。米国は中国の行動がルールに基づいた国際秩序を押し崩していると火ぶたを切った。中国は米国がむしろ国家安保概念を乱用して国際貿易の未来を威嚇しているとして真っ向から対立した。米国がウイグル、チベット、香港など敏感な問題を取り上げると中国は内政干渉だとして激しく反発した。両国のデカップリング(脱同調化)が全方向に広がっている。
米中デカップリングは2010年代半ばに中国政府が攻勢的な産業政策と外交・安保政策を展開し始めて本格化した。当時のトランプ大統領は2017年12月に発表した国家安全保障戦略報告書で中国を米国の安保と世界秩序を脅かす競争者と考えると公式に宣言した。その後中国企業に対する各種制裁措置が取られ両国関係は急速に亀裂が入り始めた。
1月に就任したバイデン大統領も先月発表した予備国家安保戦略案内書で、中国との競争で勝つことが米国の安保戦略の核心であることを明確にした。中国を牽制するための米国の戦略も精巧だった。バイデン政権は中国との競争を民主主義的価値と社会主義的価値の競争と規定し、民主的価値を共有する同盟国が中国に共同対応することを促している。いま米国デカップリングは新しい局面を迎えている。
◇中国、自主的革新で世界最高に挑戦
米中デカップリングは米国の攻撃に中国が反撃して拡大する様相だ。原因は中国が提供した。2006年に中国が発表した中長期科学技術開発計画がデカップリングの出発点だった。これは科学技術の自主的革新を通じて2020年までに中国経済を技術強国にし、2050年には世界をリードする社会主義最強国に上るという野心に満ちた計画だった。
しかしここでいわゆる「自主的革新」とは外国技術を模倣したり吸収したり改善してこれを中国の技術にすることを意味した。企業活動に中国政府が積極的に関与するだろうと予告したのだ。その後中国政府が自主的革新を支援するために特許制度、製品検査と承認制度、公正取引審査、政府調達、技術標準を不公正に運用し、外国人投資時に中国企業への技術移転を強要するという批判が提起された。
2015年には「中国製造2025」が公表された。2025年までに次世代通信技術など10件の戦略分野を積極的に育成し、中国の産業が世界最高に上るようにするという積極的計画だった。戦略産業育成に向け国のすべての資源を注ぎ込むという意志が込められた計画だった。
このような中国政府の積極的政策と慣行に対し、米国は米国中心のサプライチェーンから中国企業を排除する措置で対抗した。ZTEやファーウェイなどに米国からの半導体供給を中断させ、ティックトックとウィーチャットアプリの米国内使用を禁止した。トランプ前大統領は任期終了を数週間後に控えた昨年12月中旬、中国最大の半導体メーカーSMICと世界の最大ドローンメーカーDJIなど60社の中国企業をブラックリストに上げ米国企業との取引を遮断した。
【コラム】米中デカップリング後…サプライチェーン世界化退潮し地域ブロック化進行(2)
米中デカップリングは2010年代半ばに中国政府が攻勢的な産業政策と外交・安保政策を展開し始めて本格化した。当時のトランプ大統領は2017年12月に発表した国家安全保障戦略報告書で中国を米国の安保と世界秩序を脅かす競争者と考えると公式に宣言した。その後中国企業に対する各種制裁措置が取られ両国関係は急速に亀裂が入り始めた。
1月に就任したバイデン大統領も先月発表した予備国家安保戦略案内書で、中国との競争で勝つことが米国の安保戦略の核心であることを明確にした。中国を牽制するための米国の戦略も精巧だった。バイデン政権は中国との競争を民主主義的価値と社会主義的価値の競争と規定し、民主的価値を共有する同盟国が中国に共同対応することを促している。いま米国デカップリングは新しい局面を迎えている。
◇中国、自主的革新で世界最高に挑戦
米中デカップリングは米国の攻撃に中国が反撃して拡大する様相だ。原因は中国が提供した。2006年に中国が発表した中長期科学技術開発計画がデカップリングの出発点だった。これは科学技術の自主的革新を通じて2020年までに中国経済を技術強国にし、2050年には世界をリードする社会主義最強国に上るという野心に満ちた計画だった。
しかしここでいわゆる「自主的革新」とは外国技術を模倣したり吸収したり改善してこれを中国の技術にすることを意味した。企業活動に中国政府が積極的に関与するだろうと予告したのだ。その後中国政府が自主的革新を支援するために特許制度、製品検査と承認制度、公正取引審査、政府調達、技術標準を不公正に運用し、外国人投資時に中国企業への技術移転を強要するという批判が提起された。
2015年には「中国製造2025」が公表された。2025年までに次世代通信技術など10件の戦略分野を積極的に育成し、中国の産業が世界最高に上るようにするという積極的計画だった。戦略産業育成に向け国のすべての資源を注ぎ込むという意志が込められた計画だった。
このような中国政府の積極的政策と慣行に対し、米国は米国中心のサプライチェーンから中国企業を排除する措置で対抗した。ZTEやファーウェイなどに米国からの半導体供給を中断させ、ティックトックとウィーチャットアプリの米国内使用を禁止した。トランプ前大統領は任期終了を数週間後に控えた昨年12月中旬、中国最大の半導体メーカーSMICと世界の最大ドローンメーカーDJIなど60社の中国企業をブラックリストに上げ米国企業との取引を遮断した。
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