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1分間に4200発、超音速ミサイル迎撃…空母最後の武器国産化=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

海軍艦艇に搭載した近接防御武器「ゴールキーパー」が海上に射撃している。[写真 韓国海軍]

轟音とともに数百発の銃弾が放たれる。銃口が向けられた海に振り向いたその瞬間に爆音とともに火花が光る。韓国海軍の空母を狙って接近した北朝鮮のミサイルに命中したのだ。2030年代初期、東海(日本名・日本海)で一瞬のうちに行われた戦闘だ。

海で艦艇を攻撃する弾道ミサイルは弾道弾迎撃ミサイルで対応する。だがミサイル迎撃に失敗したり比較的速度が遅い巡航ミサイル攻撃は艦対空誘導弾で防衛する。

万にひとつ、2回の機会がともに失敗するケースもありえる。ミサイルをミサイルで防ぐことができなかった場合、最後の瞬間には近接防御武器(CIWS)が1分当たり4200発の銃弾を浴びせて防御幕を張る。


このように艦艇を守る「最後の砦」であるCIWSを韓国の技術で開発する。

防衛事業推進委員会は先月31日、「近接防御武器体系-II事業案」を審議した後、国内開発を決めた。今年から2030年まで4500億ウォンを投じて開発し、10台ほどの試作品と実戦武器を生産する。

海外から購入していたのに国産化に乗り出したには理由がある。韓国はレイセオンの「ファランクス」、オランダ・タレスの「ゴールキーパー」の2種類のCIWSを導入し運用してきた。これまでは大きな問題はなかった。

だがゴールキーパーの生産だが中断されてからはファランクスだけを導入したが、最近追加導入価格が上がった。ファランクスが世界市場を独占しているためだ。今後海軍艦艇を導入するたびに同じ悩みを繰り返さなければならない。

近く始まるファランクスの廠整備も難しい状況だ。米国は関連技術移転を拒否しており米国で直接修理しなければならないという立場だ。韓国が負担する費用は大きく上がるほかない。

国内開発CIWSは軽空母と韓国型次期駆逐艦(KDDX)、護衛艦(FFX-III級)など海軍の最新艦艇に装備される予定だ。使用期間が長くなった既存のCIWS数十門も段階的に置き換える見通しだ。

◇海外企業が市場独占、技術移転も拒否

単純な国内組み立てではない。既存のCIWSより性能が上がる。これまでは時速約1100キロメートルの亜音速ミサイルだけ対応できた。今度は超音速ミサイルまで迎撃可能な水準で開発する予定だ。最近開発された巡航ミサイルはラムジェットエンジンを装備し、概ねマッハ4(時速4800キロメートル)水準まで速くなった。

レーダーも良くなった。機械式レーダーと違いアクティブ電子走査アレイ式レーダー(AESA)を搭載し、さらに遠い距離から発見してさらに速く対応に出られる。以前より探知能力がさらに精密なのも当然だ。

2018年12月に開発を完了した艦対空誘導弾「海弓(ヘグン)」の最大射程距離は20キロメートル水準だ。海弓が迎撃できないミサイルが艦艇に接近すればCIWSが対応する。

艦艇から5キロメートル離れた距離で交戦が行われる。ここにガトリング砲が吐き出した砲弾が火網を作り出す。マッハ3~4のスピードを出すミサイルは1秒に約1.2~1.6キロメートル移動する。迎撃に与えられた時間はわずか3秒ほどだ。

艦艇周辺に浸透する高速艇も自動で撃破できる。既存の「ゴールキーパー」は手動で操作するので困難があった。自動・手動・半自動いずれも可能になる。地上に設置する場合、空軍の滑走路と軍指揮施設などの拠点防御も可能だ。

◇これまでより性能引き上げ多様な活用の可能性

問題は技術だ。そこで韓国企業が十分な能力を備えているのか確認してみた。先月15日に亀尾(クミ)のLIGネクスワン生産本部を訪れた。

CIWSの国内開発はすべての部品を新たに開発するものではない。これまで使ってきたゴールキーパー艦砲の主要部品を同一に活用する。軍当局は30ミリメートル弾を撃つゴールキーパーが20ミリメートル弾のファランクスより破壊力が大きくて効果的だと判断した。

国産化は段階的に推進する。ゴールキーパーに装着された30ミリメートルGAU-8ガトリング砲は技術導入を通じ火砲専門の韓国企業が生産する計画だ。「タンクキラー」と呼ばれるA-10攻撃機に装備する機関砲だ。圧倒的な火力が長所だ。

各種部品を総合する能力を備えた後に個別部品の国産化可否を判断する予定だ。

LIGネクスワンは分解して直しながら技術を得た。2018年からゴールキーパーの廠整備を始めた。韓国海軍が使ったゴールキーパーを工場に持ち込み完全分解した後に再び組み立てた。

本格的な整備に先立ちオランダ海軍の整備廠にスタッフ20人を送りシステム全般に対する基本技術を学んだ。昨年9月にこの技術で整備した初めての装備は海軍が主管した海洋での性能試験を通過した。

廠整備現場に到着すると新品のようにきれいになったゴールキーパーが最後の点検を受けていた。すべての部品ひとつひとつを分解して整備し一部部品は新しいものに交換したためだ。すみずみまでよくわからなければできない作業だ。

こうした経験のおかげで韓国型CIWS-IIの開発は難しくないと評価される。LIGネクスワンCIWS-II事業団のホン・ソンピョ団長は、「CIWS-IIに搭載される艦砲はゴールキーパーと同一ですでに関連技術を確保した。AESAレーダーを韓国で最初に開発し戦力化しており、センサー分野でも最高の技術力を保有している」と強調した。

◇レーダー探知など独自開発技術確保

この日大型近接電界試験場と韓国最大規模のレーダー総合試験場では性能試験中の対砲兵探知レーダー-II、蔚山(ウルサン)-I級艦艇探索レーダー、局地防空レーダーを見ることができた。

LIGネクスワンは海弓をはじめとして艦対艦誘導弾「海星(ヘソン)」、携帯用対空誘導弾「神弓(シングン)」など多様な誘導兵器も生産する。よく見てよく撃って防衛するあらゆる技術を備えているという意味だ。

偶然に特別なレーダーを発見した。2019年の日本の哨戒機近接威嚇飛行当時に韓国海軍艦艇に搭載された装備だ。艦艇に近接する航空機の飛行情報を把握する艦対空標的レーダー(STIR-240)で、整備を受けるために持ち込まれたものだ。

誘導弾組み立て現場に入ってみると大型の太極旗が掲げられていた。防衛産業現場の労働者の愛国心が感じられた。同社関係者は「出勤する時に働きに行くと言わない。愛国しに会社行くと話す」と自負心を示した。

このように単純な工場ではなく、武器を作り、再び直し、さらに強い力で国を守る現場だと感じられた。亀尾生産本部本館屋上には大型の太極旗がはためく。玄関前には韓国戦争(朝鮮戦争)参戦国の国旗もすべて掲揚されていた。



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