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【社説】金与正氏の談話に反論すらできない韓国政府

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の妹である金与正(キム・ヨジョン)労働党副部長が韓国と米国を猛非難し韓米合同軍事演習の全面廃止を要求してきた。「3年前の暖かい春の日がまた帰ってくるのはたやすくないだろう」としながら南北軍事合意の破棄まで言及した。

この際韓国政府と国防当局は韓米合同演習に対する明確な立場を明らかにすることを促す。韓国政府は今月上旬に始まった今年の合同演習の規模を縮小し、実機動訓練の代わりにコンピュータゲーム水準の指揮所訓練に変えた。北朝鮮が嫌う合同演習だけ静かにやり過ごせば対話提案に応じるかもしれないという期待も隠さなかった。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は1月の新年記者会見で、合同演習を北朝鮮と協議できるという立場まで明らかにした。だが金副部長は「50人が参加しようと、100人が参加しようと、そしてその形式があれこれと変異しようと、侵略戦争演習であるという本質と性格は変わらない」としながら韓国政府の期待に冷や水を浴びせた。「レッドラインを越える間抜けな選択」という侮辱的表現まで動員した。

さらに失望的なのは談話に対する韓国政府当局の反応だ。防衛訓練だと反論し批判するのが当然なのに統一部は「合同演習が韓半島の軍事的緊張を作る契機になってはならないというのが韓国政府の一貫した立場」と明らかにした。北朝鮮の主張に呼応するような姿ではないのか。きょう訪韓するブリンケン米国務長官とオースティン国防長官がどう考えるだろうか。韓国政府は明確な言葉で北朝鮮の無茶な主張に反論しなければならない。そうでなければ韓米訓練が侵略戦争演習という北朝鮮の主張を黙認する結果になる。


韓国政府は北朝鮮のご機嫌取りをすぐにやめるべきだ。そうでなくては北朝鮮の対南非難と無茶な主張がますます水準を高める悪循環に陥ることになる。金副部長の非難にタイミングを合わせて対北朝鮮ビラ法が制定されたのがその事例だ。韓国当局を圧迫すれば自分たちが望む結果を得られるという誤ったシグナルを北朝鮮に与えることになり、はるかに深刻な誤判断を呼びかねない。

金副部長は「今後4年間、足を伸ばして寝たいのが望みなら、始めからみっともなく寝そびれる仕事を作らない方がよかろう」としながら米国に対する警告も忘れなかった。近く姿を表わすバイデン政権の新たな対北朝鮮政策を鋭意注視しており、いざという時には挑発までいとわないだろうという威嚇だ。こうした威嚇があるからとバイデン政権が対北朝鮮政策の大きな幹を変えるだろう信じるならば大きな誤判だ。きょうから米国務長官と国防長官が訪韓し、それぞれ韓国外交部長官・国防部長官との単独会談と「2+2会議」をする。北朝鮮の誤判断と挑発を防ぎ、真の変化を引き出せるよう緻密な戦略を立て一致した声を出すことがいつになく重要だ。



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